ジャパンナレッジ
金型に溶融金属を加圧注入して凝固させる鋳造法。寸法精度が高く、鋳肌が滑らかで機械加工仕上げを省略できる。寸法精度は鉛合金、亜鉛合金で0.03%、アルミニウム合金で0.05%程度であり、この意味では精密鋳造法の一つである。つくりうる鋳物の最小肉厚は前者で0.8~1.5ミリメートル、後者で1.2~2.0ミリメートルである。鋳込み圧力はピストンを用いて30~50気圧に達するので、金型に押し付けられた溶湯の冷却速度はきわめて大きく、鋳造機を自動化することにより1日1000~2000個の多量生産ができる。金型としてはこのような繰り返しの鋳込みに耐えねばならないので耐熱鋼が用いられ、鋳込み用合金としては融点のあまり高くない亜鉛合金とアルミニウム合金とがおもに使用される。カメラのボディーやエスカレーターの踏み板やサッシの留め金などは身近なダイカスト製品である。
[井川克也]