NHK大河ドラマ「光る君へ」特集
ジャパンナレッジは約1700冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 文学
  6. >
  7. 古典文学
  8. >
  9. 歌謡
  10. >
  11. 謡物

謡物

ジャパンナレッジで閲覧できる『謡物』の国史大辞典・日本大百科全書のサンプルページ

国史大辞典
謡物
うたいもの
歌謡のうち、語りを主とする語り物に対し、特に旋律の豊かな韻文的なものをさす。歌うという根源的な行為によって成立するものとして和歌以降の詩歌の源泉をなすとともに、時代・環境を問わず存在し、内容上も田舎歌・都会歌、労作歌・遊宴歌、宗教歌・世俗歌、民謡・芸謡と多彩で、しかもそれぞれの間に成長・転化が多い。謡物の最も古いものは『古事記』『日本書紀』『万葉集』『琴歌譜』などに知られる大歌(おおうた)であり、平安時代に入り、前期に神楽歌・催馬楽(さいばら)・東遊(あずまあそび)・風俗(ふぞく)などの風俗歌謡が成立し、中期にかけて今様・雑芸が流行した。鎌倉時代では宴曲と田楽・猿楽の謡が長形式の謡物として注目されるが、それらは室町時代以降、短形式の小歌に転成し、『閑吟集』などに集成をみた。三味線の渡来と歌舞伎芝居の成立は、謡物に大きな影響を与え多数の歌謡の流行をもたらしたが、江戸時代前期には上方を中心に三味線組歌や箏の組歌が成立した。前者は長唄に成長して後期には江戸に広く行われ、小歌類も七・七・七・五の近世調を確立した弄斎(ろうさい)や投節等が江戸に移って歌沢などの端歌を生んだ。また、前代からの田植歌や盆踊歌のほか、船歌・木遣歌などの民謡も盛んに行われた。明治時代に入って西洋音楽の流入などの諸変化によって従来の謡物の多くは衰退したが、新たに歌謡曲や創作民謡を生み、マスコミュニケーション機構の中に生きている。→語り物(かたりもの)
[参考文献]
高野辰之編『日本歌謡集成』、土橋寛・小西甚一校注『古代歌謡集』(『日本古典文学大系』三)、新間進一・志田延義・浅野建二校注『中世近世歌謡集』(同四四)、高野辰之『日本歌謡史』
(奥野 純一)


日本大百科全書
謡物
うたいもの

日本音楽用語。元来は、器楽曲に対して声楽曲を意味する語。
(1)雅楽では広義には声楽を伴う曲種の総称で、器楽曲は「曲(ごく)の物」といった。狭義には番組編成形式としての「管絃(かんげん)」における声楽曲種をさし、具体的には催馬楽(さいばら)、朗詠等が含まれるが、用語として今日用いられることはまれである。
(2)能の声楽(謡曲)を「謡(うたい)」ともいうことから、能以外の種目で能に取材した作品群をいう。謡曲物ともいい、とくに地歌の分類名称として用いられる。藤尾勾当(ふじおこうとう)の『八島(やしま)』『富士太鼓』(18世紀後半)あたりに始まり、初めは謡曲の歌詞を用いただけであったが、のちには曲調のうえでも謡曲風の作品がつくられるようになった。
(3)声楽曲の様式分類用語。「語物(かたりもの)」と対(つい)をなし、普通「歌物(うたいもの)」と書かれる。言語抑揚よりも旋律美が優先し、極端なものでは歌詞の一字が長く引き伸ばされ、細かい旋律的装飾を伴うことがある(追分(おいわけ)様式)。歌詞の内容より旋律を鑑賞するもので、叙事性より叙情性に富む。また、歌詞の一字にあてられる音価(拍数)が小さく装飾的旋律の少ないもの(八木節(やぎぶし)様式)もあり、これは語物に近い。歌物的要素の多いものに、雅楽の声楽曲、端唄(はうた)、うた沢、小唄、民謡のほとんど、地歌、箏曲(そうきょく)、長唄、荻江節(おぎえぶし)の多くの曲があり、これらを歌物ということもある。しかし、地歌の浄瑠璃物(じょうるりもの)、山田流箏曲、長唄、荻江節のある種の曲などは歌物とするのが困難であり、また一曲中でも歌物と語物の要素を使い分けて効果をあげているものも多く、種目や曲種単位で「歌物」「語物」に分類することには無理がある。
[田邊史郎]

上記は、日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書サービス「ジャパンナレッジ」のサンプル記事です。

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。


謡物の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 84
※検索結果は本ページの作成時点のものであり、実際の検索結果とは異なる場合があります
検索コンテンツ
1. うたい‐もの[うたひ‥]【謡物・唄物】
日本国語大辞典
」*歌〓品目〔1818〜22頃〕五「謡物(ウタヒモノ) 歌曲の通称なり」*日本開化小史〔1877〜82〕〈田口卯吉〉一・二「諷ひ物には今様 ...
2. 謡物
日本大百科全書
日本音楽用語。元来は、器楽曲に対して声楽曲を意味する語。(1)雅楽では広義には声楽を伴う曲種の総称で、器楽曲は「曲(ごく)の物」といった。狭義には番組編成形式と ...
3. うたいもの【謡物】
国史大辞典
鎌倉時代では宴曲と田楽・猿楽の謡が長形式の謡物として注目されるが、それらは室町時代以降、短形式の小歌に転成し、『閑吟集』などに集成をみた。三味線の渡来と歌舞伎芝 ...
4. 謡物(うたいもの)
古事類苑
樂舞部 洋巻 第1巻 34ページ ...
5. うたい‐もの【歌い物/唄い物/謡物】
デジタル大辞泉
日本の声楽曲の一系統で、詞章の内容よりも曲節に重点を置くもの。神楽歌・催馬楽(さいばら)・朗詠・今様(いまよう)・地歌・箏曲(そうきょく)・長唄・端唄(はうた) ...
6. あさくら‐がえし[‥がへし]【朝倉返】
日本国語大辞典
「我が居れば」を返してうたうことをいうか。*曾我物語〔南北朝頃〕四・鎌倉殿箱根御参詣の事「あさくらがへしの謡物は、拍子の甲乙を調べて、れいはんしょざいの儀をかへ ...
7. あわづ【粟津】滋賀県:大津市/中部地域
日本歴史地名大系
・国分や瀬田の橋」などをあげ、江戸初期には近江八景の一つ「粟津晴嵐」として定着する。鎌倉時代の謡物「海道」には「逢坂越て打出の、浜より遠を見渡せば、塩ならぬ海に ...
8. いおり‐てん[いほり‥]【庵点】
日本国語大辞典
〔名〕箇条書の文書、連書の和歌、連歌、謡物、連署の姓名などの右肩に加える「〓」「 ...
9. いおり‐てん【庵点】
デジタル大辞泉
《庵形をしているところから》箇条書きの文書の頭、和歌・連歌・謡物や、連署する姓名などの肩につける「〓」「 ...
10. いわはしこやた【岩橋小弥太】
国史大辞典
昭和二十一年から同四十三年まで国学院大学史学科教授として古代・中世史を講じ、昭和二十四年「中世の謡物に関する研究」により文学博士の学位受領。学問領域は古代から近 ...
11. うた-うら【歌占】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕歌や謡物の言葉で、吉凶を占うこと。  ...
12. うたひ【謡】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕 ❶《「うたひもの(謡物)」とも》神楽歌・催馬楽・今様・謡曲など、節を付けてうたう詩歌類の総称。 ❷能楽の詞章。謡曲。  ...
13. えいきょく【郢曲】
国史大辞典
」とよまれ、『文選(もんぜん)』に収められていることから、わが国でも貴族の宴席で歌われる謡物を唐風に呼ぶものとなった。平安時代以降、狭義には朗詠をさしたが、広く ...
14. えいきょくしょう【郢曲抄】
国史大辞典
以下に朗詠に始まり神楽・今様・催馬楽(さいばら)・足柄・片下(かたおろし)・田歌・早歌(そうが)に至る謡物について、伴奏楽器、稽古の方法、音程の問題、謡い方の要 ...
15. えてんらく【越天楽】
国史大辞典
越天楽の旋律は特に好まれ、越天楽今様・越天楽謡物などと呼ばれた。民謡「黒田節」も越天楽今様の一種(平調の曲による)。安土桃山時代に九州の僧賢順はこの種の謡物を基 ...
16. 江戸温泉紀行 282ページ
東洋文庫
句を収めるが、こ れにあたるものはない。一荷堂恋の山人編『粋 の懐』は、幕末京坂地方に行われた謡物を集めた 書であるが、それに「有馬名所本調子」として、 「有馬 ...
17. えんねん【延年】
国史大辞典
入れられた風流は、華麗な装置・衣裳を用いた問答劇となっている。そのうち、舞楽で終るのを大風流、謡物と舞(白拍子・乱拍子など)で終るのを小風流と称した。延年風流の ...
18. 大歌
日本大百科全書
うが)などの節会(せちえ)、大嘗会(だいじょうえ)・新嘗祭(にいなめのまつり)などに用いられる謡物(うたいもの)の総称。民間で謡われる小歌(こうた)(民謡)に対 ...
19. 沖縄文学
日本大百科全書
叙事文学、叙情文学、劇文学の四つに分けることができる。呪祷、叙事、叙情の三つは、そのほとんどが唱え物か謡物(うたいもの)、あるいは歌謡として韻文的に口承されてき ...
20. おんがく【音楽】
国史大辞典
考えられる。この期の革新中、重なものは新しい器楽の勃興、新箏曲の勃興、三絃の伝来により語り物と謡物とが相並んで勃興したことである。新しい楽器の勃興については、古 ...
21. かいどう‐くだり[カイダウ‥]【海道下】
日本国語大辞典
*歌謡・閑吟集〔1518〕「面白の海道(かいだう)くだりや、何とかたるとつきせじ」【二】中世の謡物(うたいもの)で、当時の曲舞(くせまい)音曲の一つ。京都から東 ...
22. かたり‐もの【語物】
日本国語大辞典
浪花節など。その詞章をもいう。〓謡物(うたいもの)。*人情本・軒並娘八丈〔1824〕三・一一套「好物な俺(わし)が語物(カタリモノ)でさへ ...
23. 語物
日本大百科全書
むしろ「うたい」物であり、また河東節・清元節・新内節などは全体として謡物に近い性格があるので、日本の声楽曲を種目単位で「謡物」「語物」に二分するのは無理がある。 ...
24. 甲子夜話続篇 8 208ページ
東洋文庫
其末、川勝氏のことに及べば也。『伝』に日。後嵯峨院、昔村上帝の御時、御文庫に納置れし曲、十六章の謡物の次第御聞伝へ置れしことを思召出され、是謡舞べき者なりと。上 ...
25. 鉄輪
世界大百科事典
すのがおもしろく,かつ効果的である。横道 万里雄(2)地歌の曲名。作曲は尾張のなにがし。三下り謡物。1788年(天明8)板の《糸の調》に歌詞初出。謡曲の《鉄輪》 ...
26. かみ‐うた【神歌】
日本国語大辞典
神事に関する歌の意で、主として、平安時代の歌謡の一種をいう。神遊びの歌や神楽歌などの神事に関する歌を、謡物の曲節でうたうもの。広義の今様(いまよう)のうちに含ま ...
27. か‐やく【加役】
日本国語大辞典
朝頃〕四・鎌倉殿箱根御参詣の事「然かのみならず、臨時のかやく、当座の神楽(かぐら)を朝倉返しの謡物(うたひもの)は」*歌舞伎・独道中五十三駅〔1827〕五幕「役 ...
28. か‐よう[‥エウ]【歌謡】
日本国語大辞典
〔名〕(1)広義には謡物(うたいもの)のほか、語物(かたりもの)を含む韻文形式の文学の総称。狭義には節(ふし)をつけて歌う歌の総称。「古事記」「日本書紀」所収の ...
29. 閑吟集
日本大百科全書
放下(ほうか)の謡物(うたいもの)3、狂言小歌2。「小歌」とは『申楽談儀(さるがくだんぎ)』などにみられる「小歌ぶし」の流れを引く優美な旋律、拍節不定のリズムを ...
30. 記紀歌謡
世界大百科事典
,個々の歌の持つ由来の重さが物語の核となっている様がうかがえる。とりわけ《古事記》の説話は〈歌謡物語〉というべきで,聖なる宮廷の本縁が歌を軸として語られている。 ...
31. 狂言集 55ページ
日本古典文学全集
エイヤア、イーヤア。(膝をついて留める。丹波・摂津・奏者の順に退場) 百姓物の最後に用いる祝言的謡物。ほかに、「三人夫」「餅酒」「鴈雁金」にある。「わか」は謡 ...
32. 狂言集 57ページ
日本古典文学全集
同義」(和漢通用集)。宇治の新茶のこと。狂言では謡調の「候」はソロと短く発音することが多い。中世に盛んであった謡物の形式。旅の経過を途中の地名や古歌をちりばめな ...
33. 狂言集 125ページ
日本古典文学全集
とりなして大名をからかう手段に使った着想はおもしろい。すぐに。狂言では普通ガテンと発音するが、謡物の場合はガッテンと促音を入れて言う。下図は、大名二人が起上り小 ...
34. 狂言集 126ページ
日本古典文学全集
実際はリズムに乗って、というほどの意を含む。それからみてもわかるように、この謡物は「小歌」とはいっているが、実際は踊り節に近い。この謡物の曲節は、ほとんど二音階 ...
35. 狂言集 157ページ
日本古典文学全集
納得できない。わけがわからない。「合点」は、古い節用集類では多くガッテンのかたちをとるが、狂言では謡物の場合を除いて、普通ガテンと発音する。このかたちも近世の初 ...
36. 狂言集 173ページ
日本古典文学全集
納得できない。わけがわからない。「合点」は、古い『節用集』類では多くガッテンのかたちをとるが、狂言では謡物の場合を除いて、普通ガテンと発音する。近世初期ごろ、ガ ...
37. 狂言集 199ページ
日本古典文学全集
そのままに受くる袖の雪、運び重ね雪山を、千代に降れと作らん、雪山を千代と作らん」。『五音』下に見える世阿弥作の謡物「雪山」によったもの。途中まで。たいした御機嫌 ...
38. 狂言集 218ページ
日本古典文学全集
虎光本は「眼は団栗眼、鼻はこふりやう鼻」という言い方である。この言い方はほかにも「今参り」に見え、民俗芸能の謡物にも相手の顔の悪口を並べる言い方として三河(愛知 ...
39. 狂言集 228ページ
日本古典文学全集
「切るとても」は謡曲では鉢の木を切るのであるが、ここは酒樽の口を切ることをかけている。狂言に用いられる謡物は、このようにそれぞれ効果のあるものが選んである。この ...
40. 狂言集 299ページ
日本古典文学全集
たいそう。納得できない。へんだな。「合点」は古い『節用集』類では多くガッテンの形をとるが、狂言では謡物の場合を除いて、普通、ガテンと発音する。→一七三ページ注一 ...
41. 狂言集 407ページ
日本古典文学全集
新池殿御返事)と激しく非難されている。浮れさせてやろう。このように一方のペースにまき込むために謡物や囃子物を利用する例は、狂言に多い。太鼓をたたき、「南無妙法蓮 ...
42. 狂言集 420ページ
日本古典文学全集
散るやら散らぬやら、嵐こそ知れ。 少しでも。はなはだ。人里離れた。室町時代に流行した歌謡。狂言における謡物の中でも、とくに繊細でゆったりとした旋律である。わけ ...
43. くしだじんじや【櫛田神社】福岡県:福岡市/博多区/博多・博多津/新町流/社家町
日本歴史地名大系
福禄寿・恵比寿・大黒天の格好をさせた人物を馬に乗せ、囃子詞を唱える。舞衣を着た子供を乗せた車を引き、猿楽の謡物をうたい、笛・太鼓を打ち、藩主邸・櫛田宮・崇福寺に ...
44. 下座音楽
日本大百科全書
黒御簾(くろみす)音楽ともよぶ。担当するのは原則として長唄(ながうた)連中に限られる。ほかの音楽と違って、長唄は謡物を主とし、囃子が付属しているため、劇の伴奏に ...
45. 小歌
日本大百科全書
知りうる。『申楽談儀(さるがくだんぎ)』で「小歌節」のことを「女節」とも記しているのは、五節の謡物の特質を存していたからであろう。律調上の一源泉と目すべきものは ...
46. こう‐や[カウ‥]【高野】
日本国語大辞典
(1)観阿彌作曲。サシ・下歌(さげうた)・上歌(あげうた)の謡物。→高野の巻。(2)(1)をもととして後人が能にしたてたもの。(1)の謡物をサシ・クセの形式に変 ...
47. こうやのまき[カウヤのまき]【高野巻】
日本国語大辞典
謡曲。四番目物。廃曲。作者不詳。観阿彌作の「高野」の謡物をもととして、天正六〜文祿三年(一五七八〜九四)より以前に、後人の手によって完成された。平維盛が八島の合 ...
48. こうわかまい【幸若舞】
国史大辞典
そのような時代相を反映するものと思われる。しかし、曲節においては、平曲などにみられるものと違い、謡物の伝統を失っていない。後期曲舞の詞章を集めたものに『舞の本』 ...
49. ことば
日本大百科全書
ときにいくつかの限定された用法をも派生させた。和歌などの韻文に対して散文をさしたり、能楽・狂言などの謡物(うたいもの)や近世の邦楽などで、曲調部に対してそれのな ...
50. ごま‐てん【胡麻点】
日本国語大辞典
〔名〕(形がクロゴマに似ているところから)(1)謡物の文句の傍につけた、曲節を明らかにするための点。ふしはかせ。墨譜(ぼくふ)。胡麻節。(2)語句や文章の断続を ...
「謡物」の情報だけではなく、「謡物」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶

謡物と同じ歌謡カテゴリの記事
梁塵秘抄(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
歌謡集。後白河天皇撰。全二十巻のうち、巻一巻頭の断簡と巻二全体および口伝集巻一巻頭の断簡と口伝集巻十全体が現存する。歌謡集十巻と口伝集十巻から成っていたと推定される。十一世紀初頭ごろ、今様歌とよばれる流行歌謡がうたわれていた。それらは十一世紀後葉から十二世紀前葉に
謡物(国史大辞典・日本大百科全書)
歌謡のうち、語りを主とする語り物に対し、特に旋律の豊かな韻文的なものをさす。歌うという根源的な行為によって成立するものとして和歌以降の詩歌の源泉をなすとともに、時代・環境を問わず存在し、内容上も田舎歌・都会歌、労作歌・遊宴歌、宗教歌・世俗歌、民謡・芸謡と多彩で
久米舞(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
宮廷儀式に用いる国風歌舞の一つ。その起源は、早く王権に服属した古代の久米一族の風俗歌舞にあるといわれる。のちにこの久米集団は大伴連のもとで来目部(久米部)を形成し、主として戦闘に携わったが、その勇猛さは『日本書紀』と『古事記』神武天皇の条にみえる一連の来目歌
閑吟集(日本古典文学全集・国史大辞典・世界大百科事典)
(真名序)〔一〕そもそも歌謡の道というものは、混沌とした宇宙の中から天地が定まり万物が成り立ってからこのかた、最上の徳を備えた聖君や賢王が人を治める上での大切な方法として重んじ用いたものなのである。この例を古代の中国に尋ね求めてみるに
歌謡と同じカテゴリの記事をもっと見る


「謡物」は文化に関連のある記事です。
その他の文化に関連する記事
雛人形(世界大百科事典)
雛祭に飾る人形。節供人形ともいう。平安時代には,小さな紙人形でままごと遊びをする〈ひいな〉遊びがあった。またこれとは別に,季節の変り目に神に供御(くご)(飲食物)を供えて身体の安泰を願う信仰があり,それを節供といった。3月上巳(じようし)(最初の巳
歌舞伎十八番(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・世界大百科事典)
七世市川団十郎が制定した一八の演目をいう。七世団十郎は、天保三(1832)年三月海老蔵に八世団十郎を襲名させ、自身は海老蔵と改名した時に配った刷り物で、「歌舞妓狂言組十八番」と題して一八種の名目を掲げた。その後、天保一一年《勧進帳》の初演に際し
日本舞踊(日本大百科全書・世界大百科事典)
邦舞ともよび、西洋舞踊(洋舞)と大別される。広義には、舞楽(ぶがく)、能(のう)、歌舞伎(かぶき)舞踊(古典舞踊)、新舞踊、創作舞踊、民俗舞踊(郷土舞踊)などをいう。狭義には、これらのうち一般的によく知られている歌舞伎舞踊をいうことが多い。「舞踊」と
歌舞伎舞踊(新版 歌舞伎事典・世界大百科事典)
歌舞伎の中で演じられる舞踊および舞踊劇。また日本舞踊を代表する舞踊として同義語にも用いられる。【歴史】歌舞伎舞踊は、中世末期の風流(ふりゅう)踊という民俗舞踊を母体として発したもので、出雲のお国の踊った歌舞伎踊にはじまる。お国に追随した遊女歌舞伎も
寿狂言(新版 歌舞伎事典・世界大百科事典)
江戸の劇場の中村座・市村座・森田座に伝承された祝言儀礼的狂言のこと。家狂言ともいう。江戸時代の歌舞伎の興行権は、幕府が座元(太夫元)個人に与えた特権であった。江戸三座の座元は世襲であったので、その権威も特に大きく、各座では、由緒正しい家を誇り格式を
文化に関連する記事をもっと見る


ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶