日国友の会



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サイレン

読者カード 用例 2021年12月05日 公開

2021年02月07日 ubiAさん投稿

用例:高い建物の屋根の上に見張番を置き、敵の飛行機が来ると見ると、大きな叫び声を出す代わりに笛を鳴らして近辺の人に知らせる。(中略)これに使っている笛は、海岸の灯台で霧の深い時に鳴らす霧笛(fogsiren)によく似たもので“サイレン(sairen)”(siren)という笛である。
『パリの非常笛』 1918年9月 寺田寅彦
語釈:【二】〔名〕(英 siren)羽、穴あき円板などの回転により空気を断続して、音を発生させる装置。また、その音。非常に大きな音を出すことができるので警報装置、工場の仕事や野球の試合の開始・終了の合図などに用いられる。

コメント:第二版に載っている辞書類(1888)以外の文例(1930)よりもさかのぼるので。原文ローマ字、( )内に見出し語のみ原文ローマ字表記をいれました。初出(大正七年九月、『ローマ字世界』)とあります。

編集部:第2版では、山口鋭之助『物理学術語和英仏独対訳字書』(1888)の例が早く、文章例としては牧野信一『吊籠と月光と』(1930)の例よりも12年さかのぼることになります。

著書・作品名:パリの非常笛

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1918年9月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:邦字表記は、87ページ12行目〔『寺田寅彦全集第九巻』、一九九七年八月六日発行〕(ローマ字表記は、83ページ22行目〔『寺田寅彦全集第十巻』、一九五一年一月一〇日第一刷発行 一九八六年五月六日第二刷発行〕)

発行元:岩波書店