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ひょんな出会いから町の歴史に触れる

2013-08-30

私はジャパンナレッジの運営会社、ネットアドバンスにインターンシップで伺っています、現職業、大学生イタカナです(^-^)。

先日、葛飾区立石図書館に「データーベースの説明会」のお手伝いで伺いました。移動中、お蕎麦屋さんのおじさんとの出会いがありました。そんなエピソードをちょこっとご紹介します。

8月22日12:30、私は葛飾区にある京成立石駅に降り立ちました。道に迷ってしまい、そこで、私は知らない土地の知らないお店に入りました。そこは、老舗とも思える年季の入った木造建てのお蕎麦屋さん。

中には「いらっしゃーい」と威勢のいい声をあげる30歳程度のエプロンをしたお兄さんと、厨房で黙々とそばをゆでるおじさんがいました。「あのー、立石図書館は近いですか?」とお兄さんに聞くと、「ん~」と首をひねり四苦八苦。私はあきらめて、注文したたぬきそばをすすりました。

「あーーー! ちょっ……大丈夫だ~、ふー」いつの間に厨房から出てきたのか、私の後ろの席にはおじさんが!ときおり絶叫しています。前橋育英VS延岡学園。甲子園の決勝戦をテレビに張り付いて見ているのでした。実況とともにやっとおじさんも落ち着いてきたところで「あのー、お尋ねしますが……、ここらへんって、どのような土地柄ですかねー」と尋ねてみました。

すると、おじさんはくるっと向きを変えて、「お姉ちゃん、関東大震災って知っているかい? ここらへんは、昔農村だったんだが震災復興で町工場ができて、そこに働いている人たちが流れ込んだんだー、そのころは商店街もにぎわっていたよ」と話してくれました。

私はてっきり葛飾といえば映画「男はつらいよ」の話になるだろうと思っていましたが、商店街の一角にあるお店だけに実のあるお話をしていただきました。

おじさんに町の懐かしい話を聞いたついでに図書館への道を尋ねました。途中で話に茶々を入れてしまったようで「人の話を聞け!」と遠慮なく言われました。しかし、最後は「おい、そこの道だぞ」と心配そうに言ってくれました。下町のにぎやかなおじちゃん! 人情に厚そうだ。さすが葛飾!と私の頭には最後まで「寅さん」がいました。

改めて、ジャパンナレッジの「日本大百科全書(ニッポニカ)」で「葛飾」を調べてみると

「関東大震災(1923)後から宅地化、工場化が始まり、とくに第二次世界大戦後は著しく都市化が進展し、従来の近郊農業的景観はみられなくなっている。川沿いに化学、製紙、機械などの工業が発達しているが、南部の四つ木を中心とする地区は玩具(がんぐ)、染色、めっきなどの中小零細工業が集中している。」

という記述が! お蕎麦屋さんに来る職人さんが思い浮かびます。明後日は関東大震災が起きた9月1日。こんな季節のころだったんですね。そーいえば、夏休みのあとに避難訓練があったな~。

なにはともあれ、「おいちゃん、ありがとよ!」

2013-08-30 written by ゲスト
以上! インターンシップ生、イタカナでした~!!つたない文章でしたが、読んでいただきありがとうございます。メルマガは初挑戦でしたが、記念すべきVol.120を担当させていただきました!ぜひ今後とも週刊ジャパンナレッジNEWSをよろしくお願いします!