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  11. 和漢朗詠集

和漢朗詠集

ジャパンナレッジで閲覧できる『和漢朗詠集』の国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集のサンプルページ

国史大辞典
和漢朗詠集
わかんろうえいしゅう
平安時代、貴族の間に口ずさまれた漢詩文の佳句、および和歌の詞華選集(アンソロジー)。藤原公任の撰として疑われない。二巻。成立年は不明であるが、藤原道長三女でのちに後一条天皇皇后となった女御威子の入内屏風に、倭絵(やまとえ)・唐絵(からえ)とともに配されていたものと推定され、この入内の寛仁二年(一〇一八)四月二十八日前後、道長の子藤原教通が、その岳父たる公任から色紙形を書いてもらい、妹の入内屏風として進献したのではないかといわれる。『和漢朗詠集』『和漢朗詠抄』『和漢朗詠鈔』『倭漢抄』『和漢朗詠』『朗詠抄』『朗詠集』『朗詠』などと呼ばれ、別に選者に因んで『四条大納言朗詠集』『公任朗詠』『四条大納言抄』とも呼ばれる。書名の「和漢」の「和」は和歌を意味し、「漢」は漢詩文をいう。当集には漢詩文の句五百八十八首、和歌二百十六首。総計八百四首。詩句は七言二句のものが圧倒的に多い。所収詩文の作者を見ると、中国詩人の中では白楽天が百三十五首で最多。当時の白氏尊崇が知られる。日本の詩人では菅原文時・菅原道真・大江朝綱・源順らが多く、道真を別としても天暦期の詩人が主力である。和歌では紀貫之・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の作品が多く、『源氏物語』の引歌における傾向と軌を一にする。『和漢朗詠集』の部類は、ほぼ勅撰歌集のそれに似て、上巻に四季、下巻に雑部をおく。しかしその骨格は『千載佳句』など当年の漢詩部類書の部類意識による。これは中国類書の投影でもある。部類に「帝王」「法皇」「親王」などをおくのは他に例がなく、当時の摂関制社会の反映といわれる。「神祇」を欠き、「哀傷」「離別」などを避ける意識が見える。『和漢朗詠集』成立の地盤としては次の三つの事柄が指摘されている。(一)摘句、すなわち四六対偶の一聯を長篇の詩賦文章の中から取り出す、あるいは律詩や長篇の排律の中から佳什一聯を抜き出す風がおこってきたこと。空海の『文鏡秘府論』には四言詩句の佳句の部類があり、天暦期には大江維時が大規模な『千載佳句』を編纂する。また、『文鏡秘府論』『千載佳句』が中国詩人の佳句のみの類聚であるのに対し、日本人の作品からの摘句撰集も続出した。この摘句ということは、はやく中国に行われ、わが国でそれを受けて漢文入門学習の上にことに利用され、やがて盛行するに至る。(二)朗詠ということ。佳句を音読もしくは朗読し、あるいは単に誦し、また、楽曲の伴奏に合わせてうたう風がおこってきたこと。朗詠は儒家における「博士詩を講ずる時の頌の声」(『文机談』三)がもとであるとされるが仏教の講師・法師などとの関わりも否めない。また、『宇津保物語』には、音楽の伴奏によって漢詩文が朗読・朗誦された記述があり、『枕草子』には、秀句が朗誦される記事が「いとめでたくをかしきこと」として記され、『源氏物語』には、作中の人物が詩句を口ずさむ場面がしばしば描かれる。秀句朗詠は時代の要求するものでもあった。(三)倭漢、すなわち漢詩に並べて和歌をとりあげる風がおこってきたこと。「倭漢」ということは、天暦期における和様化の進行という現象が生み出した事象である。それまで中国模倣によるものであった日本宮廷の歳時の節会に、日本独自のものが生まれ、日本的な季節感覚と和歌的な視角が日本漢文学の上に姿を現わす。そしてこれが詩題の和習化と詩歌並列の傾向を呼びおこし、和漢二つの世界を並べる文学現象を生むに至った。『和漢朗詠集』は、その性格として貴族主義的、耽美的で、社会意識・歴史的な人間把握に乏しいといった一面をもちながら、漢文学と和歌の世界の結びつきが、唐絵から倭絵への屏風絵を契機にもたらされ、さらには声歌や糸竹の音曲と関わりつつ成立した、十二世紀王朝文化の精華であり、新しい中世的文体を形成する原動力の一つともなったのである。『和漢朗詠集』の諸本は、伝藤原行成筆御物粘葉本二帖、伝行成筆御物雲紙本二巻、伝公任筆御物巻子本二巻、藤原伊行筆葦手下絵本二巻(国宝)などのほかたいへん多く、そのほか朗詠切と称する断簡は二十種を数える。また、江戸時代、明治以後も多くの本が刊行せられた。現在入手しやすいテキストとしては『日本古典文学大系』七三所収本や『講談社学術文庫』三二五(全訳注)の一冊本がある。

〔キリシタン版『倭漢朗詠集』〕

慶長五年(一六〇〇)日本耶蘇会刊『倭漢朗詠集』いわゆるキリシタン版『朗詠集』一冊が、スペインのマドリードの西北方エル=エスコーリアル僧院に所蔵される。十六世紀フェリペ二世の営んだ壮麗な離宮の図書室にある日本の王子がもたらしたインキュナビラ(古版本)、長崎学林刊の天下の孤本一冊。サンロレンソ旧王室文庫所蔵。優雅な行草体活字で公任『朗詠集』巻上四季部を収める。さらに付録として九相無常歌・雑筆抄・実語教・義経申状類・勧学文などが収められる。キリシタン宣教師たちが伝道のため、日本語を学習するために編纂された。日本社会の上下に通用する唱導往来のテキスト資料集として刊行されたことは、『和漢朗詠集』が室町時代から近世期にかけて流行したことを物語る。土井忠生解題『(慶長五年耶蘇会板)倭漢朗詠集』(昭和三十九年(一九六四)、京大国語教室刊)の影印本がある。
[参考文献]
五島美術館編『和漢朗詠集の古筆』、山内潤三・木村晟・栃尾武編『和漢朗詠集私注』(『新典社叢書』一〇)、西生永済・北村季吟『和漢朗詠集註』(『日本歌謡集成』三)、柿村重松『和漢朗詠集考証』、川口久雄『三訂平安朝日本漢文学史の研究』中、同「エル・エスコリァル訪書紀行」(『日本古典文学大系月報』七三)
(川口 久雄)


日本大百科全書
和漢朗詠集
わかんろうえいしゅう

平安時代中期の歌謡。二巻。『和漢朗詠抄』『倭漢抄』『四条大納言(だいなごん)朗詠集』などともいう。藤原公任撰(きんとうせん)。「和漢」とは和歌と漢詩文をさし、朗詠に適した漢詩文の秀句588首、和歌216首の計804首を上下二巻に収める。上巻は「立春」以下歳時仕立ての四季を、下巻は天象・動植物および人事にかかわる雑題を百科全書風に総計114項目(付加項目を含めると125)に分類。各項目は、中国人の長句・詩句、邦人の長句・詩句・和歌の順に配列するのを原則とする。詩句のほとんどは七言二句のものであり、それも、七言律詩の頷聯(がんれん)・頸聯(けいれん)(もっとも対句の華麗な第3・4、第5・6句目)二聯のうちの一聯をとることが多い。『千載佳句(せんざいかく)』『古今和歌六帖(じょう)』からの引用が著しいが、中国作者はほぼ唐代の詩人に限られ、中・晩唐期の詩人が多く、なかでも白居易(はくきょい)は元〓(げんしん)以下を圧倒し、唐人詩句の実に7割近くを占め、本朝詩人では、菅原道真(すがわらのみちざね)(詩句数で第一位)、菅原文時(ふみとき)(詩句・摘句総数で第一位)に次いで、大江朝綱、源順(したごう)、紀長谷雄(きのはせお)など天暦(てんりゃく)期(947~957)の詩人が主流をなし、和歌作者では、紀貫之(つらゆき)、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)が尊重され、いずれも一条(いちじょう)朝の美意識を反映する。貴族・武家の学問教養の基本図書にあげられ、和漢を問わず、後代文学への影響は甚大で、『新撰朗詠集』以下後続の類書をも生んだ。
[渡辺秀夫]



改訂新版・世界大百科事典
和漢朗詠集
わかんろうえいしゅう

平安中期の詩歌選集。2巻。藤原公任撰。寛仁(1017-21)ごろの成立か。平安前期から,文人貴族は《白氏文集》など中国の漢詩文を規範として模倣し,とくに華麗な対句や四六〓儷(べんれい)文の秀句は,もとの作品から切り離して作文の手本にされたり朗詠されたりした。そうした秀句の摘句選集は,中国に先蹤があるが,日本でも大江維時撰《千載佳句》などが編まれている。本書もそうした選集の一つで,白楽天を尊重し多くの詩句を採るが,ほかに菅原道真,菅原文時など日本人の漢文学作品からも摘句し,さらに《拾遺和歌集》をはじめ,三代集その他から選んだ和歌を並列させている点が特徴的である。構成は上巻に四季,下巻に雑部を置き,各巻を細目に部類して,部類ごとに同趣の詩句と和歌を配する。撰者公任は,和漢両面にわたる学才をうたわれた一条朝の文人で,後宮を中心に王朝文芸が華やかに開花した当時の文壇の中心的存在であった。当時は,内容より修辞にすぐれた流麗な秀句が重んじられ,時宜を得た朗詠がもてはやされた。また,天暦期(947-957)以後に顕著に進行した文化の和様化の中で,詩題が和習化したり,詩歌を並列したりする風も起こってきている。本書の成立の背景には,公任の和漢兼才と,このような文壇の趨勢があったと考えられる。本書は,成立以後,その作文,習字および朗詠の参考書的性格から広く流行した。同様の形態の詩歌選集が,藤原基俊撰《新撰朗詠集》をはじめ多数つくられているし,所収の詩句を句題とする和歌も多く詠まれている。そのほか,日記,物語などの仮名文学や《平家物語》などの軍記物語,謡曲から近世の小歌,俗曲にいたるまで,本書の詩句や和歌が豊富に,ときには巧みに変容されてとり入れられている。また《今昔物語集》など説話文学の好材料となったものも多い。本書が以後の日本文学に与えた影響には計り知れないものがある。
[川口 久雄]

[索引語]
千載佳句 白楽天


新編 日本古典文学全集
和漢朗詠集
わかんろうえいしゅう
【閲覧画面サンプル】
和漢朗詠集 全体

【上記の拡大画像】
和漢朗詠集 拡大

【現代語訳】
春 立春
立春の風のまにまに、人知れず梅花が開いた。春爛漫の季節の訪れを待たないで。立春の日を迎え、梅はちらちらと蕾をふくらませる。来たるべき春の盛りの雨露の恩恵をいっぱいに受けようとして。立春の日、内園に花を進る賦紀淑望

梅花が雨露の恩恵を受けて美しい花を咲かせるように、自分も天子の御恩を被って将来の栄達を願いたいものだと暗にうたったもの。『集註』に、この賦によって淑望は、醍醐天皇から四位に昇進させられたとある。謡曲「老松」に「風を逐て潜かに開く、年の葉守の松の戸に、春を迎へてたちまちに、潤ふ四方の草木まで」。

立春になると、池の氷も東岸の方は、いちはやく春風がそよいで解けはじめる。それにひきかえ、窓際の梅も北側の方は、残雪が枝を封じこめて、まだ寒々としている。藤原篤茂

『永済注』によれば、篤茂が近江少将の娘を妻にしたいと申し出たところ、少将は許したものの夫人が許さなかったのでこの詩を作って示すと、大

【目次】
目次
古典への招待
凡例

和漢朗詠集(扉)
巻上

立春
早春
春興
春夜
子日
若菜
三月三日 付桃

暮春
三月尽
閏三月




紅梅

花 付落花
落花

躑躅
款冬

更衣
首夏
夏夜
端午
納涼
晩夏
橘花

郭公




立秋
早秋
七夕
秋興
秋晩
秋夜
十五夜 付月

九日付菊

九月尽
女郎花


槿
前栽
紅葉
落葉
雁 付帰雁

鹿


擣衣

初冬
冬夜
歳暮
炉火


氷 付春氷

仏名
巻下









管絃
文詞 付遺文


山水
水 付漁夫
禁中
古京
故宮 付破宅
仙家 付道士隠倫
山家
田家
隣家
山寺
仏事

閑居
眺望
餞別
行旅
庚申
帝王
親王 付王孫
丞相 付執政
将軍
刺史
詠史
王昭君
妓女
遊女
老人
交友
懐旧
述懐
慶賀


無常


解説
一 書名
二 撰者・成立
三 編纂の意図
四 内容と構成
五 所載作品の作者たち
六 『朗詠集』に投影した白居易の美意識
七 部立「白」に関する試論
八 諸本並び注釈書
付録(扉)
漢詩文全文一覧
作者略伝
和歌初句索引
漢詩文索引
奥付

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1. わかんらうえいしふ【和漢朗詠集】
全文全訳古語辞典
[書名]平安中期の歌謡集。藤原公任撰。一〇一三年(長和二)頃の成立。朗詠に適する漢詩約五百九十句、和歌約二百二十首を、春・夏・秋・冬・雑の五部に分けて収める。こ ...
2. 和漢朗詠集
日本大百科全書
平安時代中期の歌謡。二巻。『和漢朗詠抄』『倭漢抄』『四条大納言(だいなごん)朗詠集』などともいう。藤原公任撰(きんとうせん)。「和漢」とは和歌と漢詩文をさし、朗 ...
3. 和漢朗詠集
世界大百科事典
平安中期の詩歌選集。2巻。藤原公任撰。寛仁(1017-21)ごろの成立か。平安前期から,文人貴族は《白氏文集》など中国の漢詩文を規範として模倣し,とくに華麗な対 ...
4. わかんろうえいしゅう【和漢朗詠集/倭漢朗詠集】
デジタル大辞泉
平安中期の詩歌集。2巻。藤原公任撰。長和2年(1013)ごろの成立か。朗詠に適した白居易などの漢詩文の秀句約590首と紀貫之(きのつらゆき)・凡河内躬恒(おおし ...
5. わかんろうえいしゅう[ワカンラウエイシフ]【和漢朗詠集・倭漢朗詠集】
日本国語大辞典
平安中期の詩歌集。二巻。藤原公任撰。和歌と漢詩句のすぐれたものを選び、上巻四季、下巻雑を一〇八項目に部類し、五八八首の漢詩句と二一六首の和歌を収めたもの。漢詩は ...
6. わかんろうえいしゅう【和漢朗詠集】
国史大辞典
[参考文献]五島美術館編『和漢朗詠集の古筆』、山内潤三・木村晟・栃尾武編『和漢朗詠集私注』(『新典社叢書』一〇)、西生永済・北村季吟『和漢朗詠集註』(『日本歌謡 ...
7. 和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)
古事類苑
樂舞部 洋巻 第1巻 281ページ ...
8. 和漢朗詠集
日本古典文学全集
歌人・歌学者の藤原公任(きんとう)が、朗詠に適した名詩(588首の漢詩句)、名歌(216首の和歌)を編んだ歌謡集。漢詩では、白居易、菅原文時、菅原道真、大江朝綱 ...
9. 『和漢朗詠集』
日本史年表
1018年〈寛仁2 戊午④〉 この年前後 『和漢朗詠集』 成るか。 1041年〈長久2 辛巳〉 1・1 藤原公任 没(扶桑略記).生前 『和漢朗詠集』 を撰す。 ...
10. わかんろうえいしゅうぎれ【和漢朗詠集切】
国史大辞典
平安時代の歌謡集『和漢朗詠集』の古筆切で、書写本・断簡が残る。今日現存する『和漢朗詠集』の書写本のうち、完本としては『粘葉本和漢朗詠集』『雲紙本和漢朗詠集』『関 ...
11. でっちょうぼんわかんろうえいしゅう【粘葉本和漢朗詠集】
国史大辞典
平安時代中期書写になる『和漢朗詠集』の写本。伝藤原行成筆。御物。上下二冊を完本で伝える。名称は、同じく宮内庁御物として伝わる雲紙(くもがみ)本和漢朗詠集(二巻) ...
12. 明石(源氏物語) 242ページ
日本古典文学全集
「琴の音に峰の松風かよふらしいづれの緒よりしらべそめけむ」(拾遺集・雑上 斎宮女御、古今六帖・五、和漢朗詠集・巻下)。入道は、娘のことをほのめかすことができて興 ...
13. あき の 心(こころ)
日本国語大辞典
(1)秋という季節に人々が感じる、万事につけてものさびしい感じ。秋の本質的な情感。秋の本質。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・秋興「物の色は自ら客の意を傷ましむるに ...
14. あき の 霜(しも)
日本国語大辞典
)刀剣の異名。特に、よく切れる刀。その冷たく鋭い姿が秋季の霜のようであるところからいう。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・将軍「雄剣腰に在り、抜けばすなはち秋の霜三 ...
15. あき の 水(みず)
日本国語大辞典
(1)秋の出水。また、水かさの増した秋の川水。秋水(しゅうすい)。《季・秋》*和漢朗詠集〔1018頃〕上・月「秋の水漲(みなぎ)り来って船の去ること速(すみや) ...
16. 総角(源氏物語) 281ページ
日本古典文学全集
「世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎゆく舟のあとの白波」(拾遺・哀傷 沙弥満誓、古今六帖・三、和漢朗詠集下)。匂宮。ここでは単に女性相手の好色よりも範囲が広く、人 ...
17. 総角(源氏物語) 332ページ
日本古典文学全集
きところ。「山寺の入相の鐘の声ごとに今日も暮れぬと聞くぞ悲しき」(拾遺・哀傷 読人しらず、和漢朗詠集・巻下・雑・山家)。「夕月夜にけふもくれぬと観じ給ふ也。姫君 ...
18. あした に 紅顔(こうがん)ありて夕(ゆう)べに白骨(はっこつ)となる
日本国語大辞典
、たちまちに白骨となって朽ち果てるの意で、生死の測り知れないこと、世の無常なことにいう。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・無常「朝に紅顔あって世路に誇れども、暮(ゆ ...
19. 朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて夕べには白骨(はっこつ)となる
デジタル大辞泉
和漢朗詠集・下の「朝に紅顔あって世路に誇れども、暮(ゆふべ)に白骨となって郊原に朽ちぬ」から》この世は無常で、人の生死は予測できないことをいう。  ...
20. 葦手
世界大百科事典
集》の躬恒集,忠岑集,順集の料紙下絵や永暦1年(1160)藤原伊行書写奥書のある葦手下絵《和漢朗詠集》,厳島神社蔵《平家納経》の方便品,分別功徳品,普門品など各 ...
21. あしでえ【葦手絵】
国史大辞典
寺本『三十六人家集』の『元真集』下絵は古い形を伝えているが、永暦元年(一一六〇)の伊行筆『和漢朗詠集』下絵や長寛二年(一一六四)の『平家納経』の見返絵などは、か ...
22. あしでえわかんろうえいしょう[あしでヱワカンラウエイセウ]【蘆手絵和漢朗詠抄】
日本国語大辞典
藤原伊行(これゆき)筆の和漢朗詠集の写本。二巻。永暦元年(一一六〇)筆。葦手絵で流水、草木を描いた下絵つきで有名。国宝。 ...
23. 排蘆小船(近世随想集) 262ページ
日本古典文学全集
『和名抄』二〇「欵冬、…〔一本冬東ニ作ル。和名夜末不々木 一ニ云ハク、夜末布木〕万葉集ニ云ハク、山吹花」。『和漢朗詠集』以下、表記例が多いが、正しくは欵冬は日本 ...
24. 東屋(源氏物語) 101ページ
日本古典文学全集
く…」(九九ページ)。薫の浮舟執心。「班女ガ閨中ノ秋ノ扇ノ色 楚王ガ台ノ上ノ夜ノ琴ノ声」(和漢朗詠集・雪 尊敬)。第一句は、漢の成帝の愛妃の班婕妤が趙飛燕のため ...
25. あそぶ 糸遊(いとゆう)
日本国語大辞典
「あそぶ(遊)糸」に同じ。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・晴「かすみ晴れみどりの空ものどけくてあるかなきかにあそぶいとゆふ〈作者未詳〉」*六百番歌合〔1193頃〕 ...
26. あと を=暗(くら)くす[=暗(くろ)うす]
日本国語大辞典
まさなきまで、いにしへの墨書の上手ども、あとをくらうなしつべかめるは、かへりて、けしからぬわざなり」*和漢朗詠集〔1018頃〕下・閑居「跡(あと)を晦(くら)う ...
27. あま の 子(こ)
日本国語大辞典
へだて給ひしかばなん、つらかりし」(2)(船に住んで世をすごす意から)遊女。あそびめ。うかれめ。ながれめ。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・遊女「白浪のよするなぎさ ...
28. あられ【霰】
日本国語大辞典
・二三三八」では霰降る夜の独り寝のわびしさを詠む、後の和歌の先蹤となるとらえ方がみえる。「和漢朗詠集」「古今六帖」では霰が歌題とされていて、「堀河百首」で冬の歌 ...
29. あん‐き【安危】
日本国語大辞典
〔名〕(「あんぎ」とも)安全と危険。安全であるか、危険であるかということ。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・帝王「四海の安危は掌の内に照らし、百王の理乱は心の中に懸 ...
30. あん‐せい【暗声】
日本国語大辞典
窓声」とあるのによる)暗い雨音。暗い雨が窓を打つ音。あんしょう。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・雨「斜脚は暖風の先づ扇ぐ処 暗声は朝日のいまだ晴れざる程〈慶滋保胤 ...
31. あん‐てん【暗天】
日本国語大辞典
〔名〕暗い空。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・禁中「〓人暁に唱(とな)ふ 声明王の眠りを驚かす 鳧鐘(ふしょう)夜鳴る 響暗天の聴( ...
32. 安東聖空
日本大百科全書
近藤雪竹(1863―1928)に師事して漢字を学ぶ。かなは、平安朝の代表的古筆『粘葉本(でっちょうぼん)和漢朗詠集』に範を求め独習。のち、かな書道研究誌『かなと ...
33. い‐あい[ヰ‥]【遺愛】
日本国語大辞典
〔名〕(1)死んだ人が、生前たいせつにしていたもの。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・懐旧「齢(よはひ)を促(つづ)むる良木のそれ摧(くだ)けたる歎き 遺愛の甘棠の ...
34. い‐い【依依】
日本国語大辞典
*懐風藻〔751〕和藤江守詠裨叡山先考之旧禅処柳樹之作〈麻田陽春〉「日月荏苒去。慈範独依依」*和漢朗詠集〔1018頃〕上・七夕「二星たまたま逢へり、いまだ別緒依 ...
35. い‐き【異気】
日本国語大辞典
也」(3)異なる種類のもの。異種。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・鶯〈菅原文時〉「同類を相求むるに感ず 離鴻去雁の春の囀りに応ず 異気を会して終に混ず ...
36. いき‐ざし【息差】
日本国語大辞典
しけはひ、思ひ出づるもゆゆしき事限りなし」(3)ようす。けはい。気色。風采(ふうさい)。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・妓女「気調のいきざしは兄のごとし、崔季珪が ...
37. い‐けん[ヰ‥]【遺賢】
日本国語大辞典
〔名〕官吏にならないで民間にいる有能な人物。広く認められないでいる立派な人。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・鶯「鶏すでに鳴いて忠臣旦(あした)を待つ 鶯いまだ出で ...
38. い‐だい【異代】
日本国語大辞典
〔名〕異なった時代。別の世代。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・交友「蕭会稽が古廟を過(よ)ぎつし、託(つ)けて異代(いたい)の交りを締(むす)べり〈大江朝綱〉」* ...
39. いち‐じょう【一乗】
仏教語大辞典
いち‐じょう 一乗 の文妙文 一乗真実の教えを説く経文のこと。主として『法華経』の文。 和漢朗詠集 下・仏事〈保胤〉 「已終未習千年役儻得難逢一乗文」  ...
40. いちじょう の=文(もん)[=妙文(みょうもん)]
日本国語大辞典
仏語。一乗真実の教えを説く経文のこと。主として法華の経文。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・仏事「已(すで)に未(いま)だ習はざる千年の役(やく)を終へぬ、儻(たま ...
41. 一乗の文
仏教語大辞典
一乗真実の教えを説く経文のこと。主として『法華経』の文。 和漢朗詠集 下・仏事〈保胤〉 「已終未習千年役儻得難逢一乗文」  ...
42. いち‐ねん【一念】
日本国語大辞典
一度念仏を唱えること。〓多念。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・仏事「一念といふとも必らず感応す これを巨海の涓露(けんろ)を納るるに喩ふ ...
43. いち‐よう[‥エフ]【一葉】
日本国語大辞典
葉者寡矣」(2)(形状が似ているところから)舟一そう。また、一そうの舟。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・餞別「九枝の灯尽きて唯暁を期す、一葉の舟飛んで秋を待たず〈 ...
44. 一休ばなし(仮名草子集) 358ページ
日本古典文学全集
・巻一)。少年。男色の相手の少年。年若くて血色のよい顔。「朝に紅顔あつて世路に誇れども」(和漢朗詠集下・無常)。黒くてつやのある髪。緑の黒髪。沙弥と喝食。 ...
45. いっ‐きょく【一曲】
日本国語大辞典
風俗楽〓歌舞一曲退出」*和漢朗詠集〔1018頃〕上・月「郷涙数行征戍の客、棹歌一曲釣漁の翁〈慶滋保胤〉」*音曲声出口伝〔141 ...
46. いっ‐さん【一盞】
日本国語大辞典
〔名〕(1)一つのさかずきや皿。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・冬夜「一盞の寒燈は雲外の夜、数盃の温酎は雪の中の春〈白居易〉」*文明本節用集〔室町中〕「一盞 いっ ...
47. いっ‐すい【一穂】
日本国語大辞典
」(2)穂と形の似ているもの一つ。灯火や細く立ち昇る煙などにいう。*和漢朗詠集〔1018頃〕下・猿「人煙一穂秋の村僻(さ)かれり、猿の叫び三声暁峡深し〈紀長谷雄 ...
48. いっ‐せい【一声】
日本国語大辞典
〔名〕(1)ひとこえ。また、一つの響きや音。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・納涼「池冷やかにして水に三伏の夏なし 松高うして風に一声の秋あり〈源英明〉」*蔗軒日録 ...
49. いっせい の 山鳥(さんちょう)
日本国語大辞典
一声鳴くホトトギス。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・郭公「一声の山鳥は曙雲の外、万点の水蛍は秋の草の中〈許渾〉」*宴曲・宴曲集〔1296頃〕一・郭公「然るを一声の ...
50. いっ‐てき【一滴】
日本国語大辞典
〔名〕ひとしずく。一〓(いってい)。*和漢朗詠集〔1018頃〕上・十五夜「金膏一滴秋の風の露、玉匣三更冷漢の雲〈菅原文時〉」*雑談集〔130 ...
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