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今年いちばん面白かったこと!

2019-12-19

かおるん、2019年、最後のジャパンナレッジNEWS。この10月から新メンバーが加わり、遅筆拙筆のワタクシ、めっちゃ楽になるわーって思ってたら、「メルマガ、週一配信でいんじゃね」の上司テツマザキの鶴の一声により、月イチで担当が回ってくることになりました。早くも3回目にして何書いたらいいものか考えあぐねてすでに配信、遅れてるだろーーーっていう状況になっております。二日遅れの配信、すみません!

さてこの日曜日、大好きな大河ドラマ「いだてん」が終わってしまいました。低視聴率だ低視聴率だとさんざん叩かれましたけど、「面白かった。ありがとう!」、この一言に尽きます(後半しか見てないんですがね)。ということで、今回のお題は嘉納治五郎先生にあやかって、「今年、いちばん面白かったこと」!

それはラグビーワールドカップ準々決勝、ニュージーランド対アイルランド、味スタに観戦に行ったときのこと(もう2か月前の話になるんですな)。オールブラックスのプレーが見られるよなあとか、生ハカが見られるよなあとか、この日のために手に入れたカンタベリの黒パーカー引っ掛けて、思いっきりオールブラックス側で観戦しておりました。

終わってみれば試合は46-14でニュージーランドの圧勝。ワールドカップに世界ランキング1位で乗り込んできたアイルランドは完敗。国民一人当たりの消費量世界一というデータ通り、この日のビールの消費量も半端なかったので(まあNZ側もめちゃめちゃ飲んでましたけど)、試合後はあの情けない負けっぷりによもや暴動が起こるんじゃないか、とちょっとひやひやものでした。でも、アイルランドのファンたちは試合終了後、スタジアムから駅までの道をとにかくずーっとなにやら大声で歌っており、アイルランドの緑のユニフォームに占拠された駅前のラーメン屋からも超大音量の合唱みたいなものが聞こえてきて、また新宿行き臨時の京王線特急車内でも、緑の誰かがビリージョエルの「ピアノマン」を歌いだし、それがほかの緑にも波及し、超満員の車内は一瞬で緑の人たちの歌声に包まれてしまいました。

さてこの日のW杯関連のニュースで多く取り上げられたのは、試合内容じゃなく、アイルランドファンの歌声。試合前にニュージーランドチームは先住民のマオリ族の戦闘舞踊「ハカ」を披露するんですが、このハカ(そのうえこの日は特別仕様の「カパ・オ・パンゴ」)がアイルランドファンの歌声によってかき消されてしまった(かおるんもハカ、聞こえなかったっす)というお話。

あんたたちはどんだけ、歌が好きなんですかーーーーー!
そうこれが、私の2019年、最も面白かったこと。

あのハカをかき消したアイルランドの歌は「ザ・フィールド・オブ・アセンライ」。イギリス支配下の大飢饉のときに生まれた歌、いわばアイルランド、魂の歌。いまは応援歌として息づいています。ハカをかき消すほどの大声で歌ったのも、いまならわかる気がします。また国歌斉唱の際に歌われていたのは「アイルランズ・コール」。これ、じつは国歌じゃないんです。1995年から使われたラグビーW杯のための特別な曲。

《Ireland's Call》ラグビーのアイルランド代表チームのラグビー・アンセム。アイルランドのラグビー代表チームはアイルランド共和国とイギリス北アイルランド地域による統一チームのため、代表チームの国際試合の際に使用される。(デジタル大辞泉プラス)

Ireland, Ireland, Together standing tall Shoulder to shoulder We'll answer Ireland's call……
全島民、肩と肩を寄せ合うという思いが込められていますよね(ちなみにサッカーは連合チームじゃないから国歌斉唱の際は国歌「兵士の歌」を歌うんだそう)。

先日、イギリスではジョンソン首相率いる保守党が総選挙で圧勝。EU離脱が確実になりました。一方北アイルランドでは、英国領としての維持を望む民主統一党が過半数を失い、アイルランドとの統一を目指すシン・フェイン党が伸長。EU離脱が北アイルランドにどんな影響を及ぼすのか、ラグビー連合チームとともに見守っていこうと思います。

緑の人たちの歌声、もう一度、遭遇してみたいなあ。

2019-12-19 written by かおるん
「いだてん」最終回でも1964年東京オリンピック開催中に起こったインドネシア不参加やザンビア独立のお話が描かれていました。政治とスポーツ、年々切っても切り離せない状態になっています。64年にまーちゃんたちがやってくれた「面白いこと」、2020年の東京で果たしてできるかな? 東京オリンピック・パラリンピックまであと7か月。さて、どうなりますか。