日本大百科全書(ニッポニカ)

雨量計
うりょうけい

降水量を測るために使用する観測計器。いちばん簡単なものは、底のある金属製円筒を、空地などに鉛直に設置したものである。中にたまった降水の深さを物差しで測るか、水量あるいは重さを測定する。雨雪量計ともよばれる。日本で標準とされている雨量計は、口径が20センチメートルで、受水口は地面から数十センチメートルにする。正確に雨量を測るには、建物などの影響がない場所を選び、雨滴の跳ね返りを防ぐため、周囲には芝草などを植えるのがよい。
 利用目的に応じていろいろな雨量計がある。室内で記録させるには、転倒ます型自記雨量計がよく用いられる。受水器に入った雨水は、回転軸を中心にしてシーソーのように動く転倒ますの片方に注ぐ。それがある量、たとえば雨量で0.5ミリメートルに達すると、ますが転倒して排水される。転倒時にスイッチが作動し、室内に置いた記録器が動く。この信号を有線あるいは無線を使って遠方に記録する装置は、ロボット雨量計ともよばれる。ごく短い時間の雨量は、受水器からの雨水をノズルを通して灯油の中に滴下し、光ビームの断続をカウントして測る。凍結を防ぐため電気ヒーター、温水、不凍液などを使う雨量計もある。
 雨量の観測は、すでに紀元前4世紀ごろインドで行われたというが、史料に残っているものでは15世紀の中ごろ朝鮮での雨量計による記録が知られている。
[篠原武次]