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国史大辞典

鋤鍬祭
すきくわまつり
年頭にわが田に出て農事のさまをし、また屋内でも豊作を祈願する予祝行事は全国的に知られた習俗である。正月二日または四日の仕事初め、十一日のお田打、十五日のお田植などがこれである。地方によってその名称はさまざまであった。徳島県勝浦郡の農家ではこれを鋤鍬祭といった。正月七日に鋤や鍬を飾り、これに桑の木の箸二本を添え、紙の幣をつけ、その先に白米、串に刺した鰯、干柿などを白紙に包んで立て供えた。農具を祭るのはこれを田神・作り神の物ざねとすることであるが、田植の日に〓(えぶり)や鍬を飾って苗に供えたり、秋の稲刈が終ったとき、鎌を飾って稲束に供えたりして田神を祭る習俗が各地にあった。これらと同様の趣旨から年頭にも祭ったものであろう。一般に作業の終るのを待って行う例が多かったが、豊作をあらかじめ祝い祭ることも少なくなかった。農事に大型機械が導入されると、儀礼は急激に失われよう。
(平山 敏治郎)
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