科学的根拠に基づいた安全性や機能性について、事業者の責任において商品に表示して販売する目的で、消費者庁長官へ届け出された食品。「保健機能食品」の一つで、2015年(平成27)4月に制度が開始された。食品ごとに国の審査を受け販売を許可される特定保健用食品(トクホ)とは、消費者庁長官による個別の評価を受けたものではない点で異なる。また、含有栄養成分量などが国の定めた規格基準に適合していることを求められる栄養機能食品とも異なり、事業者の責任において安全性や機能性が実証されていれば、その科学的根拠について届け出ることのみで販売が可能である。これには野菜や果物、魚などの生鮮食品も含まれる。アメリカで1994年から始まったダイエタリーサプリメント制度がモデルとなっている。この制度は、事業者が自社の製品に健康上の効果が認められると判断すれば、国に届け出るだけで錠剤やカプセルなどとして販売できる。
機能性表示食品として届け出された情報は消費者庁のウェブサイトに公開されており、消費者は届出番号をもとにその食品の情報を確認することができる。商品パッケージには、特定の成分を含んでいるため特定の保健機能があり健康の維持・増進に効果があること、すなわち、たとえば整腸作用や脂肪吸収を抑える作用など、消費者庁に届け出た内容を表示できるが、機能性表示食品であり消費者庁長官の個別審査を受けていないことを明記する必要がある。また、疾病の診断や治療および予防を目的とした医薬品ではないこと、そのため疾患に罹患(りかん)していない人を対象として開発された食品であり、未成年者や妊産婦および授乳婦を対象としたものではないことなども併記することが義務づけられている。
機能性表示食品は、素材や栄養成分の表示などに関して懸案とされる問題も多く、随時見直しが検討されている。
[編集部]