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さくよう【腊葉】

読者カード 用例 2020年10月24日 公開

2020年08月22日 ubiAさん投稿

用例:一枚の腊葉が綴込んである
『連句雑俎 四 連句の心理と夢の心理』 1931年7月 寺田寅彦
語釈:〔名〕(「さく」は「腊(せき)」の慣用読み)
植物を平らに押して乾燥した標本。一定の大きさの台紙にはり、研究に必要な事項を記入したラベルを付け、腊葉集などにして研究に役立てる。押し葉標本。

コメント:投稿例(1937)よりも遡ります。初出(昭和六年七月、澁柿)とあります。
第二版では「さくよう」と「せきよう」で立項されていますが、採集した全集でも、単行本「蒸発皿(昭和八年十二月二十日第一刷発行 昭和九年三月十日第二刷発行)、589ページ13行目」でもルビがありません(「澁柿、昭和六年七月」は未見)。そのため、読み方は「さくよう」か「せきよう」か不明ですが、投稿例に合わせてとりあえず「さくよう」で投稿します。ちなみに、「寺田寅彦全集第12巻(1961年9月7日第1刷発行、1976年8月10日第3刷発行)、150ページ上段本文4行目」では「さくよう」とルビがありますが、現代表記化にともなってつけられたルビだろうと思います。

編集部:古書人さんに、『生物学辞典』(1937)から確例をご紹介いただいていますが、とりあえずこの読み方に寄せておきましょう。さらに、6年さかのぼります。

著書・作品名:連句雑俎 四 連句の心理と夢の心理

媒体形式:雑誌

刊行年(月日):1931年7月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:寺田寅彥全集文學篇第七卷 昭和二十五年十一月五日第一刷發行 524ページ本文8行目

発行元:岩波書店