えきすい【易水】
松井カード 用例 2019年02月06日 公開
用例: | まさか易水の壮士を気取って、龍鳴を聞かうと云ふ酔狂でもあるまい |
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『吾輩は猫である』 1905-06年 夏目漱石 | |
語釈: | 中国河北省易県の付近から発し、大清河に合流する川。三源あって北易水(濡水)、南易水、中易水(武水)に区別され、通常は中易水をさす。「易水の歌」で名高い。 |
コメント:2版に例ナシ。
編集部:第2版では、漢籍例が添えてありますが、日本語文献からの例としては初の例となります。易水の壮士とは、「易水の歌」(秦の始皇帝殺害の命を帯びた燕の荊軻(けいか)が、河北省西部を流れる易水のほとりで、太子丹との別れにさいして詠じた歌「風蕭蕭兮易水寒、壮士一去兮不復還」)にちなむものと思われます。
著書・作品名:吾輩は猫である
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1905-06年
著者・作者:夏目漱石
掲載ページなど:211ページ、2行目〔『漱石全集 第一巻』、1965〕
発行元:岩波書店