日本大百科全書(ニッポニカ)

上部消化管内視鏡検査
じょうぶしょうかかんないしきょうけんさ

内視鏡を口または鼻から挿入して、おもに上部消化管(食道、胃、十二指腸)を観察する検査。一般には「胃カメラ」ともよばれているが、現在はカメラではなく、CCDを先端に取り付けた電子スコープ内視鏡が用いられている。
 消化管を内側から肉眼的に観察する以外に、超音波を消化管や消化管周囲の臓器(リンパ節、胆管、膵臓(すいぞう)など)に照射して信号を画像化する超音波内視鏡や、狭帯域光や非可視光・レーザー光や蛍光など特殊な波長光を用いて画像化するシステムなど、目的や用途に応じてさまざまな方式で行われる。観察だけでなく、組織診断を目的とした生検や、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)、内視鏡的総胆管結石摘出・ドレナージ(胆汁や膵液などの排出)などの治療を行うことも可能である。
 内視鏡は口から挿入するタイプが多いが、細径内視鏡を鼻孔(びこう)から挿入する経鼻内視鏡検査も行われている。検査前日夜より絶食とし、左側臥(そくが)位で、咽頭(いんとう)または鼻腔(びくう)麻酔下に実施される。検査時間の目安は経口内視鏡で5~10分、経鼻内視鏡で10~15分程度である。
 市区町村などが行う胃がん検診(対策型検診)においても、2016年(平成28)4月より、従来から行われていた問診および胃部X線検査に加えて上部消化管内視鏡検査が実施されるようになっている。
[渡邊清高]2019年5月21日