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まちのしんし【街の紳士】

読者カード 語釈 2022年08月16日 公開

2021年07月22日 ubiAさん投稿

用例:ふとチョッキのかくしへ手をやると、旅費の全部を入れた革財布がなくなつてゐた。改札口の混雜に紛れて何處かの「街の紳士」の手すさみに拔取られたものらしい。(中略)今度は掏摸の厄介にはならなくて濟んだし、
『伊香保』 1933年12月 寺田寅彦
語釈:掏摸(すり)。

コメント:第二版の語釈とは異なるようなので。寺田寅彦全集第8巻(1961年5月8日第1刷発行、1976年8月10日第3刷発行) 96ページ下段5行目の注釈(248ページ)には、「「街の紳士」 掏摸(すり)のこと。」とあります。初出(昭和八年十二月、中央公論)とあります。

編集部:第2版の語釈には二つの意味が記述されています。一つに「ギャング。また、ギャングの頭をいう」とあり、もう一つには「赤新聞などに記事を書いて、ゆすりやたかりをする者」とあるので、「すり」の意味は別に加えるべきですね。

著書・作品名:伊香保

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1933年12月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:424ページ3行目〔『寺田寅彦全随筆四』、一九九二年三月四日第一刷発行〕

発行元:岩波書店