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  11. 竹取物語
日本大百科全書(ニッポニカ)
竹取物語
たけとりものがたり

平安時代の物語。一巻。『源氏物語』には「かぐや姫の物語」(「蓬生(よもぎう)」)、「竹取の翁(おきな)」(「絵合(えあわせ)」)とあり、「竹取翁物語」と題した写本もある。成立時期・作者ともに未詳であるが、およそ10世紀前半、貞観(じょうがん)(859~877)から延喜(えんぎ)(901~923)までの間に、男性知識人によってつくられたと考えられている。『源氏物語』「絵合」の巻には「物語の出(い)で来(き)はじめのおやなる竹取の翁」とあり、当時すでに初期の仮名(かな)物語の代表作品とみなされていた。
 内容は構成上、かぐや姫の生い立ち、5人の貴公子と帝(みかど)の求婚、かぐや姫の昇天の三部からなる。竹取の翁が竹の中から小さい女の子をみつけてたいせつに養育していくうち、わずかの間に美しい女性に成長したのでかぐや姫と名づける。姫のうわさを聞いて多くの男たちが求婚したが、なかでも石作皇子(いしづくりのみこ)、車持皇子(くらもちのみこ)、右大臣阿部御主人(あべのみうし)、大納言大伴御行(だいなごんおおとものみゆき)、中納言石上麻呂(いそのかみのまろ)の5人は熱心であった。そこで姫はこの5人の貴公子に対してそれぞれ、仏の御石の鉢、蓬莱(ほうらい)の玉の枝、火鼠(ひねずみ)の裘(かわぎぬ)、竜(たつ)の首の珠(たま)、燕(つばくらめ)の子安貝(こやすがい)を持ってくるように難題を課す。5人は姫の要求にこたえようと苦心をするが、結局すべて失敗に終わる。最後に帝が姫を求めて勅使を遣わすが、姫はそのお召しにも応じず、養い親の翁や嫗(おうな)の嘆きをあとに、不死の薬と手紙を残して、八月十五夜、天人に迎えられて月の世界へ昇天してしまう。
 物語の枠組みには、天人女房譚(たん)、求婚難題説話、地名起源説話など多くの伝承説話の型を用い、現実的な貴族の求婚や帝の求愛物語を主軸として、自在な想像力により、整然たる虚構の世界を構築しており、空想と現実とが巧みに調和され統一された傑作となっている。文章は簡潔で力強く、処々に漢籍・仏典を援用し、知的な言語遊戯を楽しみ、滑稽(こっけい)風刺をきかせつつ、貴族社会への批判意識をうかがわせる一方、人物の性格や心理、人間的苦悩にまで筆が及んでおり、素朴ななかにも現実性を失わずしてなお浪漫(ろうまん)的な香気高い作品となっている。まさに「物語の出で来はじめのおや」として、物語史の劈頭(へきとう)を飾る重要な作品である。
 伝本は天正(てんしょう)二十年(1592)の奥書をもつ天理図書館蔵本(武藤元信旧蔵本)が現存最古の写本、ついで慶長(けいちょう)(1596~1615)ごろ刊の古活字十行本と十一行本がある。整版本は絵入りで正保(しょうほう)3年(1646)板、寛文(かんぶん)3年(1663)板などが刊行された。なお、写本のなかには絵巻や奈良絵本の形の伝本も少なくない。また、以上の通行本とは別系の古本と称されるものに、新井信之蔵文化(ぶんか)十二年(1815)奥書本がある。
[中野幸一]



『竹取物語』[百科マルチメディア]
『竹取物語』[百科マルチメディア]
古活字十行本 慶長年間(1596~1615)刊 国立国会図書館所蔵

『竹取物語』(絵巻)[百科マルチメディア]
『竹取物語』(絵巻)[百科マルチメディア]
空から雲に乗って下ってきた天人に迎えられて、かぐや姫は昇天する。『竹取物語』 下 国立国会図書館所蔵

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竹取物語(日本大百科全書(ニッポニカ))
平安時代の物語。一巻。『源氏物語』には「かぐや姫の物語」(「蓬生」)、「竹取の翁」(「絵合」)とあり、「竹取翁物語」と題した写本もある。成立時期・作者ともに未詳であるが、およそ10世紀前半、貞観(859~877)から延喜(901~923)までの間に、男性知識人によってつくられたと考えられている。
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27. あか ず
日本国語大辞典
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日本国語大辞典
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日本国語大辞典
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50. あて【貴】
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