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  11. 下座音楽
新版 歌舞伎事典・国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典

新版 歌舞伎事典
下座音楽
げざおんがく
 歌舞伎の演出に、効果・修飾・背景・伴奏音楽として、原則として黒御簾くろみすで演奏される歌舞伎囃子の通称。〈黒御簾音楽〉〈陰囃子〉(略して〈黒御簾〉〈陰〉とも)などの別称がある。ただし〈陰囃子〉は、狭義に、出囃子・出語りについて黒御簾の中で演奏される鳴物を意味することが多い。〈下座音楽〉は、昭和の初めごろから〈下座の音楽〉を熟語化していわれるようになったもので、これを職分とする〈囃子方〉は、ふつう〈下座音楽〉とはいわない。〈下座〉は〈外座〉とも記し、本来、舞台上手側の臆病口の前の一角を指し、享保末期に上方も江戸もそこが囃子の演奏場所となり、そこで演奏される囃子を〈下座〉とも称するようになったところから、〈下座の音楽〉〈下座音楽〉といわれるようになったもの。上手の下座が演奏場所となる以前は、初期歌舞伎以来、舞台正面奥に囃子方が居並んで演奏するのが通例であった。演奏場所が上手から下手の奥に移されたのは、江戸では文政から天保の間で、下手奥に移された後も、その場所を〈下座〉と呼んでいたという。さらに現行のような黒御簾の位置と形式になったのは安政ごろからである。一方、上方では、明治末期まで上手側舞台ばな寄りに設けられた結界けっかいの内側で演奏されており、その場所を〈下座〉とは称していなかった。したがって、〈下座音楽〉という呼称は、創始期以来の歌舞伎の囃子全般を指すには、必ずしも適切な用語ではない。
【歌舞伎囃子の歴史】
 歌舞伎と軌を一にして四〇〇年に近いが、今日の下座音楽のように科白劇の演出にかかわる囃子は、野郎歌舞伎以後科白劇の発達にともない形成されたもの。元禄期には囃子の用法もかなり進んでいたが、現行の〈下座音楽〉と本質的には変わらない曲種や用法がととのえられたのは享保末期で、めざましい発展をみるのは、江戸長唄の隆盛をみた宝暦以後である。そのころ囃子方が劇場に専属して創意工夫を加え、著しい進展を示し、化政期の音楽劇としての大成を経て、幕末から明治にかけての黙阿弥劇において、洗練された下座音楽の完成を見るに至った。現行の下座音楽は、黙阿弥時代の音楽演出を伝承したものである。
 下座音楽は、大まかに、唄・合方(上方では〈相方〉)・鳴物の三つの曲種に大別される。唄は囃子方の長唄連中の唄方、合方は同じく三味線方、鳴物は同じく鳴物の社中(狭義の囃子方)の職分である。また、下座音楽の演出プランを立てることを〈附け〉といい、これを担当するのはベテランの囃子方で、これを〈附師〉という。附師は、演出プランを記帳した〈附帳〉を作成して芝居の稽古に臨む。また、黒御簾で演奏する際の指揮者に相当する立三味線を〈舞台師〉という。
【用いる楽器】
 三味線、四拍子(大小鼓・締太鼓・能管)、大太鼓、竹笛(篠笛)を主奏楽器とし、この他、胡弓、箏、尺八が用いられることもあり、また、〈鳴物〉の名称で総称される、寺院・神社の宗教楽器あるいは祭礼囃子や民俗芸能の楽器を採り入れた、各種の打楽器や管楽器が広く用いられ、その種類は、樽、みくじ箱、ビービー笛のような雑楽器を合わせると数十種類に及ぶ。
【現行曲目】
 唄・合方・鳴物を合わせると、優に八〇〇曲を超える。そのうち、東京(江戸)の曲が約六割、上方の曲が約四割で、それぞれの特色が認められるのは、東西の歌舞伎が、相互の交流や影響関係をもちながらも、それぞれ独自な歴史を踏んできたことや、その背景である風土の違いによるものである。こうした下座音楽の曲目の分類は必ずしも容易ではない。〈唄〉は、〈馬子唄〉のような〈素唄すうた〉の他は三味線の伴奏を伴い、特殊な演出効果をねらう〈独吟〉〈両吟〉の〈めりやす〉と、数人で唄われる〈雑用唄ぞうようた〉に分けられる。地歌・長唄・端唄などの既存曲の一部をとったものが多いが、芝居のために作られた曲も多い。〈合方〉は、唄のない三味線曲で、これに唄が入る場合は〈唄入り〉という。合方は、地歌・長唄・端唄・義太夫などの一部の三味線の手をとったものと独自に作曲されたものに大別される。唄も合方も、用法によって各種の鳴物が加えられることが多い。〈鳴物〉は、楽器を単独または二種以上の組合せによって演奏される。一定のリズムで構成された曲目と、効果・描写音楽として見計らいで演奏される、たとえば大太鼓による風や雨の音のような曲とに分けられ、前者はさらに、四拍子による能囃子を模したもの、祭礼囃子を模したもの、芝居独自に作調されたもの、演出に関係のない劇場習俗としての囃子などに分けられる。下座音楽は、以上のような分類の他に、演劇的機能・用法の面からの分類も考えられるが、単一の基準による類別は困難で、唄・合方は、一応主として用いられる演目が時代物か世話物かによって二大別し(実際は双方に用いられる曲が多い)、さらに、場面、人物の動き、髪梳きなどの特殊な演出、音楽性などによって細かく分けてみることができる(舞台上の情景によって分類した下座音楽一覧を付録として掲載した)。
【演劇的機能・用法】
 きわめて複雑である。下座音楽は、各演目の幕明、人物の出入り・居直り、人物の科白・立廻り、特殊な演出(髪梳き・物着・濡れ場・殺し・縁切・セリ上げ・だんまりなど)、場面転換、幕切などに演奏されるが、これを演出にかかわる基本的性格についてみると、幕明、場面転換、幕切では、場面の情景や雰囲気を表し、人物の出入りや科白では、人物(役柄、俳優の格、個々の演技)本位につけられ、立廻りその他の演出では、その演出全体に対して舞踊の地の音楽に類した性格でかかわり、歌舞伎独特の様式美を強調する。こうした下座音楽の効用は、全般的に修飾音楽、効果音楽としての効用が中心となるが、照明の発達がみられなかった江戸時代には、観客の聴覚に訴えることにより、視覚的・心象的イメージを補う効果をあげていたことも考えられる。また、修飾音楽、効果音楽としてばかりでなく、伴奏音楽として技術的にかかわる面のある点にも注意しなければならない。動作につく囃子は、動き方、テンポに対して技術的にかかわり、せりふにつく合方は、せりふの内容に適合した旋律・音色・強弱・リズムが要求されるばかりでなく、声の調子やテンポに対して技術的に関連している。
【劇場習俗としての囃子】
 〈儀礼囃子〉〈儀式音楽〉ともいい、演出には関係なく、劇場の興行上の習俗として行われてきたものである。現今ではかなり簡略化されてはいるが、序幕出演の俳優全員が楽屋入りしたことを知らせる〈着到シャギリ〉、芝居が一幕終わるごとに打ち囃される〈幕切シャギリ〉、一日の終演を告げる〈打出し〉が打ち囃されている。
[景山 正隆]


国史大辞典
下座音楽
げざおんがく
歌舞伎の科白(せりふ)劇および舞踊において、舞台の情景や役柄の身分の規定、幕あき・幕ぎれの雰囲気の高揚、シグサやセリフの修飾のほか、擬音的効果も受けもつ音楽。長唄(唄・三味線)および鳴物によって演奏される。歌舞伎では伴奏音楽として義太夫・長唄・常磐津・清元・新内などが用いられ、下座音楽は歌舞伎のすべてのレパートリーに重要な効果を果たす。したがって、歌舞伎音楽という言葉で下座音楽を意味することもある。また主として黒御簾(くろみす)その他舞台の裏で演奏されるので「陰囃子(かげばやし)」ともいわれる。下座の語源については、黒御簾が舞台下手にあるからとも、江戸時代の鳴物師には武家の道楽者などが多かったので一座の外の者という意味で「外座」と呼んだところから起ったとも称されるが、明らかでない。歌舞伎が写実的要素の強い一幕物の劇を上演するようになった江戸時代前期(十七世紀後期)にはすでに人物の出入りなどに長唄による修飾音楽は生じていたと思われるが、天明・寛政期(十八世紀末)における人形浄瑠璃の同化と世話狂言の独立とによって鳴物の楽器が増加して手法が多くなり、さらに文化・文政期(十九世紀初期)から幕末にかけての河竹黙阿弥らによる生世話狂言の確立によって、ほぼ今日の様式が完成したものと考えられる。この間、唄・三味線・鳴物ともに、独自の手法を創案すると同時に、長唄・小唄・地唄などの歌詞や旋律を利用し、また能楽囃子・寺社音楽・江戸祭囃子・大道芸などの楽器や手法を取り入れて、現在、唄・三味線・鳴物が単独あるいは結合しあって形成している手法は数百種にも及んでいる。鳴物の楽器は、能管(のうかん)・篠笛(しのぶえ)など数種の管楽器以外は、波・雨・風など自然現象の擬音的効果音などに用いられもっとも重要な大太鼓をはじめ、ほとんどが皮製・金属製・木製・竹製などの打楽器で、常に用いるものだけでも三十種前後に及んでいる。流儀としては、長唄諸流のほか、鳴物に江戸時代中期以来の望月・田中、江戸時代後期からの梅屋・堅田・住田・福原、明治以後に成立した柏・藤舎(とうしゃ)・鳳声(ほうせい)などがある。
[参考文献]
望月太意之助『歌舞伎下座音楽』、杵屋栄左衛門『歌舞伎音楽集成』、東洋音楽会編『歌舞伎音楽』
(小林 責)


改訂新版・世界大百科事典
下座音楽
げざおんがく

歌舞伎の演出に,効果,修飾,背景,伴奏音楽として,原則として舞台下手の板囲いをし上部の窓に黒いすだれをさげた〈黒御簾(くろみす)〉で演奏される歌舞伎囃子の通称。〈黒御簾音楽〉〈陰囃子〉(略して〈黒御簾〉〈陰〉とも)などの別称がある。ただし〈陰囃子〉は,狭義に,出囃子,出語りについて黒御簾の中で演奏される鳴物を意味することが多い。〈下座音楽〉は,昭和の初めごろから〈下座の音楽〉を熟語化していわれるようになったもので,これを職分とする〈囃子方〉は,ふつう〈下座音楽〉とはいわない。〈下座〉は〈外座〉とも記し,本来,舞台上手の役者の出入口〈臆病口〉の前の一角を指し,享保(1716-36)末期に上方も江戸もそこが囃子の演奏場所となり,そこで演奏される囃子を〈下座〉とも称するようになったところから〈下座の音楽〉〈下座音楽〉といわれるようになったもの。上手の下座が演奏場所となる以前は,初期歌舞伎以来,舞台正面奥に囃子方が居並んで演奏するのが通例であった。演奏場所が上手から下手の奥に移されたのは,江戸では文政(1818-30)から天保(1830-44)の間で,下手奥に移された後も,その場所を〈下座〉と呼んでいたという。さらに現行のような黒御簾の位置と形式になったのは安政(1854-60)ごろからである。一方,上方では,明治末期まで上手側舞台ばな寄りに設けられた結界(けつかい)の内側で演奏されており,その場所を〈下座〉とは称していなかった。したがって,〈下座音楽〉という呼称は,創始期以来の歌舞伎の囃子全般を指すには,必ずしも適切な用語ではない。

歴史

歌舞伎囃子の歴史は,歌舞伎と軌を一にして400年に近いが,今日の下座音楽のようにせりふ劇の演出にかかわる囃子は,野郎歌舞伎以後せりふ劇の発達にともない形成されたもの。元禄期(1688-1704)には囃子の用法もかなり進んでいたが,現行の〈下座音楽〉と本質的には変わらない曲種や用法がととのえられたのは享保末期で,めざましい発展をみるのは,江戸長唄の隆盛をみた宝暦(1751-64)以後である。そのころ囃子方が劇場に専属して創意工夫を加え,著しい進展を示し,化政期(1804-30)の音楽劇としての大成を経て,幕末から明治にかけての黙阿弥劇において,洗練された下座音楽の完成を見るに至った。現行の下座音楽は,黙阿弥時代の音楽演出を伝承したものである。

 下座音楽は,大まかに,唄,合方(上方では〈相方〉),鳴物の三つの曲種に大別される。唄は囃子方の長唄連中の唄方,合方は同じく三味線方,鳴物は同じく鳴物の社中(狭義の囃子方)の職分である。また,下座音楽の演出プランを立てることを〈附け〉といい,これを担当するのはベテランの囃子方で,これを〈附師〉という。附師は,演出プランを記帳した〈附帳〉を作成して芝居の稽古に臨む。また,黒御簾で演奏する際の指揮者に相当する立三味線を〈舞台師〉という。

楽器

三味線,四拍子(しびようし)(大小鼓,締太鼓,能管),大太鼓,竹笛(篠笛)を主奏楽器とし,このほか,胡弓,箏,尺八が用いられることもあり,また,〈鳴物〉の名称で総称される寺院・神社の宗教楽器,あるいは祭礼囃子や民俗芸能の楽器を採り入れた各種の打楽器や管楽器が広く用いられ,その種類は,樽,みくじ箱,ビービー笛のような雑楽器を合わせると数十種類に及ぶ。

曲目

現行曲目は,唄,合方,鳴物を合わせると,優に800曲をこえる。そのうち,東京(江戸)の曲が約6割,上方の曲が約4割で,それぞれの特色が認められるのは,東西の歌舞伎が,相互の交流や影響関係をもちながらも,それぞれ独自な歴史を踏んできたことや,その背景である風土の違いによるものである。こうした下座音楽の曲目の分類は必ずしも容易ではない。〈唄〉は,〈素唄(すうた)〉の場合もあるがふつうは三味線の伴奏を伴う。特殊な演出効果をねらう〈独吟〉〈両吟〉の〈めりやす〉と,数人でうたわれる〈雑用唄(ぞうようた)〉に分けられる。地歌,長唄,端唄などの既存曲の一部をとったものが多いが,芝居のために作られた曲も多い。〈合方〉は,唄のない三味線曲で,これに唄が入る場合は〈唄入り〉という。合方は,地歌,長唄,端唄,義太夫などの一部の三味線の手をとったものと独自に作曲されたものに大別される。唄も合方も,用法によって各種の鳴物が加えられることが多い。〈鳴物〉は,楽器を単独または2種以上の組合せによって演奏される。一定のリズムで構成された曲目と,効果・描写音楽として見計らいで演奏される曲とに分けられる。前者はさらに,四拍子による能囃子を模したもの,祭礼囃子を模したもの,芝居独自に作調されたもの,演出に関係のない劇場習俗としての囃子などに分けられ,後者は,たとえば大太鼓による風や雨の音などである。下座音楽は,以上のような分類のほかに,演劇的機能・用法の面からの分類も考えられるが,単一の基準による類別は困難で,唄,合方は,一応主として用いられる演目が時代物か世話物かによって二大別し(実際は双方に用いられる曲が多い),さらに,場面,人物の動き,髪梳きなどの特殊な演出,音楽性などによって細かく分けてみることができる。〈歌舞伎〉の項目の用語集に若干の代表的な曲目例を挙げた。

機能・用法

演劇的機能・用法はきわめて複雑である。下座音楽は,各演目の幕明き,人物の出入り,居直り,人物のせりふ・立回り,特殊な演出(髪梳き,物着,濡れ場,殺し,縁切,セリ上げ,だんまりなど),場面転換,幕切れなどに演奏されるが,これを演出にかかわる基本的性格についてみると,幕明き,場面転換,幕切れでは,場面の情景や雰囲気を表し,人物の出入りやせりふでは,人物(役柄,俳優の格,個々の演技)本位につけられ,立回りその他の演出では,その演出全体に対して舞踊の地の音楽に類した性格でかかわり歌舞伎独特の様式美を強調する。こうした下座音楽の効用は,全般的に修飾音楽,効果音楽としての効用が中心となるが,照明の発達が見られなかった江戸時代には,観客の聴覚に訴えることにより,視覚的・心象的イメージを補う効果をあげていたことも考えられる。また,修飾音楽,効果音楽としてばかりでなく,伴奏音楽として技術的にかかわる面のある点にも注意しなければならない。動作につく囃子は,動き方,テンポに対して技術的にかかわり,せりふにつく合方は,せりふの内容に適合した旋律,音色,強弱,リズムが要求されるほか,声の調子やテンポに対して技術的に関連している。

習俗

〈儀礼囃子〉〈儀式音楽〉ともいい,演出には関係なく劇場の興行上の習俗として行われてきたものがある。現今ではかなり簡略化されてはいるが,序幕出演の俳優全員が楽屋入りしたことを知らせる〈着到シャギリ〉,芝居が一幕終わるごとに打ち囃される〈幕切れシャギリ〉,一日の終演を告げる〈打出し〉が打ち囃されている。
[景山 正隆]

[索引語]
黒御簾 囃子 黒御簾音楽 陰囃子 陰 鳴物 下座(歌舞伎) 囃子方 外座 結界 合方 相方 唄方 ツケ 附師 附帳 舞台師 篠笛 めりやす(邦楽) 雑用唄 唄入り 儀礼囃子 儀式音楽 着到シャギリ 幕切れシャギリ
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23. いつつ‐がしら【五頭】
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25. うえした の 合方(あいかた)
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日本国語大辞典
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29. うた‐じょうるり[‥ジャウルリ]【唄浄瑠璃】
日本国語大辞典
にて、その中にも唄ぜうるりといふ有〈略〉まづ唄ぜうるりは唄にて浄るりの趣多し」(3)歌舞伎の下座音楽で、浄瑠璃味を唄に加えたもの。*歌舞伎・桜姫東文章〔1817 ...
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31. えだいこ【柄太鼓】
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用いて打奏する。柄付太鼓ともいい、一枚革のものは題目太鼓ともいう。日蓮宗徒の題目の伴奏や、歌舞伎の下座音楽などに用いる。日本における起源は不明であるが、エスキモ ...
32. えど‐すががき【江戸清掻】
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世界大百科事典
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国史大辞典
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35. おき‐つづみ【置鼓】
日本国語大辞典
〕能の色どり「鼻かみて、をきつづみ打とめさせ、声合はせて言ひ出しける也」(2)能楽から転じた下座音楽鳴り物の一つ。幕が開いて、まだ俳優が動かないでいるときに奏す ...
36. おくり‐さんじゅう[‥サンヂュウ]【送三重】
日本国語大辞典
〔名〕浄瑠璃、歌舞伎下座音楽の一つ。主役が花道へ引っ込む時に奏される、三重の三味線の演奏。足取りに合わせ、はじめはゆるやかに、次第に速めて弾く。*俳諧・破邪顕正 ...
37. 桶胴
世界大百科事典
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38. おけどう【桶胴】
国史大辞典
膜鳴打楽器の一種。歌舞伎の下座音楽や民俗芸能などに用いる。円筒形の胴の両側に革をあて、締緒によって互いに締めつけ合う。その胴が桶に似ているということからこの名 ...
39. おどり‐じ[をどりヂ]【踊地】
日本国語大辞典
〔名〕(1)(踊りの地となる伴奏音楽の意)歌舞伎の下座音楽の一つ。京阪の郭、揚屋、茶屋などの場に用いる三味線の合方。開幕、閉幕、人物の出入りなどには太鼓入りの賑 ...
40. おもいれ‐さんじゅう[‥サンヂュウ]【思入三重】
日本国語大辞典
〔名〕歌舞伎の下座音楽で、俳優が思い入れをして、花道を退場する時の三味線の合方(あいかた)。愁(うれい)三重。 ...
41. おや・す【生】
日本国語大辞典
りけるを」*雑俳・末摘花〔1776〜1801〕初「ひる日中おやして亭主叱られる」(3)歌舞伎の下座音楽で、役者の声が聞こえるように弱い音で演奏していた楽器の音を ...
42. オルゴール【Orgel】
国史大辞典
板の上に大きさの異なるいくつかの無舌の鈴(れい)を並べて固定し、二本の撞木で打奏する。歌舞伎の下座音楽で、蝶の飛ぶ場面に必ず用いられる楽器である。澄明で清らかな ...
43. オルゴール【Orgel】 : オルゴール/(一)
国史大辞典
板の上に大きさの異なるいくつかの無舌の鈴(れい)を並べて固定し、二本の撞木で打奏する。歌舞伎の下座音楽で、蝶の飛ぶ場面に必ず用いられる楽器である。澄明で清らかな ...
44. 音響効果
世界大百科事典
笛,赤子笛,竹ぼら(法螺)の笛類と流し雨,雨団扇,雷車,浪かご,櫓,蛙,風車等の器具があり,下座音楽においても太鼓(雪,水,浪,雨,風),時計,オルゴール,駅路 ...
45. かくべえ‐じし[カクベヱ‥]【角兵衛獅子】画像
日本国語大辞典
15〕〈夏目漱石〉四「十歳ばかりになる角兵衛獅子(カクベヱジシ)の子であった」(2)歌舞伎の下座音楽の一つ。(1)の鳴り物をまね、笛と太鼓ではやすもの。世話物で ...
46. かけり【翔・駆】
日本国語大辞典
室町末〜近世初〕「いでいでくすねをねらんとて。舞。カケリ」(4)能楽の囃子から転じた歌舞伎の下座音楽、鳴物の一種。大小の鼓と笛によって伴奏され、物狂いの出と、時 ...
47. かけり【翔り】
全文全訳古語辞典
大小鼓と笛で奏され、戦闘や狂乱の心持ちを表す。 ❷《歌舞伎用語》❶から転じたもので、大小鼓と笛による歌舞伎下座音楽。合戦や物狂い、時代物の幕切れなどに用いる。  ...
48. かげ【陰・蔭・翳】
日本国語大辞典
ばちっと付てくんなせへ かげとはかけにてもうける事なり」(2)歌舞伎の舞台や寄席の高座の陰で演奏する音楽。下座音楽。(3)歌舞伎で、付(つけ)(7)のこと。(4 ...
49. かげばやし【陰囃子】
歌舞伎事典
下座音楽 ...
50. かさい‐ねんぶつ【葛西念仏】
日本国語大辞典
かはりに鐘太鼓の出たたき、つゐの麻上下を著た所は葛西念仏の年始にあるくやうなり」(2)歌舞伎下座音楽の一つ。(1)を模したものといわれ、太鼓と小型の念仏鉦で打つ ...
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歌舞伎(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
歌舞伎という表記は当て字であるが、歌(音楽)、舞(舞踊)、伎(伎芸)をそれぞれ意味し、日本独自の様式的演劇の特質を巧まずして表現しているため、今日では広く用いられている。かつて江戸時代には「歌舞妓」と書かれるのが普通であったが、もっと古くは「かぶき」と仮名で書かれた
下座音楽(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
歌舞伎の演出に、効果・修飾・背景・伴奏音楽として、原則として黒御簾で演奏される歌舞伎囃子の通称。〈黒御簾音楽〉〈陰囃子〉(略して〈黒御簾〉〈陰〉とも)などの別称がある。ただし〈陰囃子〉は、狭義に、出囃子・出語りについて黒御簾の中で演奏される鳴物を意味することが多い
江戸三座(新版 歌舞伎事典・日本大百科全書)
江戸で公許された中村座、市村座、森田座の三芝居。元禄期(1688‐1704)には山村座を含め四座存在したが、正徳四(1714)年、江島生島事件によって山村座が廃絶、以降明治に至るまで三座に限って興行が公認された。中村座は堺町、市村座は葺屋町、森田座は木挽町において興行したが
野郎歌舞伎(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
若衆歌舞伎の禁令以後、前髪を剃って、野郎頭となった男たちの歌舞伎、という意味で、承応一(1652)年ごろから、いわゆる元禄歌舞伎時代まで二十数年間をふつうに野郎歌舞伎時代と呼ぶ。若衆歌舞伎の少年の前髪を剃り落とされたので、以後は成人男子の役者
若衆歌舞伎(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
前髪立ちの美少年の魅力を中心とした歌舞伎。慶長八(1603)年四月に出雲のお国が歌舞伎踊を創始したが、その同じ年の九月には、五歳の童男の歌舞伎が宮中に招かれたという記録があるので、少年の歌舞伎はきわめて早くから行われていたことが知れる。
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ややこ踊(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
中世末から近世初頭にかけて行われた、ややこ(幼女)による踊りの芸能。『御湯殿上日記』天正九年(一五八一)九月九日条に、宮中に参内して踊ったと記録されたのが、文献上の初見である。歌舞伎舞踊という名称が現われる以前の同じ芸能の総称だった。その意味で歌舞伎舞踊の直接的な
出雲のお国(新版 歌舞伎事典・新版 日本架空伝承人名事典・改訂新版 世界大百科事典)
生没年不詳。慶長八(1603)年、京において歌舞伎踊を演じ、歌舞伎の創始者となった女性芸能者。出雲大社の巫女と称していたが、出身地は不詳。おそらくは京もしくはその周辺の出身であろう。歌舞伎踊を創始する以前は、ややこ踊と呼ばれる芸能を演じて
かぶき者(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・改訂新版 世界大百科事典)
歌舞音曲の演奏家や歌舞伎役者をさすとともに、放蕩無頼・異端・異装の封建体制からはみ出してしまった、溢れ者をさす語である。中世の一つの美意識である〈ばさら〉が、集団としての反抗精神をもっていたのに対し、〈かぶき〉は個人の美的な反抗にすぎなかった。かぶき者の最初の典型
猿若(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・日本国語大辞典)
歌舞伎の役柄または狂言の名。(1)お国歌舞伎時代に舞台に登場した道化役で、扮装は粗末な青系統の単衣に脚絆ばき、手拭ようの布で頬被りの下人風で現れ、〈魯鈍〉な性格を演じた。舞台の猿若は唐団扇を持ち、床几運びをすることもあり、そこには、猿若の芸能と風流踊との関連が示されている
女歌舞伎(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・日本国語大辞典)
出雲のお国が創始した歌舞伎踊をまねた、遊女や女芸人の歌舞伎をいう。お国自身の歌舞伎も女歌舞伎であるが、一般には区別している。慶長八(1603)年お国が歌舞伎踊で評判をとるとすぐに、歌舞伎を称する女芸人の座が多く生まれ、諸国へも下った。中で、遊女屋が経営する歌舞伎の座
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