かともんじ【蝌蚪文字】
読者カード 用例 2018年01月31日 公開
用例: | ずゐぶん彼は丹念に蝌蚪文字みたいな字を清書してゐたが、こんな玩具にひとしい小唄の譜を筆記して、一たい彼はどうしようといふのだらう? |
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『仕事部屋』 1931年 井伏鱒二 | |
語釈: | 〔名〕(「蝌蚪」はおたまじゃくしの意)「かと(蝌蚪)(2)」に同じ。 |
コメント:用例がなかった?ので。解題に1931年『都新聞』に発表、『仕事部屋』(春陽堂1931年)に収録。底本には同書とあります。
編集部:第2版では、漢籍の例が1例添えられていますが、日本語文献からの例は添えられていませんね。「蝌蚪」の語釈2は「中国の古体篆字(てんじ)の称。筆紙がまだ行なわれないで、竹簡に漆で文字を書いたため、粘って文字の線の最初が大きく、末が細く、その形がおたまじゃくしに似ていたところからいう。蝌蚪文字(かともんじ)」となっています。
著書・作品名:仕事部屋
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1931年
著者・作者:井伏鱒二
掲載ページなど:19ページ〔『井伏鱒二全集 第三巻』、1997〕
発行元:筑摩書房