さび【錆】
読者カード 語釈 2018年07月11日 公開
用例: | 歌詞は同じだし、歌い出しと歌い終りはやや似ているものの、到底同じ歌とは思えなかった。山もあり谷もあった。ちゃんとサビも利いていた。〈クラシック〉 |
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『女の人差し指』 1981年 向田邦子 | |
語釈: | 音楽のなかで、それまでの曲調から転じて特に強調される部分。 |
コメント:2007年7月21日の投稿に用例を多く集めたいとありましたので。十年もたっているのでもう充分集ったのかもしれませんが。96頁に「週刊文春」56・6~9とあり、『向田邦子全集第二巻』文藝春秋1987年の初出一覧に「週刊文春」昭和56年6月4日~9月3日とあります。(昭和56年=1981)『広辞苑』他の辞典では漢字表記はなしです。
編集部:2007年7月20日付けで、ぽんちさんに、五木寛之『恋歌』(1968)からの例をご紹介いただいています。取り敢えず、漢字表記を「錆」にしているのは、第2版の「さび(錆)」の〔二〕(3)にある語釈「謡物、語物などの声の質で、噪音的なものが含まれた渋みのあるもの。単純で美しい声よりも味があると考えられる」に由来すると考えているからですが、なお、検討が必要ですね。
著書・作品名:女の人差し指
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1981年
著者・作者:向田邦子
掲載ページなど:93-94ページ〔向田邦子『女の人差し指』、1985〕
発行元:文藝春秋