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  10. 水口祭
国史大辞典

水口祭
みなくちまつり
稲作神事の一種。苗代祭ともいう。苗代田に種籾を播き下したとき、水口に土を盛って季節の花や木の枝を挿し、これに焼米を供えて田神を祀る。この作法は東日本一帯によく伝承された。木の枝は田の中に立てるところもあるが、これはもと飾物や目印などではなく、神の依代であった。長野県でタナンボウなどと呼んだのは神の依ります棒、つまり玉串か幣かであった。福島県などでナエミダケというのも、苗の生育を計る竹と考えているが、これも苗忌竹であった。東北各地でナエジルシといって占有標の木印のように用いるが、これももとは同じ趣旨のものであった。これらの斎串(いぐし)は祭に際して野山から採り迎えたこと正月松・盆花と軌を一にした。所によっては小正月の粥掻棒また氏神鎮守社春祭の神札、あるいは密教寺院の牛玉宝印(ごおうほういん)の札などを栗・楊などの棒に挾んで立てた。供物の焼米は種籾の残りで作った。鳥がこれを啄ばんで、播いた籾米を荒らさぬようにと配慮したともいう。この焼米は家族の直会には用いない。秋収穫の穂掛祭のときに作る新米の焼米に比べるとうまくなかった。村の子供たちの取るに委せた。貰い歩く子供が鳥追唄を唱えるところもあり、ここにも水口祭について豊作を祈る心持が表われていた。なおこの祭作法を初田植の日にも行うところがある。農耕諸段階に大型機具が採用され、中でも田植機の導入によって苗代作りも大きく変わってしまった。
[参考文献]
柳田国男編『分類農村語彙増補版』、倉田一郎『農と民俗学』(『民俗民芸双書』三九)、柳田国男「田の神の祭り方」(『定本柳田国男集』一三所収)
(平山 敏治郎)
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検索コンテンツ
1. 水口祭
日本大百科全書
稲作儀礼の一つ。種籾(たねもみ)を播(ま)いたとき、苗代(なわしろ)の水口(取水口)で田の神を祭り、稲の生育を祈願する。季節の草花やツツジなどの枝を畦(あぜ)に ...
2. 水口祭
世界大百科事典
稲作儀礼の一つで,一年の豊作を祈願して苗代(なわしろ)に種もみをまいた日に水口で行う。水口は水田への水の取入口で,ここに土を盛り季節の花や木の小枝を立てて焼米を ...
3. みなくち‐まつり【水口祭(り)】
デジタル大辞泉
苗代に種もみをまく日に、その水口で行う田の神祭り。神酒・焼き米などを供え、ツツジ・山吹・栗などの枝を挿す。苗代祭り。種(たな)祭り。水戸(みと)祭り。《季 春》 ...
4. みなくちまつり【水口祭】
国史大辞典
まくなかった。村の子供たちの取るに委せた。貰い歩く子供が鳥追唄を唱えるところもあり、ここにも水口祭について豊作を祈る心持が表われていた。なおこの祭作法を初田植の ...
5. みなくち‐まつり【水口祭】画像
日本国語大辞典
〈藤原為業〉」*俳諧・類題発句集〔1774〕春「小魚まで遊ぶ水口祭かな〈柳几〉」*諸国風俗問状〔1813〕四五「三月〈略〉此月水口祭といふ事候哉、何様候や」八十 ...
6. みなくちまつり【水口祭】[方言]
日本方言大辞典
八十八夜のころ、もみまきに先立って苗代の水口に田の神を祭る行事。 三重県飯南郡(切り餅もちと大豆と焼き米を供える)590三重県飯南郡森村方言(最上孝敬)=方言誌 ...
7. いなさくぎれい【稲作儀礼】
国史大辞典
きになる。苗代田の中央に斎串(いぐし)を立てて播く。また水口に盛土して季節の花や木の枝を挿す水口祭の作法は神迎えの古格でもあった。神を招き降して作業が始まるので ...
8. いへやじま【伊平屋島】沖縄県:伊是名島・伊平屋島/伊平屋村
日本歴史地名大系
近年まで稲作に関連する行事(旧暦五月のシチマ=稲穂祭、六月のウマチー=稲大祭、束取り、ナークチ=水口祭、九月のミヤ種子、種子取=播種、一一月のソーリ=苗植え初め ...
9. いややま【祖谷山】徳島県:三好郡
日本歴史地名大系
冬場には山猟などに携わる人々も多かった。水田も小規模ながら棚田の形で開かれ、田植行事のオサバイオロシ(水口祭)も行われていた。なおかつては木地挽に携わる人々もお ...
10. おうじじんじゃ【王子神社】和歌山県:東牟婁郡/那智勝浦町/市野々村
日本歴史地名大系
森に移され、明治六年(一八七三)王子神社と改称。現在も崇敬され、一月一二日に例祭、七月六日に水口祭、一一月二一日に秋祭が行われる。〈大和・紀伊寺院神社大事典〉 ...
11. 贈物
世界大百科事典
暮の新巻鮭,彼岸の牡丹餅(ぼたもち),盆の素麵(そうめん),雛祭の菱餅,端午の粽(ちまき),水口祭(みなくちまつり)の焼米,八朔の初穂などその節日に応じて特定の ...
12. くいおかじんじゃ【咋岡神社】京都府:中郡/峰山町/赤坂村
日本歴史地名大系
俵が下賜され、祭礼には藩主代として家老代参があったと伝える。当社の行事に水口祭があり、丹後国峯山領風俗問状答に「水口祭り神事執行仕候。一社伝来の旨候て、神官其祭 ...
13. 牛王宝印画像
日本大百科全書
激しくたたき、その音で魔よけをする「牛王神璽(しんじ)祭」が行われる。福島県いわき市の北神谷では、田の水口祭(みなくちまつり)にニワトコの木に牛王札を三角に折っ ...
14. さくがみ【作神】
国史大辞典
れた。この神は春耕とともに里に下り、秋収をまって山へ還った。つまり迎えられてから、苗代播種(水口祭)、初田植、植仕舞、刈上などに祭りをうけた。祭るときに迎え、事 ...
15. 滋賀(県)画像
日本大百科全書
近江八幡(はちまん)市日牟礼(ひむれ)八幡宮の左義長(さぎちょう)祭(3月)、大津市日吉大社の山王祭、甲賀市の水口祭、多賀大社の馬頭人祭(4月)、米原市筑摩(ち ...
16. しみずじんじゃ【清水神社】長野県:更級郡/上山田町/力石村
日本歴史地名大系
という。この氷清水の水を田用水に用いた一帯を清水の里とよび、里人は豊宇気比売命を祀って春秋に水口祭を行ってきた。後には、清水の里の広地へ氷清水の清水神社を奉遷し ...
17. 植物画像
世界大百科事典
それらはメー・ポールつまり〈五月柱〉と呼ばれた。そしてこのことは日本でもまったく同様であり,水口祭(みなくちまつり)では山からサカキや松,ヤマブキの花やツツジの ...
18. ススキ画像
世界大百科事典
を1本または月の数だけ束ねて幣束をつけ,田畑に立てて供物をあげる。このススキは保存しておき,水口祭や初田植に田の神の依代(よりしろ)にする。奄美諸島では,8月に ...
19. たな‐まつり【種祭(り)】
デジタル大辞泉
⇒水口(みなくち)祭り  ...
20. たのかみまつり【田神祭】
国史大辞典
とであった。一年を通じてその主なものは、春耕作開始に先立っての神の迎え降ろしから、苗代播種(水口祭)、初田植(サビラキ)、植仕舞(サノボリ)および秋収穫終っての ...
21. なえいみ【苗忌】[方言]
日本方言大辞典
=全国方言集61944《なえやく》 高知県土佐郡866土佐山民俗誌(桂井和雄)1955(4)水口祭りから四十九日目と六十一日目。この日、その家の者はいっさい田へ ...
22. なえ‐いみ[なへ‥]【苗忌】
日本国語大辞典
《なえいみ》高知県土佐郡866 《なえやみ》新潟県佐渡356 《なえやく》高知県土佐郡866 (4)水口祭から四九日目と六一日目。この日、その家の者はいっさい田 ...
23. なわしろ‐まつり[なはしろ‥]【苗代祭】
日本国語大辞典
〔名〕苗代の種まきのときに行なう田祭の一つ。地方によって、種まき前に行なうのと種まき後に行なうのとがある。水口祭。《季・春》 ...
24. 南島雑話 2 幕末奄美民俗誌 132ページ
東洋文庫
り、先祖祭り、同水口祭り。○八月朔日、二日、丙丁日、高祖を祭る。男女太鼓を打ち、踊をする事にて、村中を廻り、昼夜の無レ分家毎に至り、残りなく廻り済て銘≧帰るなり ...
25. 南島雑話 2 幕末奄美民俗誌 182ページ
東洋文庫
望 水口祭り 昇氏の「奄美諸島年中行事」による と、喜界島では七月下旬の壬の日をえらんで水神 祭を行い、これを水口折目といったとある。また 徳之島ではこの祭をシ ...
26. 年中行事(ねんじゅうぎょうじ)画像
日本大百科全書
事八日(ことようか)、三月節供、社日、春彼岸、4月8日、五月節供と春の行事も多く、それに苗代の水口祭(みなくちまつり)から田植に至るまでの「農作始め」の予祝儀礼 ...
27. はるたじんじゃ【治田神社】奈良県:高市郡/明日香村/岡村
日本歴史地名大系
于時蝗損苗変成〓也、楯思慮神代故事、祈祷御歳神行水口祭、(中略)世俗呼云楯田成小治田、然後楯建立神殿於水田上、奉斎大地主神、号曰小治田神社、今豊浦神社是也 ...
28. べっしょむら【別所村】京都市:左京区地図
日本歴史地名大系
は各々石の台が設けられ、参詣人が台の上で扇を開いて神拝する風習があり、中世的な姿をとどめる。水口祭には粥杖の割残りに毘沙門天のお守りを挟み、苗代の口へ立てるが、 ...
29. ほうりゅうじ【法隆寺】奈良県:生駒郡/斑鳩町/法隆寺村
日本歴史地名大系
に厄除けの牛王札が授けられ、農家のものはそれを神棚に祀っておき、苗代つくりの際に水口に立てて水口祭をする。 ...
30. みと‐まつり【水戸祭(り)】
デジタル大辞泉
⇒水口(みなくち)祭り  ...
31. みと‐まつり【水門祭】
日本国語大辞典
〔名〕「みなくちまつり(水口祭)」に同じ。《季・春》*御湯殿上日記‐文明一五年〔1483〕四月三〇日「御とまつりしてやまのいものあらまき、ところのをりなとまいる ...
32. みなくち‐いわい[‥いはひ]【水口祝】
日本国語大辞典
〔名〕苗代に初めて水をひく時の祝い。水口祭の祝い。*多聞院日記‐天正一三年〔1585〕四月一九日「当年より百姓ひせん望申、みなくち祝とて一石上了」 ...
33. みなくとまつり[方言]
日本方言大辞典
→みなくちまつり【水口祭】 ...
34. やき‐ごめ【焼米・〓
日本国語大辞典
・やき米袋一参候也」*俳諧・春泥句集〔1777〕秋「焼米や其家々のいせの神」(2)水口祭(みなくちまつり)の供物にする焼いた米。《季・春》(1)苗代にまいて残っ ...
35. 山
日本大百科全書
そして翌春「農作始め」にはまた里に下って「田の神」になる、と考えられてきた。苗代(なわしろ)の「水口祭(みなくちまつり)」や秋の「稲上げ・十日夜(とおかんや)」 ...
36. をなり神の島 1 289ページ
東洋文庫
この日「、・・ヤが開く」というが、それには踊り始めるの義があり、同島の記録には、ミヤクチーに水口祭が宛ててある。この行事も、古くは全般的に ...
「水口祭」の情報だけではなく、「水口祭」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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鋤鍬祭(国史大辞典)
年頭にわが田に出て農事のさまをし、また屋内でも豊作を祈願する予祝行事は全国的に知られた習俗である。正月二日または四日の仕事初め、十一日のお田打、十五日のお田植などがこれである。地方によってその名称はさまざまであった。徳島県勝浦郡の農家ではこれを鋤鍬祭といった
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田神祭(国史大辞典)
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