すいあげる【吸上】
読者カード 用例 2018年05月20日 公開
用例: | 向うに働かしてこっちは懐手(ふところで)をしていて、うまい汁はみんな吸い上げてしまう、こんな面白い商売はまたとあるもんじゃない。〈女子と小人の巻・三〉 |
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『大菩薩峠』 1913-41年 中里介山 | |
語釈: | 〔他ガ下一〕[文]すひあ・ぐ〔他ガ下二〕(2)他人の金銭・利益などを横取りする。搾取する。 |
コメント:さかのぼる用例だと思います。
編集部:第2版では、中野好夫『ある隷属国の悲劇』(1955)からの例が添えられていますが、さらに、14年はさかのぼることになります。ちなみに、ご投稿いただいた時点では前文に「その道へ入ってみるとこんな面白いことはない、なにしろ二十五両一分というのが利息の通り相場で、二十五両貸して月に一分の利息を上げる、それより上を取ってはならないことにお上(かみ)できめてあるんだが、どうしてどうして、裏はそんなものではない、十五両一分から十両一分、五両一分なんというのも珍らしくはないのですからね。それで向うが折入って御無心(ごむしん)に来る、こっちが高くとまって、それでいやならおよしなさいという腹でいると、背に腹は換えられないから向うが往生してしまうんでさあ」とありました。
著書・作品名:大菩薩峠
媒体形式:その他
刊行年(月日):1913-41年
著者・作者:中里介山
掲載ページなど:青空文庫〔『大菩薩峠』、1976〕
発行元:筑摩書房