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紀貫之

ジャパンナレッジで閲覧できる『紀貫之』の改訂新版・世界大百科事典のサンプルページ

紀貫之
きのつらゆき
868ころ-945(貞観10ころ-天慶8)

平安前期の歌人,文学者,官人。貫之5代の祖,贈右大臣船守(ふなもり)は,桓武天皇の革新政策をたすけて平安遷都に力を尽くした偉材であったし,祖父本道の従弟有常は在原業平とともに文徳天皇第1皇子惟喬(これたか)親王を擁して,北家藤原氏と皇位継承権を争ったほどの輝かしい歴史をもっていた紀氏であったが,貫之の時代には完全に摂関藤原氏の勢力に圧倒されて,政界の表面から影をひそめていた。おそらく父望行(もちゆき)を早く失った貫之は,有常あたりから家系の誇りを教えられて成長した。たまたま宇多天皇が菅原道真を重く用いて摂関抑圧の方針を打ち出し,和歌を奨励して朝威の振興を計ろうとしたとき,青年貫之は時流に乗じて家運の再興を夢見たであろう。やがて897年(寛平9)に宇多天皇が退位し,901年(延喜1)に道真が失脚するとその望みも消えたが,醍醐天皇が《古今和歌集》の撰進を命じ,従兄の友則とともに撰者となるにおよんで,和歌の世界に名を挙げる新たな希望が貫之の胸に湧いた。和漢の教養と楽舞の才能を身につけ,誠実努力の人であった貫之は,《古今集》の編纂を通じて歌壇の第一人者の地位にのぼり詰めた。

しかし官界にあってはまったくの不遇で,延喜年間(901-923)の末年に至っても,相変わらず内御書所預(うちのおんふみのところのあずかり)として,図書の整理や歌集の編纂を本務とし,大内記・美濃介・左京亮などの官職は,俸給を増すための兼官に過ぎなかったから,位階の昇進は極端に遅れていた。930年(延長8)に土佐守に任じられたことが行政官吏として実務に就いた最初であったかもしれない。それだけに貫之は清廉謹直に国司としての職責を果たしたが,その間,醍醐天皇をはじめ右大臣藤原定方,権中納言藤原兼輔など,貫之の後ろだてとなっていた有力者が相ついでこの世を去り,935年(承平5)任終わって帰京したとき,政官界において貫之は孤立無援であった。当時の大家族を扶養するためには権力者に接近して官職を求めねばならない。国司として常識となっていた不正の蓄財をいっさい避けていた貫之としては,和歌の学識をもって権力者の知己を求めるよりほかに道はない。そこで創作したのが《土佐日記》である。和歌初学入門の年少者のためにはおもしろくてためになる手引きの歌論書,また当時の国司の腐敗堕落や交通業者の不正手段を諧謔を交えて痛烈に風刺する一方,貫之自身の精励さや清貧を印象づけ,ひそかに亡児を悲嘆し老境を嘆き父祖の栄光を偲ぶ日本最初の文学作品としての日記がこれであった。やがてその効果は現れて太政大臣藤原忠平父子の庇護を受け943年(天慶6)推定76歳にしてようやく従五位上に昇進したが,従五位下に叙せられてからすでに26年を経ていた。貫之がいかに不遇であったかが知られよう。945年9月,木工権頭(もくのごんのかみ)をもって卒した。その作品は上記の他に《新撰和歌》《自撰家集》《万葉五巻抄》《大堰川行幸和歌序》《貫之宅歌合》などがあり,勅撰に入集する和歌451首,他撰本《貫之集》その他を併せて総数1069首の和歌が残されている。

貫之にはその誠実な人柄から,伝説はきわめて少ない。勅許を得て和泉の国に創建した船守神社から帰京の途中,蟻通し明神の祟りを受けて馬がたおれたときに和歌を奉納した逸話(《袋草紙》,謡曲《蟻通》など),藤原公任が具平親王と人麻呂・貫之の優劣を論争したこと(《袋草紙》),順徳院が《八雲御抄》に〈貫之さしもなしなどいふ事少々聞ゆ。歌の魔の第一也〉と記していること,近代になって桂園派の観念的な歌風を打破しようとした正岡子規が,和歌の即興性を重んじた貫之を理解しえずして《歌よみに与ふる書》で〈貫之は下手な歌よみにて,古今集はくだらぬ集に有之候〉と極論したように,歌人としての貫之の評価にかかわるものばかりであった。
[萩谷 朴]

[索引語]
土佐日記 蟻通し明神 正岡子規
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紀貫之の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 1198
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検索コンテンツ
1. 紀貫之
日本大百科全書
平安前期の歌人。『古今和歌集』の撰者(せんじゃ)として有名。また、『土佐日記』の作者、『新撰和歌』の編者でもある。三十六歌仙の一人。父は望行。宮中で位記(いき) ...
2. 紀貫之
世界大百科事典
868ころ-945(貞観10ころ-天慶8) 平安前期の歌人,文学者,官人。貫之5代の祖,贈右大臣船守(ふなもり)は,桓武天皇の革新政策をたすけて平安遷都に力を尽 ...
3. き‐の‐つらゆき【紀貫之】
デジタル大辞泉
〓[870ころ〜945ころ]平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。大内記・土佐守(とさのかみ)などを歴任。紀友則(きのとものり) ...
4. き‐の‐つらゆき【紀貫之】
日本国語大辞典
平安前期の歌人、歌学者。三十六歌仙の一人。加賀介、土佐守などを歴任、木工権頭(もくのごんのかみ)に至る。醍醐天皇の勅命で「古今和歌集」撰進の中心となり、仮名序を ...
5. きのつらゆき【紀貫之】
全文全訳古語辞典
[人名]平安前期の歌人。生年未詳、九四五年(天慶八)没。三十六歌仙の一人。醍醐天皇の勅命により、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑とともに『古今和歌集』の撰者として活 ...
6. きのつらゆき【紀貫之】
国史大辞典
また著しい。 [参考文献]『大日本史料』一ノ八、天慶九年是歳条、目崎徳衛『紀貫之』(『人物叢書』七三)、大岡信『紀貫之』(『日本詩人選』七) (鈴木 知太郎)  ...
7. きの-つらゆき【紀貫之】
日本人名大辞典
?−945 平安時代前期-中期の歌人,官吏。大内記,土佐守などをへて天慶(てんぎょう)8年木工権頭(もくのごんのかみ)。「古今和歌集」編集の中心となり「仮名序」 ...
8. 紀貫之[文献目録]
日本人物文献目録
紀貫之』保田与重郎『紀貫之朝臣』雑誌社同人『紀貫之朝臣』奥原福市『紀貫之朝臣』金子知良『紀貫之朝臣』宮沢義喜『紀貫之序説』塚原鉄雄等『紀貫之試論』市川三郎『紀 ...
9. Ki no Tsurayuki 【紀貫之】
Encyclopedia of Japan
872?−945 A leading waka poet of the Heian period (794−1185). Born into a family  ...
10. 紀貫之善和歌 (見出し語:紀貫之)
古事類苑
文學部 洋巻 第1巻 841ページ ...
11. 紀貫之追慕愛兒 (見出し語:紀貫之)
古事類苑
人部 洋巻 第2巻 457ページ ...
12. 古今和歌集
日本古典文学全集
優美・繊細な王朝文化を代表する和歌集。醍醐(だいご)天皇の勅命によって、紀貫之(きのつらゆき)、紀友則(とものり)、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)、壬生忠岑 ...
13. 土佐日記
日本古典文学全集
女もしてみむとてするなり〉という書き出しで有名な、日記文学の先駆け。『古今集』の撰者でもある歌人・紀貫之(きのつらゆき)が、みずから心情を女性に仮託して、任国土 ...
14. 小倉百人一首(35) 歌人/紀貫之[百科マルチメディア]
日本大百科全書
ずふるさとは はなぞむかしのかににほひける定まり字(決まり字):歌を特定する字(音)/ひとは紀貫之(きのつらゆき)菱川師宣(ひしかわもろのぶ)画[他]『小倉百人 ...
15. あうしゅく-ばい【鴬宿梅】
全文全訳古語辞典
という歌が結びつけてあった。天皇は不思議に思って、その梅の木のあった家を探し出させたところ、紀貫之の娘の住む家であることがわかり、心にしみて深く感じたという故事&nnbsp;...
16. あえ ず
日本国語大辞典
)る〈作者未詳〉」*古今和歌集〔905〜914〕春下・八三「桜花とくちりぬとも思ほえず人の心ぞ風も吹きあへぬ〈紀貫之〉」(ハ)(動詞の連用形に係助詞「も」を添え ...
17. あか で
日本国語大辞典
*古今和歌集〔905〜914〕離別・四〇四「むすぶ手のしづくに濁る山の井のあかでも人に別れぬるかな〈紀貫之〉」*増鏡〔1368〜76頃〕二・新島守「中院は、あか ...
18. あか-で【飽かで】
全文全訳古語辞典
ずに。物足りない様子。 名歌鑑賞 むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな〈紀貫之 古今・離別・404〉 すくい上げた手からこぼれるしずくですぐ ...
19. あかひも‐の【赤紐─】
日本国語大辞典
*新勅撰和歌集〔1235〕神祇・五五〇「山藍(やまあゐ)もて摺(す)れる衣のあかひもの長くぞ我は神に仕ふる〈紀貫之〉」 ...
20. あがた【県】
全文全訳古語辞典
別れがたく思ひて、日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに夜ふけぬ。「たひらか」ある人(=作者紀貫之自身)が、国司としての地方勤務の四、五年(の任期)を終えて、慣 ...
21. あき 暮(く)る
日本国語大辞典
《季・秋》*古今和歌集〔905〜914〕秋下・三一二「夕月夜をぐらの山に鳴く鹿の声のうちにや秋はくるらむ〈紀貫之〉」*新古今和歌集〔1205〕秋下・五二二「鵲( ...
22. あきぐん【安芸郡】高知県
日本歴史地名大系
三社で、うち多気神社は現奈半利町、坂本神社は現奈半利町とも芸西村ともいわれ確定できない。なお紀貫之「土佐日記」には「なは」の地名がみえる。平安時代中期以降、郡内 ...
23. あき の 調(しら)べ
日本国語大辞典
1005〜07頃か〕物名・三七二「松の音は秋のしらべにきこゆなり高くせめあげて風ぞひくらし〈紀貫之〉」*光悦本謡曲・猩猩〔1466頃〕「こゑすみ渡る浦風の、秋の ...
24. あき の 止(と)まり
日本国語大辞典
*古今和歌集〔905〜914〕秋下・三一一「年ごとにもみぢばながす龍田川みなとや秋のとまりなるらん〈紀貫之〉」*公任集〔1044頃〕「いづことも定めで過ぎし道な ...
25. あき の 雪(ゆき)
日本国語大辞典
《季・秋》*後撰和歌集〔951〜953頃〕秋中・三二八「衣手は寒くもあらねど月影をたまらぬ秋の雪とこそ見れ〈紀貫之〉」*正治初度百首〔1200〕秋「白菊は秋の雪 ...
26. あ・ける【明・開・空】
日本国語大辞典
歌集〔905〜914〕春上・四五「暮るとあくと目かれぬものを梅花いつの人まにうつろひぬらん〈紀貫之〉」*更級日記〔1059頃〕「殿の御方にさぶらふ人々と物語しあ ...
27. あさつゆ‐の【朝露─】
日本国語大辞典
05〜914〕哀傷・八四二「あさ露の晩稲(おくて)の山田かりそめに憂き世の中を思ひぬるかな〈紀貫之〉」*続千載和歌集〔1320〕秋上・三五七「朝露のをかの萱原( ...
28. あし‐たず[:たづ]【葦田鶴】
日本国語大辞典
〔905〜914〕雑上・九一九「あしたづのたてるかはべを吹く風によせてかへらぬ浪かとぞみる〈紀貫之〉」*二十巻本和名類聚抄〔934頃〕一八「鶴 〈略〉唐韻云 ...
29. あした 佗(わび)し
日本国語大辞典
7頃か〕恋二・七二四「ももはがき羽(はね)かく鴫(しぎ)もわがごとく朝わびしき数はまさらじ〈紀貫之〉」*類従本一宮紀伊集〔1113頃〕「おく霜は忍びの妻にあらね ...
30. 排蘆小船(近世随想集) 245ページ
日本古典文学全集
故ニ得失ヲ正シ、天地ヲ動カシ、鬼神ヲ感ゼシムルニ、詩ヨリ近キモノハ莫シ」などに基づく政教的詩観。紀貫之撰『新撰和歌集』序にも「皆是を以て、天地を動かし、神祇を感 ...
31. 排蘆小船(近世随想集) 248ページ
日本古典文学全集
水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける」。天理図書館蔵『和歌の浦』五「日本紀貫之四代祖壱岐守紀良貞、住よしの浜のみるめもわすれねば ...
32. 排蘆小船(近世随想集) 256ページ
日本古典文学全集
して挙げられるほか、謡曲『蟻通』などにも見える。また『和歌の浦』五に「蟻通の神に奉る和歌序 紀貫之」として掲出される。「蟻通」に「有と星」の意を掛け、まっ暗に曇 ...
33. 排蘆小船(近世随想集) 358ページ
日本古典文学全集
二条家に伝来せりと也。是れ古今系図と云ものの説にみえたり」。宮内庁書陵部蔵『当流切紙』伝受之次第には「紀貫之 助内侍延長元年癸未授〓之 但馬 ...
34. 排蘆小船(近世随想集) 393ページ
日本古典文学全集
呼びそ越ゆなる」はじめ、七首ほどある。八代集には十三首ほどの用例がある。→三五八ページ注七。紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑。宣長の頭書「長秋詠藻云、前左衛 ...
35. あす=知(し)らぬ[=知(し)れぬ]
日本国語大辞典
*古今和歌集〔905〜914〕哀傷・八三八「あすしらぬ我身と思へどくれぬまのけふは人こそかなしかりけれ〈紀貫之〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕総角「あすしらぬ ...
36. nbsp;あずかり[あづかり]【預】
日本国語大辞典
画所、進物所、武者所などにおかれた。*古今和歌集〔905〜914〕仮名序「御書の所のあづかり、紀貫之」*延喜式〔927〕一一・太政官「凡左右文殿公文者。史一人永 ...
37. あ・せる【浅・褪】
日本国語大辞典
*古今六帖〔976〜987頃〕二・田舎「見しこともあらずもあるかな故郷は花の色のみぞあせずありける〈紀貫之〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕桐壺「結びつる心も深 ...
38. あ‐だ【婀娜】
日本国語大辞典
*古今和歌集〔905〜914〕物名・四三六「我はけさうひにぞみつる花の色をあだなる物といふべかりけり〈紀貫之〉」*玉造小町子壮衰書〔10C後〕「婀娜腰支、誤 ...
39. あだ‐な【徒名・虚名】
日本国語大辞典
*古今六帖〔976〜987頃〕一・秋「露深き菊をし折れる心あらば千代のあた名は立たんとぞ思ふ〈紀貫之〉」*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「なほこりずまに、また ...
40. あて宮(うつほ物語) 122ページ
日本古典文学全集
沸きかえる、の意がかけられている。参考「白玉と見えし涙も年経れば唐紅に移ろひにけり」(古今・恋二 紀貫之)。歌を書いた紙を両掌の中に入れ、押し合せてこするように ...
41. あて宮(うつほ物語) 126ページ
日本古典文学全集
「ふりづる」と「紅」は縁語になっている。参考「紅のふり出でつつ泣く涙には袂のみこそ色まさりけれ」(古今・恋二 紀貫之)。仲頼のあて宮への思い。「一ところ」は、独 ...
42. あと・う[あとふ]【聘・誂】
日本国語大辞典
求(アトフ)」*古今六帖〔976〜987頃〕四・恋「ほととぎす春をなけともあとふとも人の心をいかがたのまん〈紀貫之〉」(1)アツラフ、アトラフと語基を同じくする ...
43. あまびこ‐の【天彦─】
日本国語大辞典
たどる世に〈小野春風〉」*古今和歌集〔905〜914〕雑体・一〇〇二「あまびこの 音羽の山の 春霞〈紀貫之〉」*夫木和歌抄〔1310頃〕二六「みなかみや雲井なる ...
44. あみのめ に 風(かぜ)=たまる[=とまる]
日本国語大辞典
*古今六帖〔976〜987頃〕四・恋「あみのめに吹きくるかぜはとまるとも人の心をいかが頼まん〈紀貫之〉」*諺苑〔1797〕「網(アミ)の目に風とまる」(2)わず ...
45. ありとおしじんじゃ【蟻通神社】大阪府:泉佐野市/長滝村地図
日本歴史地名大系
正和五年(一三一六)の日根野村絵図(九条家文書)には熊野街道の東、禅興寺の北に「穴通」と記される。「紀貫之集」巻一〇の一首に付された詞書によると、貫之が紀伊国か ...
46. ありとおしじんじゃ【蟻通神社】和歌山県:田辺市/湊村
日本歴史地名大系
緒来歴を述べたのち、紀伊国田那辺ト云処ニ、蟻通ノ明神トテ御在ハ、即是也、而延喜ノ帝御時、書預紀貫之朝臣、紀国補任時、彼社ノ前ヲ不〓シテ下馬 ...
47. 蟻通明神
日本大百科全書
棄老習俗は廃され、中将は大臣となり死んで神となる。 謡曲四番目物の『蟻通』は、蟻通明神の神域で紀貫之(きのつらゆき)の馬が倒れたために、歌を詠んで、神の物咎(も ...
48. あり と し有(あ)る
日本国語大辞典
5〜07頃か〕雑恋・一二二六「いづれをかしるしとおもはむみわの山有としあるは杉にぞありける〈紀貫之〉」*方丈記〔1212〕「ありとしある人は皆浮雲のおもひをなせ ...
49. 蟻通
日本大百科全書
四番目物。五流現行曲。『申楽談儀(さるがくだんぎ)』にも記載のある世阿弥(ぜあみ)の作。ワキは紀貫之(きのつらゆき)。大雨のため蟻通明神の神前とも知らず下馬しな ...
50. ありどおし【蟻通】[謡曲]
デジタル大辞泉
謡曲。四番目・準脇能物。世阿弥作で、貫之(つらゆき)集などに取材。紀貫之が蟻通明神を乗馬のまま通行して神の怒りに触れるが、和歌の徳により許される。  ...
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