がんさいぼう【癌細胞】
読者カード 用例 2020年09月13日 公開
用例: | 國家といふ有機體にも時々癌腫が發生する。ひどくなると國家を殺すが、多くの場合に、その癌細胞自身も結局共倒れになつて死んでしまふやうである。〈十二〉 |
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『破片』 1934年11月 寺田寅彦 | |
語釈: | 〔名〕癌の本態をなす有害な細胞。 |
コメント:投稿例(1880)ほど古くない例ですが、癌(2)のように比喩的な意味に使われている例のように思いますので投稿します。初出(昭和九年十一月、中央公論)とあります。
編集部:2016年7月30日付けで、古書人さんに、三宅秀『病理総論 巻五』(1880)の例をご紹介いただいていますが、比喩的用法としてブランチを立てるかどうかというところですね。
著書・作品名:破片
媒体形式:雑誌
刊行年(月日):1934年11月
著者・作者:寺田寅彦
掲載ページなど:寺田寅彦全随筆五 1992年4月3日第1刷発行 173ページ本文7ページ
発行元:岩波書店