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スケプチシズム

読者カード 用例 2022年08月16日 公開

2021年07月22日 ubiAさん投稿

用例:何処か科学的なスケプチズムに匂ひがある。〔四〕
『KからQまで』 1933年10月 寺田寅彦
語釈:〔名〕(英 skepticism, scepticism)《スケプティシズム》疑い深い精神状態。哲学で、どんな事実も確実には知られず、あらゆる知識が不確実であるとし、哲学的根拠からして、真理はなりたたないとする学説。また、判断を中止する方法や、懐疑論者に固有の組織的懐疑の方法もいう。

コメント:第二版に載っている辞書類(1914)以外の文例(1957)よりもさかのぼるので。寺田寅彦全集第8巻(1961年5月8日第1刷発行、1976年8月10日第3刷発行) 82ページ下段6行目の注釈(247ページ)には、「スケプチズム scepticism. 懐疑主義。スケプチシズムが正しい。」とあります。初出(昭和八年十月、文藝評論)とあります。

編集部:第2版では、勝屋英造『外来語辞典』(1914)の例が早く、文章例としては、円地文子『二世の縁拾遺』(1957)の例よりも24年さかのぼることになります。

著書・作品名:KからQまで

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1933年10月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:405ページ7行目〔『寺田寅彦全随筆四』、一九九二年三月四日第一刷発行〕

発行元:岩波書店