ジャパンナレッジ
一般の病院では治療がむずかしい高度先端医療の治療や研究、医師の研修を行うことができる病院。1992年(平成4)の第二次医療法改正により、患者の状態に即した病院の新たな体系化が図られ、病院は従来の一般的治療を担当する「一般病院」、生活習慣病や老年病などで3か月以上の長期入院が必要な患者をおもに扱う「療養型病床群」、そして高度先端医療技術に対応できる「特定機能病院」の三つに区分された。特定機能病院の指定を受けるには厚生労働大臣の承認が必要で、高度医療の提供や高度医療技術の開発・評価および医師の研修を行うことができるなどの条件を満たすほかに、400病床以上で内科・外科・精神科・小児科など10以上の診療科をもち、厚生労働省令で定める医療従事者数や施設を有することなどが必要条件である。この体系化により、初期治療は診療所や一般病院で受診し、必要な場合は、診療所や病院からの紹介を受けて特定機能病院を受診することになる。
特定機能病院としては国立がん研究センター中央病院、国立循環器病研究センター、国立国際医療研究センター病院のほか、公立病院としては大阪府立成人病センターや静岡県立静岡がんセンターなどが承認されている。ほかに当初より全国の80ほどの大学病院が承認されているが、医療事故などを起こして承認を取り消されるケースもしばしばある。その後にふたたび承認された病院もあるが、承認基準の見直しが進められている。
[編集部]