本辞典では, 3-2 で掲げた〈語根〉表以外に, 以下のようなコラム記事を収録した.
(1)[always の位置] ふつう always はbe動詞・助動詞の直後,一般動詞の直前に置く.ただしbe動詞・助動詞が強調される場合はその前に置く
He always is [íz] late.
彼は本当にいつも遅刻する.
often, sometimes とは異なり,文頭には置かない.ただし命令文では文頭にくるのが普通
Always do your best if you want to succeed.
成功したいなら,常に最善を尽くしなさい.
(2)[頻度の順位] 類語・関連語を頻度の高い順に並べるとおよそ次のようになる:always → usually, generally (たいてい) → often, frequently (よく) → sometimes (時々) → occasionally (折りに触れて) → seldom, rarely (めったに…ない) → never (決して…ない).
(1)原則として否定文・疑問文・条件文では anything を,肯定文では something を用いる. ⇒any [形]
(2)条件文でも,if only を含む文は,肯定的な態度を話し手が示していることが明らかなので,something を用いる
If only John had said something, we'd know what is going on.
ジョンが何か言ってくれさえしていたら,何がどうなっているのかわかるのだが.
(3)動詞の doubt, refuse, prevent;副詞の hardly などは否定的な文脈をつくるので,anything を用いる
I doubt that Mary did anything special yesterday.
メアリーはきのう特に何もしなかったのではないかと思う.
(4)1の語義の anything を否定文の主語とすることはふつう不可.この場合は nothing を用いる
Nothing is wrong.
何も悪いところはない(!×Anything isn't wrong. や×Not anything is wrong. とは言わない).
(1)between はふつう二者について用い,三者以上については among を用いる.
この原則に基づき,相互関係を意識している場合や,地理的な位置を明確に述べる時には三者以上にも between を用いる場合がある
a treaty between the three nations
三国間の条約
Switzerland lies between France, Germany, Austria, and Italy.
スイスはフランス・ドイツ・オーストリア・イタリアに囲まれている.
(2)between each [every] act などのように単数形を従えることは好ましくない.
(1)原則として疑問文・否定文・条件文では any を,肯定文では some を用いる.
(2)肯定の答えを期待している時は,疑問文や条件節の中でも some を用いる
Is there some milk in the bottle?
びんの中に牛乳がありませんか(あるはずですが)(Is there any milk...? は牛乳があるかないか知らずに問う)
Would you like some candy?
キャンデーはいかがですか(「ほしい」という前提で問う丁寧な言い方.any では「ほしいかほしくないか」を問うことになる)
If you give me some money, I'll do the job.
お金をくれるのなら,その仕事をします(「お金をくれる」ことが前提となっている).
(3)any は全体に関わり,some は部分に関わる
I love any jazz.
私はどんな(種類の)ジャズも大好きだ
I love some jazz.
私は幾つかの(種類の)ジャズは大好きだ[中には大好きな種類のジャズがある].
Five minutes' walk will take you to the library. ⇌Walk five minutes, and you will get to the library. (5分歩けば図書館に着きます).前者は無生物主語の文,後者は「命令文+and...」の構文.
「…とは違った」と言う場合の different の後の from, than, to の頻度を比較すると,書き言葉では90%近くが from である.話し言葉では from が50%以上を占めるが,to も40%ほど使われている.than は5%弱と少ないが,to, than は from より口語的である.
choose は「選ぶ」意味の最も一般的な語.
select は熟慮の上「最良,最善のものを選択する」意味のやや堅い語
carefully select the jury
陪審員を慎重に人選する.
pick は手軽に選び出す
pick a card
任意のカードを選ぶ.
certain (確実な),clear (明白な),deplorable (嘆かわしい),essential (肝要な),evident (明らかな),important (重要な),likely (しそうな),unlikely (ありそうにない),natural (自然な),necessary (必要な),obvious (明らかな),peculiar (妙な),possible (可能性がある),probable (ありそうな),sad (悲しい),strange (奇妙な),true (確かな),vital (絶対に必要な)など.
(1)月全体を顔に見立てて目鼻を描く習慣があり,カレンダーによく使われる.
(2)月は女性の象徴で,ローマ神話では Diana, Luna,ギリシャ神話では Artemis, Selene が月の女神.月は人に狂気を起こすとされた. ⇒moonstruck, lunatic
(1)日本ではリンゴというとまず赤いリンゴを思い浮かべるが,英米では赤のほか緑色のリンゴを思い浮かべる人も多いので apple green (青リンゴ色)という表現がある.
(2)リンゴは健康・家庭などよいイメージをもつが,Eden の園の禁断の木の実や不和のリンゴ(the apple of discord ⇒成句) もあり,人を警戒させるマイナスのイメージもある.