(バイシュンノシャカイガク)
J=G・マンシニ 著/寿里 茂 訳
従来、社会科学の視点から売春という問題を扱い、分析した文献は、必ずしも数多いとはいえない。本書は豊富な資料を背景に、世界各国における売春ならびに売春組織の実態を明らかにし、人間社会におけるこの古くてかつ新しい問題の本質を説く。
(セイカンケイノレキシ)
アンドレ・モラリ=ダニノス 著/篠沢秀夫 訳
政治も戦争も金銭も、秘められたエロスに仕える道具にすぎない――著者はこれまで性がいかに強力に歴史を導いてきたかを説き、人間活動の規範であった神話と宗教のうちに、さらには伝説や民話という劇的な枠組のなかにも、いかに性的なものが反映されているかを明らかにしている。
(シャカイガクノホウホウ)
レイモン・ブードン 著/宮島 喬 訳
複雑な社会的現実に対応し、社会学の方法の多様化と精緻化が要求されている。デュルケム、ヴェーバー、マードックらの理論の検討と整理をふまえ、著者は定量的方法と定性的方法を軸に社会学の方法の論理を追究する。データや事例を豊富に示しつつ、社会学研究の方向づけを探る明晰な方法試論。
(チュウゴクジンノセイカツ)
ミシェル・ジャン 著/小川特明 訳
毛沢東という巨大な指導者を失ったあとも、中国は絶えざる革命的実験を推し進めてきた。社会体制から生活のすみずみにまでいたるこの全体的な改革のなかで、中国の人びとは日々どのように生活し、何を考え感じとるのだろう。この地球上に最も多くの同胞をもつ人びとについての「暮らしの報告書」。
(ジョセイノケンリ ソノレキシトゲンジョウ)
ネー・バンサドン 著/池田節雄 訳
女性に必要な権利とはどのようなものか? 本書は、古代から今日にいたるまでの女性が置かれてきた地位を分析し、女性解放の歴史を語るなかで、性的・社会的タブーと果敢に闘ってきた世界各国の女性の権利の現状を比較し、論じている。巻末には補遺として「日本女性の権利」をコンパクトに付記した。
(コクサイジンドウホウ)
モーリス・トレッリ 著/斎藤恵彦 訳
1864年、赤十字国際委員会により、武力紛争時の人間の尊重を目的として、すでに承認されていたいくつかの人道的原則を法律化し、ジュネーブ国際人道法が誕生した。この法律の歴史的基盤、戦闘員の倫理、犠牲者の輪郭、適用のメカニズム、その限界と課題などを概説し、人類普遍の原則の遵守を唱える。
(ダイサンセカイ)
エドモン・ジューヴ 著/高 演義 訳
80年代以降の反第三世界主義の流行に抗して、その誤りを明快に論駁し、第三世界の歴史的・国際的位置づけを力強く行なった第三世界主義擁護の書である。長い間「東西対立」型の思考に馴れ、「南北」軸に立って世界を捉えることを怠ってきたわれわれにとって示唆に富む一冊である。
(フェミニズムノセカイシ)
アンドレ・ミシェル 著/村上眞弓 訳
先史時代から現代にいたるまでの各時代と社会における女性の条件を、男性の地位・権力との関係で考察し、それにもとづいてフェミニズム理論を構築する野心作。著者は著名な社会学者で、独自の第三世界論の立場から、世界的な規模での女性の条件の変革の可能性を展望し、女性解放の道筋を探る。
(シャカイガクノゲンゴ)
ジャック・エルマン 著/原山 哲、樋口義広 訳
社会学の言語には6つの範疇がある。本書は、ノーバート・ウィーナーのサイバネティックス理論やゲーム理論、レヴィ=ストロース、ロラン・バルト、ジル・ドゥルーズ、ピエール・ブルデューといった、構造主義以降の現代思想をも援用しながら、社会学のさまざまな言語とその潮流を、範疇別に概説する。
(ロウドウホウ)
ミシェル・デスパックス 著/神尾真知子、野間 賢 訳
ポスト・バブルの資本主義社会では、外国人労働者の問題などが発生し、新しい労使関係のあり方が厳しく問われている。本書では、両者の関係の行方を見すえるために、フランスにおける「労働法の歴史」、すなわち「立法者による介入の歴史」が概説される。なお、巻末にはフランスの労働立法略史を付した。