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  11. 夜の寝覚(夜半の寝覚)
日本大百科全書・世界大百科事典

日本大百科全書
夜の寝覚
よるのねざめ

平安後期の物語。『夜半(よわ)の寝覚』とも、単に『寝覚』ともよばれる。現在の伝本は五巻または三巻であるが、その中間部分と終末部分とに大きい欠巻部分がある。原形態は、現存本の2倍から3倍の量があったと推定されるが、厳密には不明である。作者については、藤原定家(ていか)が『浜松中納言(はままつちゅうなごん)物語』などとともに菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の作と伝える(定家筆『更級(さらしな)日記』奥書)。現在なお確認されていないが、孝標女作説はもっと検討すべきであろう。物語は、太政(だいじょう)大臣の次女寝覚(ねざめ)の上(うえ)(中の君)の数奇な生涯を、彼女の心を掘り下げつつ息長く追求したもの。
 少女時代に「あたら人の、いたくものを思ひ、心を乱したまふべき宿世(すくせ)」と予言された女主人公は、その予言どおりに悲運の人生を送る。不幸な出会いのあと、男主人公(左大臣の長男、中納言)は彼女の姉の夫となり、彼女もまた心ならずも老関白に嫁ぐ。男君は終始一貫女主人公を恋慕し続けるが、姉君が死に、寝覚の上が若き未亡人となってからも、二人の間には内外の障害が絶えない。すべての障害が除かれたときには、女主人公の心は男君を離れ、彼岸(ひがん)を希求していた。
 女の危機のたびに彼女の意志と責任で生き抜くことを課し、そのつど、心の深層を探り当てるなど、執拗(しつよう)なまでの心理追求に特色をもつ、女が女の心を描いた特色ある長編物語である。『源氏物語』の影響下にあり、大きい欠巻をもちながら傑作と称されるのは、この特色による。なお、これを題材とした絵巻『寝覚物語絵巻』一巻(国宝、奈良・大和文華館)が現存する。
[鈴木一雄]



改訂新版・世界大百科事典
夜半の寝覚
よわのねざめ

平安後期の物語。現存本の題名は《寝覚》または《夜の寝覚》。作者は菅原孝標女(たかすえのむすめ)と伝えるが,確かでない。現存本は5巻または3巻に分かつが,中間および巻尾(続編)に欠巻がある。ほかに鎌倉期に続編を切り捨て改作縮小したとおもわれる中村本5巻(旧蔵者中村秋香)があり,中間の欠巻部分の筋立ての大体は補われる。源氏の太政大臣の中君が関白左大臣の息の中納言と相思の関係にあって2児を生みながら,外的ないろいろな事情に妨げられ,〈夜の寝覚絶ゆるよなく〉て数奇の生涯を送るという物語。《源氏物語》宇治十帖の影響が著しい。登場人物の心理描写は克明で,《源氏物語》以後の物語の中では抜群である。今は欠けている続編では,男女両主人公の息子まさこと女三宮の恋愛事件を中心に,中君に恋を仕掛ける冷泉院の話がからむが,結局まさこの恋愛成就,女主人公の死で終わる物語があったことが,残存資料からうかがえる。
[松尾 聡]

[索引語]
寝覚 夜の寝覚 菅原孝標女
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1. よる の 寝覚(ねざめ)
日本国語大辞典
〔一〕夜、就寝中に目が覚めること。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕五「さすがに、すがすがしく思ひたつべくもあらぬ絆(ほだし)がちになりまさるこそ、心憂けれと、よる ...
2. 夜の寝覚
日本大百科全書
平安後期の物語。『夜半(よわ)の寝覚』とも、単に『寝覚』ともよばれる。現在の伝本は五巻または三巻であるが、その中間部分と終末部分とに大きい欠巻部分がある。原形態 ...
3. よるのねざめ【夜の寝覚】
デジタル大辞泉
平安後期の物語。5巻または3巻。作者は菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)と伝えられるが未詳。成立年未詳。中の君寝覚の上と中納言との悲恋物語。源氏物語の影響 ...
4. よるのねざめ【夜の寝覚】
全文全訳古語辞典
[書名]平安中期の物語。作者は、菅原孝標女かというが未詳。十一世紀後半の成立。権中納言と寝覚の上(=人名)をめぐる悲劇的な恋を描く。浪漫的色彩が濃く、心理描写の ...
5. よるのねざめ【夜の寝覚】
国史大辞典
、翻刻には『校本夜半の寝覚』(橋本佳)、『校註よはのねざめ』(藤田徳太郎・増淵恒吉)、『校本夜の寝覚』(高村元継)、『寝覚物語全釈』(関根慶子・小林登美)、『校 ...
6. 夜の寝覚
日本古典文学全集
主人公は美少女・中の君(寝覚の上)。姉の許嫁と許されぬ一夜を契り、懐妊してしまう。義兄妹の許されぬ愛に、〈例の寝覚めの夜な夜な起き出でて……〉と、ヒロインは事あ ...
7. よるのねざめ【夜の寝覚】
日本国語大辞典
平安中期の物語。五巻または三巻。菅原孝標(たかすえ)の女の作と伝えるが不明。後冷泉朝(一〇四五〜六八)頃の成立か。女主人公寝覚の君(源氏の太政大臣の次女)と主人 ...
8. よわ の 寝覚(ねざ)め
日本国語大辞典
。*相模集〔1061頃か〕「人しれずこころながらやしぐるらむふけゆくあきの夜はのねざめに」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「あはれとも露だにかけようちわたし一人 ...
9. さよ の 寝覚(ねざめ)
日本国語大辞典
覚(ネザ)めの眤言(むつごと)も、皆偽りに成りはてぬ」*浄瑠璃・平家女護島〔1719〕二「さ夜の寝覚は塩じむはだに引よせ、声こそはさつまなまり世にむつまじいむつ ...
10. あい‐たす・ける[あひ‥]【相助】
日本国語大辞典
以て紀小弓宿禰に賜ひて身に随へて視養(とりみること)を為しめたまふ。遂に推轂(アヒタスケ)て遣(つか)はす」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「道の程も、消え入る ...
11. あい‐とぶら・う[あひとぶらふ]【相訪】
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕夢浮橋「かくてこもり侍る間は、夜中あかつきにも、あひとぶらはんと思ひ給へ」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「幼き人の参り侍りにける ...
12. あい‐な
日本国語大辞典
集〔1012〜17頃〕「雨ふりて、その日は御覧とどまりにけり。あいなのおほやけごとどもや」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「うらめしうなども思ひよらぬ事ながら、 ...
13. あいな‐さ
日本国語大辞典
〔名〕(形容詞「あいなし」の語幹に、接尾語「さ」の付いたもの)不都合、不適当なこと。また、その度合。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「えさらず見あひ給たる時、あ ...
14. あい‐み・す[あひ‥]【相見】
日本国語大辞典
、からうじて離れて、たひらかにあひ見せ給へと申すは、仏もあはれと聞き入れさせ給ひけむかし」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕五「されば、ただ宮をむかへとり奉りて、又 ...
15. あえ‐か
日本国語大辞典
。*源氏物語〔1001〜14頃〕夕顔「はなやかならぬ姿、いとらうたげにあえかなる心ちして」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕三「人がらささやかにそびえて、あえかに身 ...
16. あえな‐さ[あへな‥]【敢無─】
日本国語大辞典
幹に接尾語「さ」の付いた語)張り合いのないこと。たよりなくあっけないこと。また、その度合。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「まち聞く心地のあへなさ、いふかぎりぞ ...
17. あが・る【上・揚・挙・騰】
日本国語大辞典
〔室町末〜近世初〕「隣の藪から根をさいて見事な笋(たけのこ)が上った」(5)風呂から出る。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「ただいま御湯よりあがらせ給ひて、けふ ...
18. あきた‐さ【飽─】
日本国語大辞典
の語幹に、接尾語「さ」のついたもの)飽き飽きしている心のさま。うんざりさせられているさま。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「いとあまりにかく言ひなしつるあきたさ ...
19. あきた・し【飽】
日本国語大辞典
思ひいである方に、忘れ難けれど、さしあたりて見んには、わづらはしく、よくせずは、あきたき事もありなんや」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「『これさへ目やすきかな ...
20. あき‐は・つ【飽き果つ/厭き果つ】
デジタル大辞泉
[動タ下二]すっかり飽きてしまう。 「きびしきうき世のあたりをも―・てて、こもりゐ給ひたれば」〈夜の寝覚・二〉 ...
21. あきれ‐いた・し【呆痛】
日本国語大辞典
ぬさまに、なごりなくあくがれ出でぬるに、語りたまひし夢の心ちして、あきれいたくおぼゆれど」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「よにしらず乱り心地あきれいたきになに ...
22. あくがら・す【憧らす】
デジタル大辞泉
[動サ四] 1 落ち着きを失わせる。心を浮き立たせる。 「心をそらに―・して」〈夜の寝覚・四〉2 さまよわせる。 「煩はしげに思ひまつはす気色(けしき)見えまし ...
23. あくがれ‐ただよ・う[‥ただよふ]【憧漂】
日本国語大辞典
〔自ハ四〕気もそぞろになって落ち着かなくなる。思いこがれてぼんやりする。心ひかれてふわふわする。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「なかなかなる思ひまさり、わりな ...
24. あくがれ‐よ・る【憧寄】
日本国語大辞典
〔自ラ四〕心が、身を離れて想(おも)う人のところにひかれ寄る。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「この人のほのめい給ふたびごとに、みだるる心いまやいまやあくがれよ ...
25. あけ‐がた【明方】
日本国語大辞典
999頃〕吹上下「その夜、もののねしづまりたるあけがたに、おこなひ人の声、はるかにきこゆ」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「打ちおどろき給へれば、月も明がたに成 ...
26. あけ‐た・つ【明け立つ】
デジタル大辞泉
[動タ四]夜が明ける。 「御行ひもうち忘れて、―・てばわたり給ひて御琴教へ奉り」〈夜の寝覚・五〉 ...
27. 朝顔(源氏物語) 495ページ
日本古典文学全集
藤壺「漏らさじとのたまひしかど、うき名の隠れなかりければ、恥づかしう。苦しき目を見るにつけても、つらくなむ」とのたまふ。御答へ聞こゆと思すに、おそはるる心地して ...
28. あさ‐はか【浅─】
日本国語大辞典
頃〕朝顔「あさはかなる筋など、もて離れ給へりける人の御心を、あやしくもありける事どもかな」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕三「すぎにしかたは、『なかなかあさはかな ...
29. あさまし‐さ【浅─】
日本国語大辞典
「人のもとにやらんとしける文あり。あさましさに、見てけりとだに知られんと思ひて、書きつく」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「曹司(ざうし)のうちへひきいれて、対 ...
30. あさみ‐おどろ・く【浅驚】
日本国語大辞典
〔自カ四〕(「あざみおどろく」とも)事の意外さに、びっくり仰天する。驚きあきれる。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「『こはいかにかく弾きすぐれ給ひしぞ。めづらか ...
31. あざ‐やか【鮮─】
日本国語大辞典
そみつつぞ見給ふ。御さま、例は心強うあざやかに、誇りかなる御けしき、なごりなく、人わろし」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕三「内外いとさわがしければ、あざやかにも ...
32. あした の 使(つか)い
日本国語大辞典
男女が逢った翌朝に、男から女に後朝(きぬぎぬ)の文(ふみ)を届けるための使い。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕三「あしたの御つかひ、待ちうけ給ふ御心、なべてならず ...
33. 東屋(源氏物語) 84ページ
日本古典文学全集
る。薫。秋深くなるころの宇治行きは、八の宮や大君が生存していたころから慣例になっている。薫は夜の寝覚めごとに、亡き大君のことを忘れることなく追慕。前に「この寝殿 ...
34. あぜち【按察使】
日本国語大辞典
あんせつし。*宇津保物語〔970〜999頃〕国譲下「宰相には右大弁すゑふさ、右大将、あぜちかけ給」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕五「大将に新大納言、新中納言、大 ...
35. あたらし‐げ【惜─】
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕総角「われよりは、さまかたちもさかりにあたらしげなる中の宮を」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕五「かばかりいみじくあたらしげなるさま ...
36. あたり‐あたり【辺辺】
日本国語大辞典
まんどころよりはじめてしたり」*源氏物語〔1001〜14頃〕若紫「み帳御屏風などあたりあたりしたてさせ給」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕三「いまはの荒野ともなる ...
37. あと を 絶(た)つ
日本国語大辞典
(1)主として男女が、交渉を絶つ。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「行先をたのむやうにてあとをたつ気色ながら、うらめしきぞ、ことわりなきや」*とりかへばや物語〔 ...
38. あなずらわ〓し[あなづらはし]【侮】
日本国語大辞典
*宇津保物語〔970〜999頃〕俊蔭「けはひなつかしう、童にもあれば、すこしあなづらはしくやおぼえけむ」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「ゆかりはなれずあなづら ...
39. あむ・す【浴】
日本国語大辞典
050頃〕二「経を読み像を浴(アムシ)、具に香花を設けて」【二】〔他サ下二〕【一】に同じ。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「御湯など召して、姫君にもあむせ奉りて ...
40. あやにく‐さ【生憎─】
日本国語大辞典
〔名〕(「さ」は接尾語)思いどおりにならないこと。また、その度合。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「いみじく心ぐるしかりける有様にならべたらましかば。などてひき ...
41. あやにく‐だ・つ【生憎立】
日本国語大辞典
」*源氏物語〔1001〜14頃〕東屋「あやにくだち給へりし人の御けはひも、さすがに思ひ出でられて」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「いつもいつもただかくて添ひき ...
42. あや‐・む【怪】
日本国語大辞典
〔他マ下二〕(形容詞「あやし」を動詞化したもの)怪しむ。怪しく思う。不審に思う。いぶかる。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「近くしのびやかならんけはひなどは、い ...
43. あゆみ‐わた・る【歩渡】
日本国語大辞典
歩いて通り過ぎる。*源氏物語〔1001〜14頃〕蜻蛉「御前をあゆみわたりて、西ざまにおはするを」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「例のすみよりあゆみわたりて、御 ...
44. あらがい‐どころ[あらがひ‥]【争所】
日本国語大辞典
〔名〕言いひらき。申しひらき。弁解。弁明。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「『かかる匂ひに、あらがひ所なきしるしをばあらはさじ』と思へば、え参り見奉るまじきこと ...
45. あらわ[あらは]【露・顕】
日本国語大辞典
終〕二七七・御前にて人々とも「『あれは誰(た)そ、あらはなり』など、ものはしたなくいへば」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「あらはに、そら言(ごと)つきづきしく ...
46. あらわし‐い・ず[あらはしいづ]【顕出】
日本国語大辞典
〔他ダ下二〕秘めているものを表に出す。打ち明ける。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕五「『さはこれなりけり』と、もとの心をあらはしいづべきにも侍らざりしかば」 ...
47. あらわれ‐い・ず[あらはれいづ]【顕出】
日本国語大辞典
〔自ダ下二〕「あらわれでる(現出)」に同じ。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕四「さればよ。ひと夜もさばかりあらはれいでてののしるけしきを」*有明の別〔12C後〕二 ...
48. あらわれ‐ざま[あらはれ‥]【顕様】
日本国語大辞典
〔名〕はっきりしている様子。露骨な様子。*夜の寝覚〔1045〜68頃〕二「対の君の気色(けしき)も、あらはれざまにあれば、むすぼほれ、いとど心地もなぐさみ、あは ...
49. あり‐がた・い【有難】
日本国語大辞典
*宇津保物語〔970〜999頃〕吹上上「かんなびのくら人の腹なり。いとありがたき君と聞き奉るぞ」*夜の寝覚〔1045〜68頃〕一「さる我ままなる世とても、おごり ...
50. あり‐つ・く【有り付く】
デジタル大辞泉
」 2 住みつく。安住する。 「女(むすめ)は…さるかたに、したたかなるさまに―・きたり」〈夜の寝覚・一〉3 異性と一緒に住む。結婚する。 「三人はみなみな―・ ...
「夜の寝覚(夜半の寝覚)」の情報だけではなく、「夜の寝覚(夜半の寝覚)」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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