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  11. キリスト教用語集
日本大百科全書(ニッポニカ)

キリスト教用語集
きりすときょうようごしゅう

*印は、別に本項目があることを示す。

アガペー*
 『新約聖書』で「愛」を意味するギリシア語。神の愛。他者中心(自己否定)的、無償的愛を意味し、イエスの受肉と十字架と復活のなかにその愛の成就がみられるとする。広く人間の愛を意味したギリシア語の「エロス」としばしば比較される。
アーメン*
 「まことに」「たしかに」「然(しか)り」などの意味のヘブライ語。一般には、祈祷(きとう)、信条、賛美歌などの終わりに用いられる。
安息日(あんそくにち)*
 ユダヤ人が1週の第7日に与えた名称で、金曜日の日没からの1日間。この日は仕事を休んで神に思いを馳(は)せる日とされた。キリスト教では日曜日がこれにあたる。
永遠の生命(えいえんのせいめい)
 イエス・キリストにある生命。聖書は、イエスの死と復活とによって、罪人はその罪と死とから解放され新しい生命が与えられることを語るが、このキリストを信ずることによって与えられる生命をいう。また、神の国における生命ともいえる。
外典(がいてん)
 「アポクリファ」の訳。聖書正典(カノン)に対する用語で、正典に近い内容をもち、教会生活のうえに有益な正典以外の諸文書をさす。『旧約外典』と『新約外典』とがあるが、後者には前者のようなまとまりはない。
神の国(かみのくに)*
 「天国」ともいう。イエスの宣教の中心題目。ユダヤ教では、終末時に現れるメシアを王とするこの世の王国であったが、キリスト教では、すでに実現し始めている神の霊的支配、恩寵(おんちょう)の世界をいう。
義認(ぎにん)
 Justification 聖書では、「義」とは元来、神との正しい関係にあることの意。パウロは、人が義とされるのは律法の行いによるのではなく、信仰によるものであるとした。カトリックでは「義化(成義)」と訳し、プロテスタントの解釈とかならずしも同じではない。
教会(きょうかい)*
 ギリシア語のエクレシア(集会の意)に由来し、キリスト教では元来、イエスをキリスト(救世主)と信ずる人々の集会、また神との交わりをもつ共同体の意。組織体としては今日、ローマ・カトリック教会、プロテスタント教会、東方正教会などに大別される。
教父(きょうふ)*
 教会の父の意。初期は司教(主教)をさしたが、4世紀末ごろより、古代教会の著述家のうち、とくに教会によって使徒的信仰の代弁者と認められた人々への呼称となる。
クリスマス*
 キリスト降誕日。初期のキリスト教にはこの祝日はなく、12月25日と定めたのも4世紀以降。なお、イエスがこの日に生まれたという証拠はなく、一説には太陽神の祝日が転じたものといわれる。
契約(けいやく)*
 神と人との間の約束。キリスト教では、神ヤーウェがモーセを介してイスラエルの民と結んだ約束(「旧約」)に対して、イエスが人との間にたてた新しい救いの約束をとくに「新約」とよんでいる。
原罪(げんざい)*
 人類の始祖アダムが罪を犯したために、すべての人間は自分の自由意志とは無関係に、生まれながらにもっているとされる罪。この説はパウロに始まり、アウグスティヌスによって確立された。
最後の審判(さいごのしんぱん)*
 審判の思想は多くの宗教にみられるが、キリスト教では、神がキリストを通して終末時に人類の罪を審判することをいう。それは単に世界の審判であるだけではなく、死の克服と救いの完成を意味する。
再臨(さいりん)
 復活、昇天したイエス・キリストが、栄光のうちにふたたび来臨し、生ける者と死んだ者とを審判し救いを成就するという信仰。この希望は原始教会をはじめ、しばしば信仰復興の時期に顕著に現れる。
サクラメント*
 イエス・キリストが制定した礼典。邦語では、教会によって聖礼典、秘蹟(ひせき)、聖奠(せいてん)、機密などと訳される。カトリックでは七つの秘蹟を数えるが、洗礼と聖餐(せいさん)の二つをサクラメントとする教会が多い。
三位一体(さんみいったい)*
 父なる神と子なるイエス・キリストと聖霊とは、三つの位格(ペルソナ)でありながら、一つの実体(スブスタンティア)において存在することを表した語で、キリスト教の重要な教理の一つとされている。
十戒(じっかい)*
 ヘブライ語で「十のことば」の意。モーセがイスラエルの民を率いてエジプトを脱出したとき、シナイ山で神から与えられたといわれる宗教的、倫理的な10の戒め。
使徒(しと)*
 福音(ふくいん)を全世界に伝えるためにイエス・キリストによって「遣わされた者」の意。通常、イエスの十二弟子のほかに、パウロや主の兄弟ヤコブらが使徒とよばれる。のちには、「アイルランドの使徒」のように、ある地方や民族に初めて福音を伝えた人をもさす。
十字架(じゅうじか)*
 イエスの死刑に用いられた道具。キリスト教では、この十字架上の受難のなかにイエスの犠牲、贖罪(しょくざい)、神の愛などをみいだした。したがって、十字架はキリスト教最大のシンボルともなった。
修道院(しゅうどういん)*
 一定の規律の下に修道士または修道女がともに住む場所。邦語で「修道院」というところを、外国語では、ベネディクト会、托鉢(たくはつ)修道会、イエズス会など、その修道会の性質により、種々の呼称が用いられる。古代から歴史に与えた影響は大である。
終末論(しゅうまつろん)
 人間や世界についての終末(最後、究極)に関する教説。ユダヤ教、キリスト教において独自な発展をみた。キリスト教では、終末はキリストの来臨や再臨との関連で語られ、一般には、終末は来臨とともにすでに始まっているものと解されている。
主日(しゅじつ)
 日曜日。ユダヤ人は土曜日を安息日として守るが、イエスが週の初めの日である日曜日に復活したことを信ずるキリスト教徒はこの日を主(イエス・キリスト)の日、主日として週ごとに記念して礼拝することになった。
受難(じゅなん)*
 イエスが迫害によって苦しみを受けたこと。とくに復活日の前日までの1週間を受難週(聖週)といい、なかでも十字架につけられた日を受難日(受苦日、聖金曜日)とよび、教会はこの日を特別の日として守っている。
受肉(じゅにく)
 「托身(たくしん)」ともいう。イエスは、神の子が肉体をとり人となった方であるということ。聖書は、その受肉について、人類の救いのためであるとも、また人々に永遠の生命を与えるためであるとも語る。→インカーネーション
主の祈り(しゅのいのり)*
 イエスが弟子たちに祈りの模範として教えたもの。「マタイ伝福音書」(6章9~13)と「ルカ伝福音書」(11章2~4)に示される。この祈りは古くから教会の礼拝、集会、個人の生活のなかで唱えられてきた。
昇天(しょうてん)*
 キリストが復活後40日目に弟子たちの前で天にあげられたということ。それは一般に、この世に送られた神の子イエスが、その地上での使命を終え、ふたたび神の栄光を回復したことを意味するものとされている。
贖罪(しょくざい)*
 罪をあがなうこと。キリスト教ではとくにイエスの贖罪をいう。すなわち、十字架上のイエスの死は、単なる犠牲や殉教の死ではなく、自らはまったく罪なくも、人類の罪過の責任を背負っての、神との和解のための死であるということ。
処女降誕(しょじょこうたん)
 イエス・キリストは普通の人間とは異なり、処女であったマリアから聖霊によって生まれたという信仰告白。この記事は、『新約聖書』中、マタイとルカの2福音書だけが記している。→処女懐胎
信条(しんじょう)*
 キリスト教の主要な教理を簡潔に述べたもので、教会存立の根本的信仰を表したもの。またそれは、聖書の告知に対する教会の応答という意味で、教会の信仰告白でもある。古典的なものとして、「使徒信条」「ニカイア信条」などが有名。
救い(すくい)
 一般には、不幸、罪悪、死などから解放されたいという人間の願望に対して、宗教が約束する最高の幸福またはその状態。キリスト教では、イエスの人格と和解の行為とがその要件とされている。
聖餐(せいさん)
 イエス・キリストの肉と血とを表すパンとぶどう酒とを信徒に分かち与える儀式。イエスが死の前日、弟子たちとともにした最後の食事に由来し、教会はこの儀式によってイエスの死を記念している。ユーカリスト、聖体拝領、主の晩餐などともいう。→聖体
聖書(せいしょ)*
 キリスト教会が信仰と生活との規範としている書物。正典(カノン)ともよばれる。旧約と新約との2部門からなり、前者はヘブライ語で紀元前に書かれ、後者はギリシア語で紀元後1世紀(一部は2世紀前半)に書かれたものである。
聖職者(せいしょくしゃ)*
 信徒と区別して、教会の特別な任命を受けて聖務に専念する者をいう。教会によっては、このような聖職を認めないところもあるが、古代から教会には監督(司教、主教)、長老(司祭)、執事(助祭)などの職位がみられる。
聖霊(せいれい)*
 人類を聖化し、鼓舞する神の霊。『新約聖書』には、父、子との関係についての教理はみられないが、やがて三位(さんみ)一体の教理において、聖霊は父と子と実体を一つにしながらも、第三の位格と考えられるに至った。
洗礼(せんれい)*
 キリスト教徒となるときの水による儀式。復活後のイエスが弟子たちに向かって、洗礼を施すことを命じたということに由来し、これを受けた者は、聖霊の力によって新しい生命に生きるようになるとされる。この際、洗礼名(教名)をつけることが多い。
総会議(そうかいぎ)
 世界の司教(主教)その他の代表が参集、その決定事項は全キリスト教徒を拘束するとされる世界会議。カトリックは「公会議」と称し、第二バチカン公会議(1962~65)まで21回を数え、その他の教会は通常、総会議を第二回ニカイア会議(787)までとしている。
創造(そうぞう)
 聖書は、神が天地をはじめ、すべての生き物の創造主であり、また万物を無から創造したことを語る。このことは、すべての存在とその意味とが究極的には神に帰せられることを示す。つまり、創造の概念は神の唯一性、絶対性への信仰告白にほかならない。
福音(ふくいん)*
 イエスがもたらした神の「よい知らせ」のこと。キリスト教では、イエスこそが、人類の不幸である神との不和を取り除き、人生の根本的意味を示した方として、彼の出現、生と死、存在そのものが福音とされる。
復活(ふっかつ)*
 十字架上に死んだイエスが3日目によみがえったということ。この信仰はキリスト教のもっとも根本的な宣教内容であり、復活は単に1人の人間のよみがえりということではなく、神の愛による救いの業(わざ)とされる。
メシア*
 「油注がれた者」を意味するヘブライ語で、のちに「救世主」の意に用いられる。「キリスト」はそのギリシア語訳。メシア思想はユダヤ教のなかに古くからみられ、やがてイエスをメシア(キリスト)と信ずる一部のユダヤ人を中心に、キリスト教会が誕生する。
預言者(よげんしゃ)*
 聖書では一般に、神とイスラエル民族の間にたって神の言(ことば)を語り、ときに彼らを神にとりなした人々をいう。原始教会にも預言者の活動がみられるが、紀元前8世紀~前6世紀の預言者をさすのが普通。
律法(りっぽう)*
 ユダヤ教では元来、神から与えられた神への道標(しるべ)のことであり、宗教的、倫理的、祭儀的な諸規定を内容とする。のちには律法の遵守を救いの前提と考えるようになるが、キリスト教では、律法によっては救われないこと、また律法はイエスによって成就されたことを説く。
ロゴス
 「ことば」「理性」などを意味するギリシア語。キリスト教では、神の言(ことば)、イエス・キリストの意。ロゴスの概念は種々な意味に用いられたが、「ロゴスが肉体となった」というキリスト教信仰は、イエスの史的人格を中心としている点で独自である。
[菊地栄三]

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