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「絆」に思う

2011-12-20

いよいよ今年も、残すところあとわずか。去る12月1日には、年末恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。

この新語・流行語大賞は、『現代用語の基礎知識』の読者審査員アンケートから上位語がノミネート語として選出されます。『現代用語の基礎知識』は、ジャパンナレッジにもコンテンツとして搭載されている日本で唯一の新語・新知識事典。というわけで、ジャパンナレッジスタッフ数名も毎年受賞会場にお招きいただいております。今年は、流行語大賞候補のひとつとして選ばれた「ラブ注入」でおなじみの楽しんごさんが会場を沸かせたそうですよ☆

そしてすでにご存じの方も多いでしょうが、今年の大賞は「なでしこジャパン」が受賞しました。震災で沈む日本に希望と夢を与えてくれた「なでしこジャパン」。これは、誰もが納得する結果ではないでしょうか。そのほか、トップ10に残ったのは「スマホ」「どじょう内閣」「帰宅難民」「風評被害」などなど。

中でも、とくに気になったのが「絆」という言葉です。日本漢字能力検定協会が毎年主催する「今年の漢字」にも選ばれましたよね。確かに今年は未曾有の大災害により、家族や友達、応援や多大なる援助をしてくれた各国との絆を再認識した1年でありました。もともと「絆」は犬や馬などの動物を離れないよう繋ぎとめておく綱のことですが、人と人を離れがたくしている結びつきの意味でも使われるようになりました。平安中期より使われてきた言葉ですが、今年は震災以降スローガンのごとくさまざまなメディアでも多用され、耳にする機会が多かったですよね。

本来は、言葉にしなくても目には見えなくても、繋がっているはずの人と人との「絆」。震災を機に、改めて日本人が意識しだしたというのは少し皮肉な気もします。一過性の流行ではなく、いつも心に留めておきたい美しい日本語のひとつですね。

2011-12-20 written by マツオカ
東北人パワーに対する尊敬と復興への願いを込めて、個人的な今年の流行語は「東北魂」! マツオカがお送りしました☆。