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  10. 槍ヶ岳
改訂新版・世界大百科事典
槍ヶ岳
やりがたけ

飛驒山脈南部,長野県松本市,大町市,岐阜県高山市の境界に位置する山。標高3180mは日本第4位の高さである。山頂付近は槍の穂先のように鋭い尖峰を呈し大槍と呼ばれ,その北西斜面には小槍(こやり),孫槍(まごやり),曾孫槍(ひまごやり)などの尖峰が付随する。山頂からは東鎌尾根,西鎌尾根,槍・穂高稜線,北鎌尾根のやせ尾根が東西南北の各方面にのび,南東側に信濃川水系の梓川槍沢,北東側に高瀬川天上沢,北西側に千丈沢,南西側に神通川水系の蒲田(がまだ)川右俣谷飛驒沢などの谷がある。山体は中生代白亜紀の石英斑岩,凝灰角レキ岩,ヒン岩などから構成されるが,南側には古生代の結晶片岩が一部に分布している。槍ヶ岳を取り囲む上記四つの谷は,いずれも氷期の氷河の浸食を受け,頂上部は四方からの氷食作用によって形成されたホルン(尖峰)で,硬い岩質のため現在までその形を残している。氷期の谷氷河は,いずれの沢も標高約1800mの地点まで流下していたと推定され,特に飛驒沢や槍沢では谷頭部にカールが,その下流側にはU字谷が発達する。南東約2kmの天狗原は〈氷河公園〉と呼ばれ,天狗池の凹地やモレーン(堆石堤)など多くの氷河地形遺物がみられる。夏でも谷頭部には雪渓が残り,森林限界を越える標高約2500m以上の斜面には,チングルマやシナノキンバイなどの高山植物のお花畑が多い。

 笠ヶ岳開山を果たした際,槍ヶ岳の姿に魅了された播隆(ばんりゆう)は,1826年(文政9)中田又重郎らの協力を得て信州側から槍の肩まで試登した後,28年に登頂し,仏像3体を収め開山した。播隆はその後数回登頂し,頂上付近に鉄鎖をつけたものの,以降信仰登山が栄えた記録はない。近代登山は1878年のイギリス人鉱山技師W.ゴーランド(日本アルプスの命名者)に始まる。その後92年にイギリス人宣教師W.ウェストン,1902年に日本山岳会の小島烏水と岡野金次郎が,それぞれ登頂している。その他,1885年に地質学者坂市太郎が槍沢から薬師岳方面へ縦走し,1902年には三角測量も行われ,22年,槙有恒が冬季初登頂に成功した。登山路は上高地から槍沢経由,新穂高温泉から右俣谷飛驒沢経由が一般的で,両方とも約9時間のコースである。また東鎌尾根から燕(つばくろ)岳に至る表銀座縦走路,西鎌尾根から烏帽子岳に至る裏銀座縦走路,穂高岳へ至る縦走路などの起点となっており,山頂付近には槍ヶ岳山荘,殺生ヒュッテ,ヒュッテ大槍の設備のよい三つの山小屋がある。
[伊藤 真人]

[索引語]
天狗原 氷河公園
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御嶽山(日本大百科全書(ニッポニカ))
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槍ヶ岳(改訂新版・世界大百科事典)
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太陽(改訂新版・世界大百科事典)
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6. 鹿島槍ヶ岳
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7. 鹿島槍ヶ岳
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9. かしまやりがだけ【鹿島槍ヶ岳】富山県:総論/後立山連峰
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立山町と長野県大町市の境界をなしている。越中の古絵図はおおむねこれら個々の峰を記載せず、後立山(鹿島槍ヶ岳)の峰続きの起伏程度に扱っている。ただし江戸時代末期の ...
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13. あずさ‐がわ【梓川】
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15. 安曇画像
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16. 安曇野[市]
世界大百科事典
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19. 後立山連峰
世界大百科事典
名称は富山県側からみて立山のうしろにあることによる。最高峰の白馬岳(2932m)から南へ,五竜岳,鹿島槍ヶ岳を経て針ノ木岳までを指すことが多いが,朝日岳を北限と ...
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21. うなづきまち【宇奈月町】富山県:下新川郡
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日本歴史地名大系
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23. 大島亮吉
世界大百科事典
慶応義塾大学経済学部在学中に槙有恒,三田幸夫らとともに慶大山岳部の中心として活躍。1922年には槙らと槍ヶ岳冬季初登,24年奥穂高岳,北穂高岳冬季初登などの記録 ...
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25. おおばみ‐だけ【大喰岳】地図
デジタル大辞泉
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世界大百科事典
にあたるため市場町として発展した。JR大糸線が通じる。市域の西部は北アルプス(飛驒山脈)で,槍ヶ岳まで市域に含まれている。また立山黒部アルペンルートの大町トンネ ...
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〇両を投じたといわれ、中尾村から船津までの沿道に肝煎になってくれる人がないので、自分がかつて槍ヶ岳登山の道案内をしたことのある播隆を介して飛騨吉城郡本郷村の本覚 ...
28. 大天井岳
世界大百科事典
点に位置し,また常念岳方面への縦走路の分岐点にもあたり,毎夏の登山者が多い。南の赤岩岳を経て槍ヶ岳へ至る尾根道は,1923年穂高町(現,安曇野市)牧の名ガイド小 ...
29. 笠ヶ岳画像
日本大百科全書
岐阜県高山市の北東部、奥飛騨(ひだ)温泉郷地区にある山。槍ヶ岳(やりがたけ)、穂高岳の山々の西方にあたり、標高2898メートル。どこからでも端正な笠の形にみえる ...
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世界大百科事典
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31. 鹿島槍スキー場
デジタル大辞泉プラス
長野県大町市にあるスキー場。鹿島槍ヶ岳、爺が岳を一望できる。大町温泉郷に位置する。 2011年12月 ...
32. 化政文化画像
日本大百科全書
頂するのである。幕府はたびたび禁令を出して富士講を弾圧している。さらに前人未踏の北アルプスの槍ヶ岳(やりがたけ)まで1828年(文政11)に念仏修験行者(ねんぶ ...
33. かたかいさんがさん【片貝三ヵ山】富山県:魚津市
日本歴史地名大系
ったという。加賀藩は黒部奥山廻役を定期的に黒部奥山へ入山させたが、三ヵ山からは白馬岳から鹿島槍ヶ岳方面(下奥山)への杣人足全体の三分の一が出されている(「新川郡 ...
34. 加藤文太郎
日本大百科全書
中心に槍(やり)ヶ岳、穂高岳、笠(かさ)ヶ岳など単独行でエネルギッシュな登山を行った。36年(昭和11)槍ヶ岳北鎌(きたかま)尾根で遭難死した。没後遺稿集『単独 ...
35. 上高地画像
日本大百科全書
れ、優れた自然景観に特別の保護が加えられ、日本の代表的山岳観光地として知られる。小林寛義自然槍ヶ岳(やりがたけ)の南東から流下する梓(あずさ)川によって形成され ...
36. かみこうち【上高地】画像地図
デジタル大辞泉
<梓川(あずさがわ)上流の地域。松本市北西部にある。標高1500メートル。中部山岳国立公園の中心で、穂高岳・槍ヶ岳などへの登山基地。 もと、「上河内」「神河内」と ...
37. かみじょう‐かもんじ【上条嘉門次】
デジタル大辞泉
長野の生まれ。明治13年(1880)から上高地に住み、ウェストン・小島烏水(こじまうすい)ら多くの人を槍ヶ岳・穂高岳などに案内して、日本近代登山の発展に貢献した ...
38. かみたからむら【上宝村】岐阜県:吉城郡
日本歴史地名大系
北は神岡町および富山県上新川郡に接する。当村東部には、日本第三の高峰奥穂高岳(三一九〇メートル)をはじめ、槍ヶ岳・乗鞍岳・三俣蓮華岳・焼岳・笠ヶ岳・黒部五郎岳な ...
39. かわちむら【河内村】富山県:上新川郡/大山町
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廃村となった。中村家は槍ヶ岳開山の播隆が出生した家である。播隆は文政一一年から五回も登頂し、登山路の開通や三角の尖峰に鉄鎖を懸垂した(中村家文書)。鉄鎖を勧進す ...
40. 崖錐
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域,それに高山では,凍結破砕作用で岩屑ができやすく(周氷河地形),崖錐の発達がよい。日本では槍ヶ岳,穂高岳など日本アルプスの圏谷壁や氷食谷壁下に,現成のものが多 ...
41. 黒部川
世界大百科事典
する。ダムより下流は立山側より西岸から内蔵ノ助谷,別山谷,劔沢が合流する。ここで後立山の鹿島槍ヶ岳から流れる棒小屋沢と十字峡の景勝地をつくった後,〈下ノ廊下〉の ...
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世界大百科事典
特別名勝・特別天然記念物指定地域は黒部ダム下流から東沢谷合流点までの池平山,劔岳,立山を結ぶ稜線と,鹿島槍ヶ岳,岩小屋山を結ぶ稜線とによって囲まれた地域で,下流 ...
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44. くろべごろうだけ【黒部五郎岳】富山県:総論/立山連峰
日本歴史地名大系
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日本歴史地名大系
本尊は阿弥陀如来。霊廟には徳川家康生母伝通院の木像・歴代城主の位牌がある。本堂は江戸初期のものであり、また槍ヶ岳を開山した播隆上人の六字名号碑・同石像がある。墓 ...
46. 小島烏水
世界大百科事典
横浜商業学校卒業後,横浜正金銀行入社。志賀重昂の《日本風景論》に触発され,岡野金次郎らと乗鞍岳,槍ヶ岳などに登った。この間,雑誌《文庫》の編集にもかかわる。イギ ...
47. こじまうすい【小島烏水】
国史大辞典
集部に加入し雑誌記者として活躍。志賀重昂の『日本風景論』により山への目を開き、同三十五年八月槍ヶ岳に登山、下山後英国宣教師ウォルター=ウエストンと相知り、同三十 ...
48. 五龍岳
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大部分斑岩(はんがん)からなり、北は唐松(からまつ)岳、南は八峰(はちみね)キレットを経て鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)へと続く。山頂の南東側には、鹿島川の上流 ...
49. 五竜岳
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長野・富山県境,飛驒山脈(北アルプス)北東部にある山。後立山連峰の中央部,鹿島槍ヶ岳と大黒岳の間に位置する。標高2814m。山頂部は山脈の南北方向に対して直角に ...
50. ごりゅう‐だけ【五竜岳】地図
デジタル大辞泉
富山県・長野県の県境にある山。標高2814メートル。飛騨山脈後立山連峰の一。鹿島槍ヶ岳の北に位置し、中部山岳国立公園に属する。  ...
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