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はじめて入院してみた!

2016-04-06

今朝、ピカピカのランドセルを持ったピカピカの1年生とすれ違いました。新たな場所で初めての春を迎える人、そしてまったくふだんと変わらない人も、2016年の春、楽しんでいますか? かおるんです。

そういやあ、私もこの春、“初めて”を経験しました。

昨年末、ある検査を受けたかおるん。かかりつけのお医者さんから「結果がよくないですね。専門医に診てもらいましょう」と言われ、紹介状を抱えてその大学病院へ行くと、「結果がよくないですね。根治するには手術をしましょう!」と言われ、「自覚症状もないですし、薬でどうにかならないものでしょうか」と一応反論してはみたものの、「薬じゃ治りませんね。根治するにはやはり手術をしましょう!」と先生の答えは同じ。おまけに入院は手術をしても「2泊3日」で終わるそう。そんなに言うなら、やってみますか、と入院と手術を決意しました。

しかしたった「2泊3日」といえども、そんな甘いもんではなかった。入院して発見したこと、感じたこと、以下に羅列してみます。

白衣の天使は女性に限らぬ
最初についてくれた看護師さんは学校卒業したてくらいの初々しい男子。次いで夜の担当も私と同い年くらいの男子。そして手術のとき「つらかったらなんでも言ってね」とやさしく声をかけてくれたのも品のいいおじさま看護師。女子だらけと思っていた、看護師の世界。そうか男子って、こんなにいるんですね。ちなみに主治医に担当レジデント、そして執刀医はなんと全員イケメン。そうかイケメンって、こんなところにいるんですね。

病院食は美味しいのだ!
入院直後のランチはかき揚げうどん。「病院食は不味いに違いない」という先入観がぶっ飛びました。管理栄養士さんが入院したての患者のところへ出向いて、「アレルギーはありませんか」とていねいにリサーチしていました。私は花粉症による鼻炎だからなのか、納豆とグレープフルーツがNGでした。さて、とにかくつらかった術後、寝たきりの私に看護師さん(女子です)がせっせと食べさせてくれたのは、サバの味噌煮。忘れられない味となりました。

レンタルを活用せよ
「ちゃんとしたパジャマがないな」「タオルは何枚くらい持ってけばいいのかな」と考えあぐねていたら、隣に座っている“入院先輩”の女子が「私はパジャマもタオルもレンタルでした」と言うので、「それは便利だ!」とレンタルを利用することに。タオルは何枚使ってもOK、パジャマも一日一回着替えられる。毎日、部屋に配達もしてくれて、短期単身入院者には大助かりでした。

家族は、いるに越したことはない
「ご家族は?」と何度も聞かれました。そのたびに「いやいや、家族は来ません」と何度も答えました。とくに「インフォームドコンセント」では、誰かに同席してほしいとしつこく言われましたが、「いいや、ひとりで大丈夫」と1対1で執刀医と話しました。過去に入院している家族の付き添いでお医者さんと話したり、言い合ったりした経験があるから冷静に対応できましたが、初めての入院の際はたとえ遠くに離れていても、動ける家族がいるなら来てもらったほうがいいでしょう。

人の情けは遠慮なく受けよ
ちょっとしたものを買ってきてもらったり、つらい気持ちを話したりするには病院関係者では難しい。やっぱり親しい人のサポートが必要だと痛感しました。見舞いを断る私をうまく躱(かわ)し、半ば強引に来てくれた友人2人に、ほんとうに救われました。

やっぱり健康って大事
局所麻酔につき思っていた以上につらかった手術、止血のためベッドに8時間固定状態だった術後、寝たきりから解放され点滴を引きずりながら見た朝日……たった2泊3日の、あまちゃんすぎる入院生活でしたが、自分の身体に真剣に向き合った貴重な経験となりました。

2016-04-06 written by かおるん
病院に持っていくカバンの中に、いちばん初めに入れたのは『吾輩は猫である』の文庫本。以前、父が長期で入院しているとき、張り詰めた気持ちを和らげてくれたのも、この『猫』でした。以来、不安な時の私のお守り。この4月から新聞連載小説となった『猫』。毎朝会えるのが楽しみです。