凡例
- 項目名の見出しは本見出し(漢字見出し)、かな見出し(読み見出し)の順に示し、かな見出しの五十音順に配列した。
- 項目に取り上げた人名は、記紀神話にみられる神名から、その主要な活躍の時期が近現代までにあるとされる人物とした。さらに小説・映画・テレビなどの登場人物をも項目の対象とした。
- 項目名は架空・伝承人名として適当と思われるものを基準とし、異称、幼名、本名などで重要なものは、適宜直送項目を立項した。参照すべき関連項目は文末に→の記号を付して示した。
- 各項目は本文と原典の引用部分から成る。本文では、実在が認められる人物については伝記的事実も架空・伝承のことがらとともに記した。引用部分は天地をリーダー罫で囲み、本文と区別した。引用部分および図版とその解説は、著名な場面、広く世に知られたことがらやイメージなどが、それぞれの時代に実際にどのように表現されていたか、具体的な例を提示するもので、編集部の責任において付した。なお、一部は書下しにするなど、原文を改めたものがある。さらに項目の末尾に、その項目にかかわる古川柳・雑俳およびその解説を加えたものもある。
- かなづかいは「現代かなづかい」によるが、原典の引用部分の中では旧かなづかいを用いた。漢字は原則として常用漢字・人名漢字の字体を用い、それ以外は慣用のあるものを除いて、正字ないし通用の字体を用いた。ただし一部に例外を認めたものもある。
- 年代は原則として西暦で示し、和暦を付した。和暦は改元の月日に関係なく、新元号で示した。南北朝期の和暦の年号は南朝、北朝の順に示した。
- 本事典は、文化、とくに日本の文化を総合的に理解するという方針のもとに編集された小社刊『大百科事典』(一九八四―八五)と並行して構想されたもので、本文の一部は『大百科事典』と共通する。
- 増補版の刊行に際しては、中世・近世で三二項目、明治期から第二次世界大戦までで五〇項目を加えた。さらに新版にあたっては、神代から近現代までで五〇項目、小説・映画・テレビなどの登場人物で二八項目を新たに加えた。
引用の古川柳・雑俳について
- 『
万句合勝句刷 』と『柳多留 』の双方に重出する句は、原則としてその原典である『万句合勝句刷』のほうを採った。 - 引用句には濁点・半濁点を付し、原句の明白な誤刻は正した。
- 引用句下部にかっこで記した出典記号は慣用に従った。
かっこ内が漢数字のみのものは『柳多留』(初編―一六七編、一七六五―一八四〇年(明和二―天保一一))の各編数、その下の算用数字はその丁数を示す(以下同じ)。(宝十梅2)などとあるものは、『川柳評万句合勝句刷』宝暦一〇年相印 梅の2枚目であることを示し、宝暦(一七五一―六四)=宝、明和(一七六四―七二)=明、安永(一七七二―八一)=安、天明(一七八一―八九)=天、寛政(一七八九―一八〇一)=寛と略した。また(天二・三・二七)などとあるものは、天明二年三月二七日開きを表す。他評『万句合』の場合は(泰月)などと冒頭に記した。 -
『泰月評万句合』(一七六二年(宝暦一二))は「泰月」、
『末摘花』(初編―四編、一七七六―一八〇一(安永五―享和一))は「末」、
『川傍柳 』(初編―五編、一七八〇―八三年(安永九―天明三))は「傍」、
『やない筥 』(初編―四編、一七八三―八六年))は「筥」、
『藐姑柳 』(一七八五年(天明五))は「藐」、
『柳籠裏 』(三編のみ、一七八六年(天明六))は「籠」、
『玉柳』(一七八七年(天明七))は『玉』、
『柳多留拾遺』(一〇冊、一七九六―九七年(寛政八―九))は「拾」、
『狂句むめ柳』(一八三一年(天保二)―)は「柳」、
『俳風柳のいとくち』(一八三九年(天保一〇))は「いと」、
『新編柳樽』(初編―四〇編、一八四一―五〇年(天保一二―嘉永三))は「新」、
『以呂波会狂句合』(一八四五年(弘化二))は「弘化二以呂波」、
『柳乃小樽』(一八四九年(嘉永二))は「嘉二小樽」、
『風嘯居士追福会』(一八五〇年(嘉永三))は「嘉三風」、
『差柳狂句合小集』(一八五〇年(嘉永三))は「嘉三差柳」、
『狂句新五百題』(一八五〇年(嘉永三))は「嘉三新五百」、
『陀留婆尼追善会』(一八五〇年(嘉永三))は「嘉三陀」、
『飛騨高山日吉山王宮奉額狂句合』(一八五〇年(嘉永三))は「嘉三日」、
『当世堂版新編柳多留』(一八五一年(嘉永四))は「当新」、
『飛騨高山桜山八幡宮奉額狂句合』(一八五一年(嘉永四))は「嘉四桜」、
『入船会狂句合』(一八五一年(嘉永四))は「嘉四入」、
『佃島住吉社奉額狂句会』(一八五三年(嘉永六))は「嘉六佃」、
『東宰府天満宮奉額狂句合』(一八五三年(嘉永六))は「嘉六太宰府」、
『里童居士追福会』(一八五四年(安政元))は「安政元里童」、
『海内柳の丈競』(一八五六年(安政三))は「安政三海」と略した。 - 引用句については、以下の書目を参考とした。
時代川柳大観 (春陽堂)森田鴎東著
初代川柳選句集 岩波文庫(岩波書店)千葉治校訂
川柳大辞典 (高橋書店)大曲駒村編著
川柳評万句合勝句刷 (川柳雑俳研究会)中西賢治編
定本誹風末摘花 (有光書房)岡田甫編
日本史伝川柳狂句 (古典文庫)岡田三面子編著・中 西賢治校訂
誹風柳多留拾遺 岩波文庫(岩波書店)山澤英雄校訂
誹風柳多留全集 (三省堂)岡田甫校訂
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