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ドラフト

読者カード 語釈 2021年03月21日 公開

2020年10月02日 ubiAさん投稿

用例:化學新敎室二階實驗室ドラフトより發火せし由にて損害は輕微なりし。
〔大正五(1916)年一月十四日〕
『寺田寅彦日記』 1916年1月14日 岩波書店
語釈:〔名〕(英 draft)有害ガスの発生を伴う実験を行うときなどのために、室外に強制的に排気できるようにした設備。ドラフトチャンバーともいう。実験室の他の部分と隔離して、通風を完全にしながら発生ガスを排出する。教育機関である学校の化学実験室には必ず設置することが義務づけられている。環境汚染対策より、排出ガスの洗浄装置をつけたものが多くなっている。(旺文社 化学事典「ドラフト」)

コメント:ドラフト5の語釈「通気。通風。特に、蒸気機関車などが排気すること。」に、やや合わないので、「その装置」を追加すればドラフト5の用例になるかとも思いましたが、「旺文社 化学事典」では、「ドラフトチャンバー⇒ドラフト」とされているので、ドラフトチャンバーの略と考え、新語釈で投稿します。ドラフトの投稿例(1924)も、同じだとすると、さかのぼります。

編集部:ここはブランチを分けたほうがわかりやすいですね。2008年1月26日付けで末広鉄男さんにご紹介いただいている西沢勇意智『主婦への化学』(1924)も同じ意味と考えられ、さらに、8年さかのぼることになります。

著書・作品名:寺田寅彦日記

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1916年1月14日

著者・作者:岩波書店

掲載ページなど:寺田寅彦全集第十二巻 一九五一年四月五日第一刷発行、一九八六年七月七日第二刷発行 166ページ本文4行目

発行元:岩波書店