かゆつり【粥釣】
読者カード 用例 2020年09月17日 公開
用例: | その頃郷里高知では正月の十四日の晩に子供等が「粥釣」と稱して近所の家を廻つて米や小豆や切餅を貰つて步いて、それで翌朝十五日の福の粥を作るといふ古い習慣が行はれてゐた。素面では流石に具合が惡いと見えてみんな道化た假面をかぶつて行くことになつて居たので〈二〉 |
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『自由画稿』 1935年2月 寺田寅彦 | |
語釈: | 〔名〕高知県下に行なわれる新年の行事の一つ。三方にのせて床の間に飾った白米、橙(だいだい)、譲葉(ゆずりは)を一月一四日におろすと、青年男女や子どもが仮面をかぶってその米を一握りずつもらい歩き、それを集めて粥を炊いて食べること。《季・新年》 |
コメント:用例が載っていないので。初出(昭和十年二月、中央公論)とあります。
編集部:第2版では、用例が入りませんでした。
著書・作品名:自由画稿
媒体形式:雑誌
刊行年(月日):1935年2月
著者・作者:寺田寅彦
掲載ページなど:寺田寅彦全随筆五 1992年4月3日第1刷発行 320ページ本文4行目
発行元:岩波書店