れいきゃくざい【冷却剤】
読者カード 用例 2023年01月29日 公開
用例: | 固形炭酸をベンヂン等に溶した冷却劑を用ゐて居る。 |
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『高層氣象の硏究(I)』 1912年11月 寺田寅彦 | |
語釈: | 〔名〕「れいばい(冷媒)」に同じ。 |
コメント:投稿例(1920)よりもさかのぼります。「冷媒」の語釈にある「冷凍機・冷房機において、」と限定されない、単に「冷却するために使用する物質。(大辞林第四半「冷却剤」)」に合う例と思います。初出(大正元年十一月、東洋學術雜誌)とあります。
編集部:2005年7月20日付けで、古書人さんに、高桑勝雄『通俗写真薬品解説』(1920)の例をご紹介いただいていますが、さらに、8年さかのぼります。ちなみに、「冷媒」の語釈は「冷凍機・冷房機において、低温物体から高温物体へ熱を運ぶ作動流体。アンモニア、フロンなどが使われる。冷却剤」となっています。「冷却剤」の方が、「冷媒」よりもより一般的に用いられるのであれば、同義とするのではなく、語釈をきちんと施すべきでしょうね。さらに、用例を調査して検討したいところです。
著書・作品名:高層氣象の硏究(I)
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1912年11月
著者・作者:寺田寅彦
掲載ページなど:100ページ本文14行目〔『寺田寅彦全集第八巻』、一九五〇年一二月五日 第一刷発行 一九八六年三月五日 第二刷〕
発行元:岩波書店