ジャパンナレッジ
防衛や安全保障に関する政策研究や分析を行う防衛省のシンクタンク機関。(1)安全保障や戦史の調査研究、(2)自衛隊幹部らの育成・教育訓練、(3)戦史資料の保管・公開、の三つの機能を担っている。英語の頭文字をとってNIDSと略称する。1952年(昭和27)に発足した保安庁保安研修所が前身で、1985年に防衛研究所に改称した。東京新宿区市ヶ谷(いちがや)にある。歴代防衛省のキャリア組がトップの所長を務めている。2016年(平成28)4月時点の職員数は136人で、研究職員が90人、管理職員が46人。自衛官や他省庁職員のほか、外国からの軍人も研修員として受け入れ、教育研修を実施している。防衛研究所の戦史研究センターでは、1958年にようやくアメリカから返還された大戦史料や厚生省復員局などが整理保管・収集した陸軍関係約5万8000冊、海軍関係約3万8000冊などの史料を所蔵。2001年11月から、アジア歴史資料センターを通じてインターネットによる資料公開を始めた。
[矢野 武]