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イタリアの詩人、劇作家。ルネサンス人のもつ自由で闊達(かったつ)な気風をもっとも鮮やかに体現した文学者の一人。フィレンツェ近くのアレッツォに靴職人の子として生まれる。ローマの銀行家や法王など権力者の庇護(ひご)を受けながらも、王侯貴族の生活をあばく痛烈な風刺作品を次々と書きまくった。しかし彼の自由奔放な生き方は、一部からは敬遠されながらも、人柄のよさと相まって、広い共感を失うことがなかった。代表作に喜劇『遊女』(1526)、『タランタ』(1542)、『哲学者』(1544)、詩集『アンジェリカの涙』(1538)、『書簡集』(1521~1522)がある。