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「名所江戸百景」に込めた復興への願い

2019-10-15

台風19号、東日本に非常に甚大な被害が出ています。10/16現在、74人の方が犠牲となり、52の河川で決壊したそうです。被災された皆様、お見舞い申し上げます。かおるんです。

先日、「お江戸、いいね!」のナビゲーター、お江戸ルほーりーこと堀口茉純さんの講義を聞きに行きました。テーマは「名所江戸百景」。なかでもほーりーが最後に取り上げた「深川洲崎十万坪」が深く印象に残りました。

「名所江戸百景」は安政3年(1856)から5年(1858)にかけて出版された歌川広重最晩年の作品。雪の浅草寺、晴れた日本橋、こいのぼり舞う水道橋、花火上がる隅田川……江戸の名所がこれでもかこれでもかと登場するシリーズ。タイトルには百景とありますが実際は119作品。さて広重は最晩年になぜこんな大作を手掛けたのでしょうか。

黒船来航や東南海地震などさまざまなことが起き、そこから脱却したいとの思いで安政に改元したものの、江戸では2年10月に直下型の大地震が発生。翌3年8月には台風が襲撃。被災した浅草寺の五重塔の復元にあわせて「浅草金龍山」を、上野広小路の松坂屋再開にあわせて「下谷広小路」を売り出すなど「名所江戸百景」はまさに江戸復興のシンボルとなりました。「江戸の名所は残っている」「壊れた箇所も修復できた」──定火消同心だった広重は名所絵を用いて必死に伝えていたんですね。

さて台風の翌年に売り出された「深川洲崎十万坪」。急降下寸前の大鷲が印象的なあの絵です。深川の東方の海に面した地域、深川洲崎の雪景色が描かれています。享保期に埋め立てられ新田が開発されたところ。初日の出、潮干狩り、月見などで有名だったそうですが、洪水がたたびたびあったため、幕府はここに家を建てることを規制していました。

そして安政の台風が深川洲崎を襲います。津波レベルの高波に襲われ、亡くなった方が多数いたようです。絵の下のほうには波に浮かぶ早桶が……ほーりーの解説でその意味をようやく知りました。

この安政の台風、伊豆半島の西側から内陸を進んで福島県相馬市に抜けたのではと最近の研究で明らかになったとか。今回の台風19号のルートと似通っているような気がします。

さてかおるん、昨日、多摩川に行ってきました。街は普通に動いていて、川の水はすでに引いていて……でもまだ氾濫の爪痕がところどころに残っていました。

2019-10-15 written by かおるん
ラグビーワールドカップ。日本が史上初のベスト8進出にわいています。その一方で岩手の被災地域で試合中止となったカナダチームがボランティアをしてくれたとか。このニュースには目頭が熱くなりました。

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