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両生綱無尾目スズガエル科のカエル。原始的な種で、朝鮮半島から沿海州、中国の東北地区南部、山東半島にかけて分布する。日本でも対馬(つしま)に分布するという記録があるが、これは誤認である。背面は緑色または褐色で不規則な黒斑(こくはん)が散在し、多数の皮膚隆起がある。腹面は平滑で赤色、大形の黒斑がまだら模様をなす。頭部は比較的小さく扁平(へんぺい)で、鼓膜は不明瞭(ふめいりょう)である。体長4、5センチメートル。水田、溝、渓流周辺の水たまりに多く、韓国では5月ごろに産卵する。卵塊は小さく、水草に付着したり、水底に沈む。腰部抱接型である。
スズガエル属には本種のほか中国大陸南部の2種、ヨーロッパのヨーロッパスズガエルB. bombina、キバラスズガエルB. variegataが含まれる。この属の仲間は、腹面と掌部が赤色または黄色で、顕著な黒色のまだら状斑紋をもち、危険にさらされると背を反ってあごと四肢をあげ、この斑紋を誇示する。