日本大百科全書(ニッポニカ)

ガスタンク
がすたんく
gas tank 英語

燃料用都市ガスならびに工業用ガスの貯蔵容器のことで、ガスホルダーともいう。可搬用小型圧力ガス容器はガスボンベあるいはガスシリンダーとよばれる。
 ガスを常圧で貯蔵する常圧タンクでは、ガス量の変化に応じてタンク内容積を変える必要があり、基部を水封されたドームが上下する湿式タンクと、内部に上下する仕切り板(ピストン)をもつ固定直立円筒(または多角筒)型の乾式タンクとがある。さらに湿式タンクには、外部に設けられた案内用支柱によってドームが垂直に昇降する有柱式と、ドーム自体に斜めに案内用レールが設けられており、ドームが旋回しながら昇降する無柱式とがある。水封式であるため水溶性ガスには用いられず、またガス中に水蒸気が飽和することも避けられない。また、底板中央部を高くするなど水量を少なくするくふうはなされているが、基盤の重量負荷は比較的大きく、数万立方メートル以下の容量のものが多い。乾式タンクの仕切り板とタンク内面との気密方式には、鉱油などを用いる液シール式と、ゴムなどの可撓(かとう)性膜を用いるダイヤフラム式とがあり、後者のほうが密閉性が高い。乾式タンクは液シール式で60万立方メートル程度、ダイヤフラム式で十数万立方メートル程度までの容量のものが建設されている。貯蔵中あるいは送気中のガスに空気が混入しないためにも、自圧で送気するためにも、常圧タンク内のガス圧は大気圧より水柱で数十~数百ミリメートル加圧されている。
 配管や貯槽の小型化を図るため、都市ガスでも基幹配管では10気圧程度までの加圧下で行われることが多い。このような高圧タンクには球型タンクが多く用いられ、容量1000立方メートル級のものから2万立方メートル(直径約35メートル程度)級のものまで建設されている。また、50立方メートル級以下の小型タンクには横置円筒型のものが多く、定置タンクのほか、輸送用タンクローリーとしても使用されており、圧力も100気圧以上に及んでいる。
[河村祐治]