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お江戸ルに学ぶ江戸の食

2014-05-29

今日の東京、夏のようでした。まだこの暑さに身体がついていきません! みなさん、お元気ですか? ご無沙汰しております、かおるんです。

さて、ここで問題です。
徳川の将軍さまが食べられなかった魚は次のうち、どれでしょう?
(い)マグロ (ろ)タイ (は)サメ

正解は(い)。 いまじゃ日本でいちばん好まれている魚と言っても過言ではないマグロ。江戸では下魚だったそう。というのも、マグロの別名は「シビ」。「『慶長見聞集』には、シビは死日に通じるため、武家では不吉な魚としてマグロを敬遠した」(ジャパンナレッジ「ニッポニカ」)。というわけで、将軍の食卓にはマグロは並ばなかったのだとか。また赤い肉が血肉を思わせ、そのうえ淡白な味が好きな江戸っ子にはあの脂がどうも許せなかったようで、庶民にも好まれなかったんだとか。

さてこの問題、とある講演会で学んだもの。昨日、かおるんは「お江戸、いいね!」フェイスブックページのナビゲーター、お江戸ル(お江戸のアイドル)ほーりーこと、堀口茉純さんの講演会に行ってきました。テーマは「浮世絵に見る江戸の食」。場所は、東京の高級ホテルといえば、ここ! 「椿山荘東京」の緑まぶしい名庭園の中にある料亭「錦水」。

会の前半では、ほーりーが北斎やら広重やら歌麿やら芳年やらの浮世絵を見せながら、江戸の食について解説。「将軍の食事はいかに貧しかったか」という話を皮切りに、「すしは握り飯くらいの大きさだった」、「すしは横に並べるのではなく、縦に積んでいた」、「江戸っ子はビタミンB1たっぷりの蕎麦を食べて“江戸わずらい”(脚気)を予防した」などなど、ほんとうに興味深い話がてんこ盛りでした。

そして後半。いざ実践、ということで、ほーりーが監修したランチを味わいながら江戸の食材を知る、といったじつに豪華な内容。江戸の伝統野菜の「小松菜」、江戸のお寿司の代表選手、紅白の「海老の寿司」、江戸のファストフードといえば「天麩羅」、そして鰻に豆腐田楽、しめに二・八そばをいただいて、甘味はみたらし団子!

さて先ほどの問題に話は戻りますが、将軍様が一番食べたお魚は、そう、“めでたい”の「タイ」。二番目に食べたのは意外にも「サメ」。すり身にし、かまぼこやはんぺんで食べたんだそう。またマグロ同様、将軍の食卓に並ばなかった魚は、イワシとコノシロ。イワシは「魚偏に弱いと書く」から、コノシロは「この城を食う」ということで、敬遠されたそうです。

さて、ジャパンナレッジが応援している江戸文化歴史検定。今年(第9回)のお題は、みなさんご察しのとおり「江戸の食文化」です。そして初めてのみなさんに朗報、検定は夏も開催。3級受検者は2回チャンスがあるそうです。
江戸文化歴史検定ホームページ

そして豪華なディナーは出ませんが、ジャパンナレッジでも3回シリーズで「江戸の食文化」講座を開催します(江戸楽アカデミーさんとの共催)。第1回、7月9日(水)は、ほーりーが登場! ジャパンナレッジでも見られる「江戸名所図会」より、江戸庶民の食についてほーりーが解説します!
場所は旧江戸城に近い、日比谷公園内日比谷図書文化館です!

2014-05-29 written by かおるん
みたらし団子発祥の地は京都・下鴨神社。本来は5つなのですが、江戸では団子が4つになったんだとか。四文銭の流通で「四文均一」のお店、「四文屋(しもんや)」(いまでいう100円ショップですね!)が流行ったからだそう。いまでも4つのみたらし団子が流通しているのはその影響なんだとか。ここでも江戸の食文化が受け継がれているんですね。