日国友の会



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クロム

読者カード 用例 2023年02月25日 公開

2021年12月30日 ubiAさん投稿

用例:彼等は52%の鐵と36%のニッケルと12%のクロームとの合金でエリンヴァール(Elinnvar)と稱するものを用ゐた。
『地球物理学』 1933年 寺田寅彦
語釈:〔名〕(ドイツ Chrom 英・フランス chrome)《クローム》(塩類が各種の色彩をもつことからギリシア語の「色」chroma にちなんで命名)クロム族元素の一つ。記号Cr 原子番号二四。原子量五一・九九六。銀白色で堅くもろい強磁性の金属。天然に遊離して存在することはなく、クロム鉄鉱、紅鉛鉱などに酸化物として含まれる。空気、水などに侵されず、常温ではきわめて安定。耐食、耐熱性にすぐれ、鍍金材料、合金材料に用いられる。クロミウム。

コメント:投稿例(1873)よりも新しいですが、第二版に載っている「クローム」表記の文例(1935)よりもさかのぼるので、とりあえず。地球物理学 大正四年二月十五日發行 (文會堂書店)には載っていないようで、採集した本の後記6ページに「「地球物理學」は、著者が大正四年二月に發表した著書を昭和八年に改訂して岩波全書の一冊として發表されたものである。(中略)從つて舊版「地球物理學」(大正四年文會堂發行)は本全集には收められない。本卷に收めたものは岩波全書本にある索引を省略した。」とあり、改訂で増補されたのだろうと思われますので、昭和八年の例としています。

編集部:2010年7月5日付けで、nanyakayaさんに、三浦尚之『新式近世化学 巻1』(1873)から語形が「コロム」の例をご紹介いただいています。

著書・作品名:地球物理学

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1933年

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:391ページ本文13行目〔『寺田寅彦全集第八巻』、一九五〇年一二月五日 第一刷発行 一九八六年三月五日 第二刷〕

発行元:岩波書店