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ふにおちる【腑に落ちる】

読者カード 用例 2022年08月16日 公開

2021年07月22日 ubiAさん投稿

用例:その影響かと思つて見たがそれにしても腑に落ちない。
『伊香保』 1933年12月 寺田寅彦
語釈:納得できる。合点がいく。多く、下に否定の語を伴って用いる。

コメント:第二版の用例(1730、1900~01)より新しいですが、語釈に「多く、下に否定の語を伴って用いる。」とあり、下に否定の語を伴っている用例(1975)よりさかのぼるので。ちなみに、デジタル大辞泉では「腑に落ちる」と「腑に落ちない」で立項されています。初出(昭和八年十二月、中央公論)とあります。

編集部:第2版では、浄瑠璃『蒲冠者藤戸合戦』(1730)から「腑に入ぬ」の例、徳富蘆花『思出の記』(1900-1)から「腑に落ちて」の例、小田実『羽なければ』(1975)から「フに落ちんこと」の例が添えられています。まずは、「腑に落ちる」と「腑に入る」を別項目とし、「腑に落ちる」は蘆花の例も見えるところから明治期からあるのは確かなのでそのままにし、「腑に落ちない」を立てるかどうかは別途検討すべきと考えます。

著書・作品名:伊香保

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1933年12月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:425ページ13行目〔『寺田寅彦全随筆四』、一九九二年三月四日第一刷発行〕

発行元:岩波書店