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地名に隠された想い

2015-09-15

すっかり秋らしく涼しい気候になってきました。しかし台風の影響など、このところ自然災害が続いている日本列島。先日の、鬼怒川の堤防決壊では東日本に甚大な被害が出ました。ニュースなどで目にした鬼怒川の氾濫は、その名の通りまるで鬼が怒ったかのような恐ろしい光景でした。

文政二年(一八一九)阿久津河岸(現氏家町)から江戸へ向かった安積艮斎の「下絹川記」では絹川と記されており、鬼怒川の字があてられるようになるのはずっと遅く、明治九年(一八七六)頃からと思われる。

と『日本歴史地名大系』にあるように、もともと鬼怒川は現在の表記とは違いました。享保8年の五十里大洪水から始まり鬼怒川には昔から水害が多かったようで、やはり一説では鬼が怒ったように荒々しい暴れ川になることが名前の由来とされています。

昔の人々は地名に災害への畏怖を込め、後世へその土地の特性を伝えようとしていたのかもしれません。みなさまが住む地域の地名も、ぜひ一度ジャパンナレッジで調べてみてはいかがでしょうか。

2015-09-15 written by マツオカ
9月1日は「防災の日」でしたが、10月13日は国連が制定した「国際防災の日」。いまいちど、災害に対する備えをしっかりと行いたいマツオカがお届けしました。