日本大百科全書(ニッポニカ)

エコカー減税
えこかーげんぜい

環境性能が優れている自動車(エコカー)に対し、自動車の購入時や保有時にかかる自動車関連税を減免する優遇制度。燃費や排ガス性能の悪い車から環境性能のよい車への買い替えを促す目的があり、日本や欧米で導入されており、中国や東南アジアにも広がっている。日本では、2009年(平成21)に経済産業省主導で導入された。自動車購入時にかかる自動車取得税、購入時と車検時にかかる自動車重量税、毎年かかる自動車税・軽自動車税を減免している。導入当時、2008年のリーマン・ショックで低迷する国内消費をてこ入れするねらいがあったが、2016年時点でエコカー減税の対象が新車の9割を占めるようになり、日本政府は2017年から適用基準を厳しくしている。エコカー減税は経済的な手法で環境問題を解決しようとする環境税の一種とみることができる。
 水素を燃料とする燃料電池車、電気モーターのみで走行する電気自動車、家庭で充電できるプラグイン・ハイブリッド・カーなど、二酸化炭素などの排出量が少ない環境対応車は自動車取得税と自動車重量税が免除になる。また燃費や排ガス性能に応じて、ガソリン車やハイブリッド・カーも自動車取得税・自動車重量税が減税される。エコカー減税は2~3年程度の時限措置であることが多く、数年ごとの税制改正で、対象となる基準や減免幅が変わり、対象車種も変更になることが多い。
 2017年度から2年間は、2017年度税制改正に盛り込まれた新しい制度が導入された。2020年度燃費基準と2015年度燃費基準を併用し、自動車取得税については、100~20%の減免が燃費効率に応じて受けられる。自動車重量税は燃費効率に応じて100~25%の減免となる。自動車税・軽自動車税は購入翌年度の支払い分を軽減するグリーン化特例を適用し、普通乗用車で75~50%、軽自動車で75~25%の減免となる。なお類似制度として、環境性能の優れた車の購入の際に補助金を出す「エコカー補助金」という制度もある。
[矢野 武]