チャンドラーしゅうき【ー周期】
読者カード 項目 2023年01月25日 公開
用例: | 所が緯度の變化の實測から出しました所謂チャンドラーの週期と稱するものは |
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『地球內部の構造に就て』 1912年2-3月 寺田寅彦 | |
語釈: | チャンドラー運動ともいう。1891年にアメリカのS.C.チャンドラーの発見した、極運動の一成分の周期で約430日。流体核をもつ地球回転理論の重要な検証の一つ。剛体地球の極運動では周期が305日になることをL.オイラーは1765年に予言していた。観測された周期は、予言値に比べて約130日長く大問題となったが、アメリカの天文学者S.ニューカムは地球を弾性体と考えればこの周期の伸びが説明できることを証明した。現在では、地球の構造を考慮して、ほぼ弾性的変形をする部分(地殻とマントル)によって、オイラー周期が約120日伸び、流体核の存在によって約30日縮み、海洋の影響で約30日伸びて観測される周期430日になると考えられている。〈以下略〉(世界大百科事典「チャンドラー周期」) |
コメント:項目が載っていないようなので。「の」が入っている例ですが、とりあえず。初出(明治四十五年二―三月、天文月報)とあります。
編集部:第2版では、立項されませんでした。
著書・作品名:地球內部の構造に就て
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1912年2-3月
著者・作者:寺田寅彦
掲載ページなど:92ページ本文10行目〔『寺田寅彦全集第八巻』、一九五〇年一二月五日 第一刷発行 一九八六年三月五日 第二刷〕
発行元:岩波書店