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今年こそ、まるかぶりっ!

2012-01-31

1月31日、今日は晦日正月。「めちゃめちゃ寒い」とこごえて過ごしていたら、あっという間に今年も1か月が経ってしまいました。ああ、もったいない。月日は早く過ぎますね(;O;)。じつは隠れ冷え症、かおるんです。

さて今週の金曜日、2月3日といえば節分。コンビニやスーパーでは「恵方巻」のPRが目下大ブレイク中。今じゃ、京都出身の私も「そうか、そういう季節か」なんて自然に流していますが、東京で初めて恵方巻を目にしたときは、飛びあがるほどびっくりしました。なんで、あの苦しいまるかぶりが全国的に広がっているのか、と。

幼いころ、行事といえば盆に正月くらいっしょ、みたいな、行事に超疎い家庭で育った私(少なくとも誕生日ケーキは毎年なかったような……)。あるときそこにクリスマスが仲間入り。というのも、会社勤めしていた母が出入りの業者さんに毎年ケーキを買わされるはめになったから(そういえば、プレゼントは以前からもらっていたような……)。そこに加わったのが節分(あ、豆はちょこちょこ撒いていたかも、いわしも食べていたかも。つまり行事に超がつくほど疎すぎる家庭でもなかったか、といま気づく)。

小学校3年生の節分の日。母が巨大な(子どもながらにそう見えた)太巻き寿司を何本か抱えて帰ってくるなり、「これ、まるかぶりって言うねん。あっち向いて、無言で一気に食べなあかん。あんたの福が逃げるで」とまくし立てました。その形相に驚き、太巻きに必死でくらいつき、むせそうになるのもがまんして、半泣きになりながら一気に食べました。母はまたまた出入りの業者さんに毎年お寿司を買わされるはめになったわけです。

何年かこの苦しい修行が続き、それゆえ大人になってからはまったく食べず。上京して2年経った2003年、コンビニでおにぎりを物色していた私の目の前に突如現れたのが、苦い思い出あふれる、まるかぶり、「恵方巻」。

2003年2月3日配信の「新語探検」の「まるかぶり(恵方巻)」によると、

関西地方の風習。節分の日に恵方(陰陽道でその年の干支に基づいて、いいと定められた方角)を向いて、願い事を念じながら太巻きの寿司を切らずに口に入れて、そのまま食べきる。巻き寿司を食べ終わるまでは、一言も発してはいけない。しゃべったら、その年の福は逃げてしまうといわれている。江戸時代に大阪で始まった風習であるが、大阪の海苔問屋が節分に巻き寿司早食い競争を始めたことがきっかけとの説もある。最近まで大阪を中心とする関西だけで行われていたが、この1~2年は東京のコンビニでも節分近くになると「まるかぶり巻き」「恵方巻き」といった太巻き寿司を店頭に並べるようになり、全国的な風習となりつつある。

関西地方の風習といえども、関西でもそんなにポピュラーではなかった恵方巻(なぜかわが家はやってましたが)。コンビニの力はすごいですね。

2012年、今年の恵方は北北西! 銀座の名店「久兵衛」の高級品から、ハーフサイズにロールケーキなど、さまざまなバリエーションが楽しめます。今年こそ、あの苦しい(けど美味しい)まるかぶり、再開してみようかな。

2012-01-31 written by かおるん
節分の次の日、2月4日は立春。この厳しい寒さもいったん和らぐようです。2月は気温のアップダウンが激しいので体調管理に気をつけて!かおるんでした。