ひきがね【引金】
読者カード 用例 2022年05月30日 公開
用例: | 少くも震災が事件の「引金」を引いたのではないかといふ、漠然とした想像をした。 〔二 ボーイ〕 |
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『雑記(II)』 1924年4月 寺田寅彦 | |
語釈: | 〔名〕(2)(転じて)ある行為をしたり、あることがおこったりする誘因。きっかけ。 |
コメント:第二版の用例(1975)よりさかのぼります。鉤括弧つきで、かつ「を引く」という言い回しのため、まだ成熟した使い方ではないようですが、(2)の意味で使われ始めた頃の例なのではないかと思います。初出(大正十三年四月、中央公論)とあります。
編集部:第2版では、深田祐介『新西洋事情』(1975)の例が早いのですが、さらに、51年さかのぼることになります。
著書・作品名:雑記(II)
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1924年4月
著者・作者:寺田寅彦
掲載ページなど:400ページ本文3行目〔『寺田寅彦全随筆二』、一九九二年一月七日第一刷発行〕
発行元:岩波書店