ジャパンナレッジNEWS

辞書に関係あることも ないことも ごった煮でお届けする 公式だけどオフィシャル感のない スタッフブログ的サイト。登録いただければ メールでもお送りします。
ジャパンナレッジ会員ならナレッジサーチャー(ジャパンナレッジ簡易検索)使えます。

江戸検がつないでくれたもの

2011-11-01

今年もインフルエンザ予防接種の季節。昨年と比べてまったく痛みも、かゆみもないのはなぜ? 昨日注射を終えた、かおるんです。さて、あなたは注射されるとき、針先を見る? 見ない? どっちのタイプですか?

話はがらっと変わって……この時期、古本まつりでにぎわう神保町。そんなにぎわいの中、この時期、かおるんが思い悩むのは、神田の明治大学で行なわれる「江戸文化歴史検定」。昨年は、合格点ギリギリの70点で2級を突破。というわけで、今年は無謀にも1級にチャレンジ!! 一瞬やめようかとひるんだものの、二つのことが決め手となり、支えとなって、1級という恐れ多いものに挑むこととなりました。

一つ目はかわいい先生の出現。お江戸のアイドルほーりーこと、女優の堀口茉純さん。今春、「江戸名所図会」をもっと親しんでもらおうと「お江戸、いいね!~I Like! EDO」というFacebookページを立ち上げました。そのナビゲーター役を買って出てくれたのが彼女。しかも今回の江戸検のお題は「江戸名所」。つまりこの撮影や取材が、江戸検の勉強タイムになったというわけです。なんという役得!

そしてもう一つは、学友に恵まれたこと。以前メルマガでも紹介した、「うつくしきもの 枕草子」の著者、作家の清川妙さん。なんと御年90歳!それから大大先輩であるTさん(60代男性)。お二人が1級受験の学友です。清川さんは一昨年3級、昨年2級といずれも高得点で合格。2年連続最高齢合格者で表彰台に上がられています。

しかし勉強好きの清川さんも不安になるほど、1級のテキストは分厚く、そのうえすべてのページに文字がぎっしり! そこでTさんが重要なところだけ抜き出してレジュメを作成。私も清川さんのお相伴にあずかり、Tさんの“汗と涙の結晶”レジュメをいただいた次第です。ほんとうはいちばん年下の私がする役目だろうに、なんという不束者!(≧≦)

試験の半年前から、ほぼ月イチで集まり、勉強会+励まし会を開催。いつのまにか清川さんは、Tさんがワードで作った横書きのレジュメを、縦書きの原稿用紙に丁寧な文字で書き写されていました。雑誌の連載や古典講座など仕事を何本も抱えておられる大忙しの清川さんですが、「自分との約束」として、どんなに眠くても毎晩寝る前の5分間、江戸検の勉強をされたそう。

そしてついに試験当日の10月30日。90分の試験を終え、学友3人でいつもの店でランチタイム。テーブルについた途端、自己採点タイムに突入(ちなみに1級は80点以上で合格。70点以上なら、準1級に合格)。「悔しい、間違えた!」「うわ、勘違い」という言葉は飛び交ったものの、清川さんはなんとか準1級に届いている点数! やはり継続は力なり、なんですね! Tさんは惜しくもあと一歩の結果。残念!(あ、自己採点なのでまだほんとうの結果はわかりません!)

さて、こんなに恵まれた環境にいたかおるん。残念ながら10歩(!)足らず、今回はパスできませんでした。でもまあ、江戸がよりいっそう身近に感じられるようになっただけ、よしとしますか!

●ほーりーがガイド役の「お江戸、いいね!~I Like! EDO」お江戸ルほーりーこと、女優の堀口茉純さんが、「江戸名所図会」片手に、いまに息づく江戸を探検するFacebookページ! イベント情報満載!

●清川妙さんの連載「うつくしきもの 枕草子」清少納言と清川妙さんの美しい文章の競演、ぜひご堪能ください。

2011-11-01 written by かおるん
試験が終わり、ようやく好きな本を読めるようになりました。いま読んでいるのは、三浦しをんさんの『舟を編む』(光文社刊)。ある出版社の辞書編集部が舞台。『下町ロケット』同様、ものづくりの現場の面白さがたっぷり味わえる一冊です。秋の夜長にいかがですか?