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  11. 無名抄
日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典

日本大百科全書
無名抄
むみょうしょう

鎌倉初期の歌論書。一巻。鴨長明(かものちょうめい)作。1211年(建暦1)以後まもなくの成立か。和歌詠作上の注意や技法、あるいは歌、歌論、歌人にまつわる説話など、長短約80の章を収める。藤原俊成(しゅんぜい)、源俊頼(としより)、源頼政(よりまさ)ら歌人たちの話の多くは、他書ではみられない興味深いものが多い。また歌論書ではあるが、随筆的な色合いも濃く、長明の和歌の師俊恵(しゅんえ)、琵琶(びわ)の師中原有安らの思い出や心に残ることばが記しとどめられ、長明の人となりを浮かび上がらせる。当時の歌壇状況、鴨長明の人間像を探るうえで好個の資料であり、さらに代表作『方丈記』(1212成立)を理解するうえでもきわめて重要な作品である。
[浅見和彦]


『無名抄』[百科マルチメディア]
『無名抄』[百科マルチメディア]
上 鴨長明(かものちょうめい)著 刊本 国立国会図書館所蔵


改訂新版・世界大百科事典
無名抄
むみょうしょう

鴨長明が1211年(建暦1)以後に書いた晩年の歌論書。別名《無名秘抄》《長明無名抄》など。彼の師事した俊恵(しゆんえ)とその歌林苑での詠歌活動,《新古今和歌集》撰進期の和歌所寄人として新風に衝撃を受けた体験などを通じて,随想ふうに和歌観を展開している。主題も詠歌心得,和歌故実から和歌説話に及び,御子左家(みこひだりけ)・六条家の対立期,そのはざまを生きた穏健な老練歌人の証言として,重要な意義が認められる。
[近藤 潤一]

[索引語]
鴨長明
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1. むみゃうせう【無名抄】
全文全訳古語辞典
[書名]鎌倉初期の歌論書。鴨長明著。十三世紀初頭の成立。和歌に関する故実・逸話・心得などを述べているが、特に藤原俊成の「幽玄」について論じている点が注目される。 ...
2. 無名抄画像
日本大百科全書
鎌倉初期の歌論書。一巻。鴨長明(かものちょうめい)作。1211年(建暦1)以後まもなくの成立か。和歌詠作上の注意や技法、あるいは歌、歌論、歌人にまつわる説話など ...
3. 無名抄
世界大百科事典
鴨長明が1211年(建暦1)以後に書いた晩年の歌論書。別名《無名秘抄》《長明無名抄》など。彼の師事した俊恵(しゆんえ)とその歌林苑での詠歌活動,《新古今和歌集》 ...
4. むみょうしょう【無名抄】
デジタル大辞泉
鎌倉時代の歌論書。2巻。鴨長明著。建暦元年(1211)ごろの成立。和歌に関する故実、歌人の逸話・語録、詠歌の心得などを記した随筆風の書。  ...
5. むみょうしょう[ムミャウセウ]【無名抄】
日本国語大辞典
鎌倉初期の歌学書。一巻または二巻。鴨長明著。建暦元年(一二一一)以後、没年の建保四年(一二一六)までの成立。和歌の風体や表現、詠歌の心得、歌人の逸話や思い出など ...
6. むみょうしょう【無名抄】
国史大辞典
翻刻は『日本古典文学大系』六五などに所収。→鴨長明(かものちょうめい) [参考文献]簗瀬一雄『無名抄全講』 (久保田 淳)  ...
7. としよりむみょうしょう【俊頼無名抄】
デジタル大辞泉
⇒俊頼髄脳  ...
8. 『無名抄』[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
上 鴨長明(かものちょうめい)著 刊本 国立国会図書館所蔵 ...
9. あがり‐ざま【上様】
日本国語大辞典
また、そのさま。〓劣りざま。*無名抄〔1211頃〕「劣りの人の文字はまねびやすく、我よりあがりざまの人の手跡は習ひ似する事難し」 ...
10. あき の 暮(く)れ
日本国語大辞典
187〕秋下・三三三「さりともとおもふ心も虫のねもよわりはてぬる秋のくれかな〈藤原俊成〉」*無名抄〔1211頃〕「雲居寺の聖(ひじり)の許(もと)にて、あきのく ...
11. あさり【漁】
日本国語大辞典
合戦物語〔室町中〕「千鳥は川のほとりにあさりしてなかりけるに」「無名抄」に「或人云く、あさりといひ、いさりといふは同じ事なり。それにとりて朝(あした)にするをば ...
12. 排蘆小船(近世随想集) 255ページ
日本古典文学全集
「雨が下」と心得たるやうに詠める、ここが 〔九〕  し」。神仏などが感じ応えること。歌の姿。鴨長明著『無名抄』「古集の歌どものさしも見えぬは、歌ざまのよろしきに ...
13. あつか・う[あつかふ]【扱・〓・刷】
日本国語大辞典
冷たくあしらう。冷遇する。*源氏物語〔1001〜14頃〕総角「いかで人めかしくあつかひなしたてまつらむ」*無名抄〔1211頃〕「しかるべき所などにて無心なる女房 ...
14. あま‐おぶね[‥をぶね]【海人小舟】
日本国語大辞典
海原見れば 白波の 八重折るが上に 安麻乎夫禰(アマヲブネ) はららに浮きて〈大伴家持〉」*無名抄〔1211頃〕「夕なぎに由良のと渡るあまをふね霞の内に漕ぎぞ入 ...
15. あま‐がお[‥がほ]【尼顔】
日本国語大辞典
〔名〕(尼は化粧しないことから)化粧をしない顔、または、化粧をしたことのない顔。すがお。*無名抄〔1211頃〕「中頃のさしもなき歌を、この世の歌に並べて見れば、 ...
16. あみむら【阿弥村】大阪府:南河内郡/美原町地図
日本歴史地名大系
登蓮の歌「秋毎に穂に出てまねけ糸薄くる人ことのかたみともみん」にある糸薄という。登蓮と十寸穂の薄の話は「無名抄」「徒然草」にみえるが、当寺との関係については未詳 ...
17. 在原業平
世界大百科事典
する前の二条后(高子)との密通の話として,他の恋愛譚を合わせて発展し,《古事談》《宝物集》《無名抄》などでは,業平が二条后を盗み出したが后の兄弟たちに奪い返され ...
18. ありわらのなりひら【在原業平】
日本架空伝承人名事典
する前の二条后(高子)との密通の話として、他の恋愛譚を合わせて発展し、『古事談』『宝物集』『無名抄』などでは、業平が二条后を盗み出したが后の兄弟たちに奪い返され ...
19. ありわらのなりひらていあと【在原業平邸跡】京都市:中京区/初音学区/亀甲屋町地図
日本歴史地名大系
鴨長明の「無名抄」に「業平の家は三条坊門よりは南、高倉よりは西に高倉面に近く迄侍き。柱なども堂にも似ずちまき柱といふ物にて侍りけるを、いつ比の人のしはざにか後に ...
20. い[ヰ]【威】
日本国語大辞典
位(い)。*大鏡〔12C前〕四・道隆「入道殿下のなほすぐれさせ給へる威のいみじきに侍めり」*無名抄〔1211頃〕「とこねの事〈略〉これを後撰の威をかりて僻難と思 ...
21. いい‐がら[いひ‥]【言─】
日本国語大辞典
〔名〕言葉の言いよう。特に、和歌などで、一つの言葉と他の言葉との取り合わせよう。*無名抄〔1211頃〕「歌はただ同ことばなれど、つづけがらいひからにてよくもあし ...
22. いかなれ ば
日本国語大辞典
なる覧」*源氏物語〔1001〜14頃〕花宴「いかなれば、言通はすべき様を教へずなりぬらん」*無名抄〔1211頃〕「いかなれば大納言しか理られけるにや」(2)理由 ...
23. いかに ぞや
日本国語大辞典
頃〕花山たづぬる中納言「帝の御心強からず、いかにぞやおはしますを見奉らせ給へればなるべし」*無名抄〔1211頃〕「泣かれぬると言ふ詞こそ、あまりこけ過ぎて、いか ...
24. い‐こん[ヰ‥]【遺恨】
日本国語大辞典
参入〓、甚遺恨也」*無名抄〔1211頃〕「いる日をあらふといひ、月おちかかるといへる、いみじきことばなれど、むねこしの句 ...
25. いしやまでら【石山寺】滋賀県:大津市/南部地域/寺辺村
日本歴史地名大系
する。山城日野(現京都市伏見区)にいた鴨長明は興にひかれては山越えで石山を参詣したようだが(無名抄)、同じ観音霊場の岩間寺(現大津市)に立寄る習いであったらしい ...
26. 和泉式部
世界大百科事典
した式部が,夫が戻るように祈る歌を詠んだところ,貴布禰明神の慰めの歌が聞こえたという説話が《無名抄》《古本説話集》その他にあるが,神をも動かすような歌の作者とし ...
27. いずみしきぶ【和泉式部】
日本架空伝承人名事典
した式部が、夫が戻るように祈る歌を詠んだところ、貴布禰明神の慰めの歌が聞こえたという説話が『無名抄』『古本説話集』その他にあるが、神をも動かすような歌の作者とし ...
28. いっ‐ぺん【一偏】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)(1)一方にかたよること。また、一方にだけかたよっていること。*無名抄〔1211頃〕「しかあれば、古集の中に様々の姿、詞、一偏ならず」*太平記〔1 ...
29. いと も
日本国語大辞典
*土左日記〔935頃〕承平五年一月一七日「あかつきづくよいともおもしろければ、ふねをいだしてこぎゆく」*無名抄〔1211頃〕「われも僻事すと思へる気色にて、いと ...
30. いまよう‐すがた[いまヤウ‥]【今様姿】
日本国語大辞典
*白氏文集天永四年点〔1113〕三「天宝年中の時勢粧(イマヤウスカタ)なれば、上陽の人苦しび最も多し」*無名抄〔1211頃〕「いまやうすがたの哥の中にも、よく読 ...
31. いや‐ま〓し【否】
日本国語大辞典
。面白くない。いとわしい。*唐物語〔12C中〕上「呂后いやましく心うきことにぞおぼしける」*無名抄〔1211頃〕「いかばかりいやましく思はるらん」*愚管抄〔12 ...
32. いろ・う[いろふ]【色・艷】
日本国語大辞典
、七そぢの巻物作りて、ことばをいろへ、たとひをとりて、人の心をすすめ給へりなど聞こえ給も」*無名抄〔1211頃〕「詞の飾りを求めて対を好み書くべからず〈略〉え避 ...
33. いろ‐ごのみ【色好】
日本国語大辞典
序「あだなる歌、はかなき事のみいでくれば、いろごのみの家に、埋れ木の、人知れぬ事となりて」*無名抄〔1211頃〕「いみじき事なり。昔いろごのみのわざどもこのみて ...
34. いわれ‐ぬ[いはれ‥]【言─】
日本国語大辞典
を、まさに世に住み給はん人の承(うけたまはり)たまはでありなんや。いはれぬことなし給ひそ」*無名抄〔1211頃〕「この難はいはれぬ事なり。たとひ新しく出来たりと ...
35. う・い【憂】
日本国語大辞典
添える。*山家集〔12C後〕下「ここをまた我住みうくてうかれなば松はひとりにならんとすらん」*無名抄〔1211頃〕「鹿の音を聞くに我さへなかれぬる谷のいほりは住 ...
36. うかつく[方言]
日本方言大辞典
〔動詞〕うっかりしている。ぼんやりしている。 岐阜県高山市502飛驒のことば(土田吉左衛門)1959続無名抄世話字尽「浮著ウカツク」 ...
37. うか‐つ・く【浮─】
日本国語大辞典
*五輪書〔1645頃〕火「一つはたいくつの心、一つはうかつく心、一つはよはく成心、能々工夫有べし」*続無名抄〔1680〕世話字尽「浮著(ウカツク)」*敬説筆記〔 ...
38. うき‐す【浮巣】
日本国語大辞典
面歌合〔1170〕「子を思ふ鳰のうきすのゆられ来て捨てじとすれやみがくれもせぬ〈源頼政〉」*無名抄〔1211頃〕「かのうきすはゆられありくべき物にあらず。〈略〉 ...
39. 雨月物語 333ページ
日本古典文学全集
仏法僧ト云鳥アリ」。栃木県日光市の日光山。昔は本宮神宮寺があった。京都市伏見区醍醐寺の山。『続無名抄』に「下野国二荒山仏法僧有リ」、また「山城国宇治醍醐山ニ仏法 ...
40. 雨月物語 334ページ
日本古典文学全集
より、前を追ふ声の厳敷聞えて、やや近づき来たり。  この歌は『新撰六帖』、藤原光俊の作。『続無名抄』も引く。京都市西京区の松尾山。一名、別雷山。松尾山南麓の天台 ...
41. うしろ‐やす・し【後安】
日本国語大辞典
く御(おは)すれども、人の為に後安き心御(おは)しければ、実(まこと)を告給にこそ有けれ」*無名抄〔1211頃〕「さるかしこき物の習ひなれば、わが子などをだに、 ...
42. うそ‐ねぶた・し【薄眠】
日本国語大辞典
〔形ク〕(「うそ」は接頭語)なんとなくねむたい。*続無名抄〔1680〕世話字尽「迂疎眠度(ウソネブタシ)」 ...
43. うた‐ざま【歌様】
日本国語大辞典
*保安二年関白忠通歌合〔1121〕「左歌、はじ紅葉ぞあたらしきやうにきこゆれど、うたさまあしくもみえ侍らず」*無名抄〔1211頃〕「古集の歌どものさしも見えぬは ...
44. うた の 様(さま)
日本国語大辞典
序「そもそも、うたのさま、むつなり」*新撰髄脳〔11C初〕「是らなんよき歌のさまなるべき」*無名抄〔1211頃〕「すべて歌のさま代々(よよ)にことなり」 ...
45. うちまかせ‐て【打任─】
日本国語大辞典
〔副〕(動詞「うちまかす(打任)」の連用形に「て」の付いたものから)普通、一般に。概して。*無名抄〔1211頃〕「あながちにといふ言葉は、うちまかせて歌によむべ ...
46. うと
日本国語大辞典
〔名〕(「うつ(空)」の変化した語)からであること。からっぽ。*続無名抄〔1680〕世話字尽「米為空 コメウトニナル」(1)内部が中空であること。うつろ。空洞。 ...
47. うと[方言]
日本方言大辞典
高知県土佐郡866土佐山民俗誌(桂井和雄)1955 鹿児島県963鹿児島方言辞典(嶋戸貞良)1935続無名抄世話字尽「米為空 コメウトニナル」《うずろ》 新潟県 ...
48. う‐なみ【卯浪】
日本国語大辞典
〔名〕卯月(陰暦四月)のころ海にたつ波。卯月浪(うづきなみ)。《季・夏》*無名抄〔1211頃〕「四月・五月には、あけくれなみたちてしづまるまもなし。四月にたつを ...
49. うらしま【浦島】京都府:竹野郡/網野町/浅茂川村/浅茂川湖
日本歴史地名大系
注がある。「古今六帖」に次の歌が載る。白妙の波打返し海士衣うら島にきてぬれやわたらむ鴨長明「無名抄」に次のようにある。丹後国よさの郡に、あさもがはの明神と申かみ ...
50. 浦島太郎画像
日本大百科全書
中世説話文学の時代に入っても、『古事談』『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』(巻12の22)、『本朝神仙伝』『無名抄(むみょうしょう)』『元亨釈書(げんこうしゃくし ...
「無名抄」の情報だけではなく、「無名抄」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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