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キャッシュとか、伝票とか、水無月とか

2021-06-04

税金やら公共料金はほぼ口座振替にしているかおるんだが、未だ納付書で送られてくる税金がある。今回はすっかり入金を忘れており、早く納めてくれ、となんと督促状が届いた。というわけで、テレワークのお昼休み、慌てて近くの銀行へ納めに行った。

ATMへは頻繁に行くが、ずいぶんと窓口に出向かない間に、その銀行はいつのまにかきれいになっていた(改装していたな、そういえば)。総合受付なる立派なものまでできていた(以前は警備員さんが案内してくれていたっけ)。

「どういったご用件でしょう?」と受付の若い行員に聞かれ、「税金を納めにきたんですが、じつは納付期限が超えておりまして」と恐縮して言うと番号札を渡された。なかに入ると、白く大きなローテーブルが2、3あった。一つひとつ囲われている窓口は、相続とか定期預金の相談しかしてはいけないんじゃないかってくらい立派だ。そうそう、当然、伝票、書くよね? と思って、起票台なるものを探すが、いっさいない! そうこうしているうちに番号が呼ばれ、2番窓口へ進む。「税金なんですけど、納付期限を過ぎておりまして」と言うと、まずはこちらへ、と2番のテラーさんに窓口の並びのいちばん端にある機械へと案内された。

その機械は大きなATMといった感じ。一つ違うのは、何やらシートを入れるところがある。ああ、そうだ、ゆうちょのATMの払込取扱票を入れるところに似ている。「ここに納付書を入れていただいて……」「あれ? 伝票とか書かなくていいんですか?」「不要です。当行のカードと通帳はお持ちですか?」「はい」「では手順に沿って、あとはお振り替えの手続きをしていただければ……」

伝票、書かなくていいんだ! テラーに頼まなくて一人でできるんだ! とまあ目がテン、になってしまった。出納の判が印刷されたA4サイズの払込領収証書をもらって終了。2、3分くらいしかかかってない。

さてこのお店、この春から窓口でのキャッシュのやり取りをいっさいしなくなったという。「このスタイルは東京で3番目」というから、うちの支店、日本の最先端行ってるんです、ということなんだろう。

なにを隠そう、かおるんは最初の職が地元の信用金庫のテラーだった。この店では、不器用な私が大の苦手とする札勘(札勘定、紙幣を数えること)をやらなくて済むんだな、そしてお客さんと伝票のやりとりをあんまりしなくていいんだなと思うと、ちょっと複雑な気分になってくる。そりゃ、どこぞの銀行は週休4日になるよな、とちょっと悲しい気持ちになってきて、常連さんの顔やら、年末の異常な忙しさやら、お金を入れる青いカルトンやら振り込み伝票やら……あのころのいろんなことを思い出してしまった。

甘いもんでも食べて、凝り固まった浦島状態の頭を切り替えるぞ、と駅前のまんじゅう屋に立ち寄る。我が故郷・京都が誇る6月のお菓子「水無月」は、東京の町のまんじゅう屋にはぜーったいにあるはずがないっ!と高を括っていると、ありました、ありましたーーーーっ! 長年住んでるのに、なんで知らんかったん? それがまた悔しくて、買って帰った二つの水無月、一気食いしてしまいました。 

2021-06-04 written by かおるん
こんなご時世、そして時代的にも、そろそろキャッシュでの支払いなどやめて身軽に行こう、とは日々考えてはいるものの、まだまだキャッシュに愛着があるのか、なかなか転向できない前時代的な私です。